私の自宅近くには,1キロメートルほどにわたって見事な桜並木があります。この桜はオオカンザクラというもので,ソメイヨシノよりは花弁が濃い色をしています。今が満開でとてもきれいなのです。毎年ソメイヨシノよりも2,3週間ほど早く開花するので,近所の人だけでなく開花の早いことを知っている遠方からの見物客もおり,盛んにスマホなどで撮影しています。
このように,美しい桜は何事もなかったように咲き,見事な姿を見せて我々を楽しませ,慰めてくれます。
しかし世間では,何事もなかったどころの騒ぎではなく,新型コロナウイルス肺炎感染の問題で大騒ぎです。あれほど危惧されていたパンデミック(世界的大流行)に発展する様相を呈しております。
よし,事ここに至っては,政府批判をしている暇があったら挙国一致で感染拡大を防ぎ,何としても収束させなければならないでしょう。自らは地道に手洗い,うがいを励行し,人ごみを避けて免疫力(栄養と睡眠)をつけ,自分の身は自分で守るしかありません。それは分かっています。ただそれにしても,これまでの推移を考えますと,どうしても政府批判はしたくなる(笑)。あるサイトで国際関係の研究者である北野幸伯という方が寄せた記事を拝見しました。なるほどと思ったのでその要旨を紹介します。要するにこの記事の骨子というのは,これまでの日本政府の対応がどれだけ遅かったのか,危機管理が杜撰だったのかという批判です。
今から1か月以上も前の2月2日付け日本経済新聞によれば,1月31日には米国が中国本土を離れた外国人の入国を拒否する決定を行い,翌2月1日にはオーストラリア,翌2月2日にはニュージーランドが同様の決定を出し,フィリピンもこれに続き,シンガポール,モンゴルなども同様で,1月末までに62か国が中国人や中国からの渡航者に対して何らかの入国制限措置を導入していたのです。
それに引き換え,日本政府はというと,インバウンドだか何だか知りませんが,いわゆる「春節」どきにどんどんどんどん中国人観光客を入国させ,1月中の中国人入国者は92万4800人とも言われております。しかも,2月23日の時事通信の配信によれば,安倍首相は新型ウイルスが国内で流行する可能性に言及した上で,大規模な感染拡大を見据え,「総合的な基本方針」を2月末までにまとめるよう指示したというのです。
遅くとも2月の初めには諸外国が厳しい入国制限,検疫措置を講じていたのに,わが日本政府は「2月末までに基本方針をまとめる」ですと・・・。日本政府には2月末まで「基本方針」すらないのです(笑)。挙句,つい最近まで日本政府高官は中国共産党に忖度し,習近平主席の国賓訪日の予定に現時点で変更はないなどと間抜けなことを言ってもいましたよね。
この記事には,作家の百田尚樹さんの2月16日のツイッター,「皆さん、政府は無能です。国民の命を守るんだ!という意志も能力もないことが明らかになりました。自分と家族の命は自分で守りましょう!お互いに、生き抜きましょう!」といったつぶやきも紹介されていました(笑)。
笑い事ではありません。繰り返しますが,地道に手洗い,うがいを励行し,人ごみを避けて免疫力(栄養と睡眠)をつけ,自分の身は自分で守るしかないのです。