やっと手に入りました。死後30年を記念してリリースされた「前野曜子『メモリアル・コレクション〝ベスト〟~別れの朝』」というCDです。新品が札幌から届きました。日本全国に在庫があるかどうか照会していたのでしょうね。注文してから3週間後くらいに届きました。希少なのかもしれません。
このCDの歌詞集の後に,音楽評論家小川真一さんの解説が載っていますが,その一部を紹介しましょうか。
「前野曜子がこの世を去って、すでに30年の月日が経とうとしている。新しい歌声を聴くことが出来なくなってしまったのだが、未だその人気は衰える事がない。人々の心を強く掴んで離さないのだ。それはまさにディーヴァ(歌姫)の名称に相応しい。・・・今回のこのベスト盤はヴォーカリスト前野曜子の集大成であり、彼女のキャリアを見渡すことの出来る貴重なセレクションだ。」
爆発的なヒットとなった「別れの朝」はもちろん,「さよならの紅いバラ」などの海外の有名なナンバーのカヴァーもあれば,映画「蘇える金狼」のテーマや人気アニメ「スペースコブラ」の主題歌「コブラ」なども入っており,全部で16曲です。今では,マイカーでの移動中はいつも前野曜子の歌ばかりを聴いております。バッハはしばらく休憩(笑)。
いやぁ,凄い歌手だと思いますよ。少しハスキーで類いまれな歌唱力がありますし,特に私が感じたのは滑舌が良くて,日本語がとてもクリアで美しく聞こえるのです。それは生来のものか,それとも宝塚歌劇団仕込みのものなのか。
彼女はペドロ&カプリシャスの初代ヴォーカルです。現在も活躍中でその実力には定評のある高橋真梨子さんが2代目ヴォーカルです。人によっては趣味が悪い企画と思うかもしれませんが,ユーチューブではいくつかの曲で両者の聴き比べがアップされています。それぞれの持ち味があり,好みの問題であることは間違いないのですが,私は前野曜子ですね。「別れの朝」と「さようならの紅いバラ」を聴き比べてしまったのです。おそらく技術,歌唱力,声量ともに高橋真梨子さんの方を選ばれる方が多いとは思います。それに圧倒的な迫力というものがあります。でも,前野曜子の歌の方が私の心に響くのです。これは理屈抜きです。
アルコール依存になり,肝臓病での闘病を経て,40歳で夭折したのは誠に残念です。健康でありさえすればもっともっと良い仕事ができたはずなのに。今でもこの歌手をリスペクトするプロ歌手が多いというのは大いに頷けます。