このブログを書いている今も雪が降り続いております。昨日のゴルフのスコアはさんざんでしたけど,思ったよりも寒くはなく,プレーは昨日で良かったと思います。しかし今日は予報どおり午前中から雪が降り続いております。思い起こせば今年一年間は新型コロナウイルスで始まり,未収束のまま一年が暮れようとしております。社会も人の心もどこか沈んだままです。
年末のことでもあり明るく締めたいところですが,やはり日本の政治は完全に閉塞状態であり,国民の生命を守る防疫,経済政策,外交・安全保障などなど,菅政権には全く期待というものができず暗澹たる気持を払拭できないでおります。
端的に申しますと,菅義偉という人は日本国の首相としては明らかに失格です。彼は政治の裏でその人脈や権力を利用しての裏工作,官僚の作成した書面を読み上げることはできても,そもそもが首相の器ではありません。彼が自分の言葉で,国民に向け,その政治哲学,国家観,歴史認識,大きな政治目標というものを明確に語ったことがあるでしょうか。それすら具有せず,したがって語ることもできないというのは政治家としては致命的ですし,最低限備えるべき資質を欠いているというべきです。
容貌や立ち居振る舞いのことを言うべきではないのでしょうが,彼の目は完全に死んでいます。その容貌には自信のなさが溢れており,上目遣いや眼差し,記者の質問に対するおどおどとした受け答えなど,これでは到底国民の士気を鼓舞することなどできません。尖閣沖で中国公船が日本の漁船を追い回し,傍若無人に領海侵入を繰り返しても何にも言いません。習近平の国賓招待などといった酔狂なことは当然に中止すべきなのに,「日程調整する段階にない」などと言って将来的には日程調整するかのような含みを持たせています。媚中派の派閥領袖に担がれた傀儡のような政権ですから,無理もありませんけど・・・。
今本当に要求されているのは,新型コロナウイルス問題で大打撃を受けた事業者の粗利補償を含む積極的な財政出動,消費減税を含む景気対策と有効かつ徹底した防疫措置です。正に緊急事態であるにもかかわらず,新型コロナウイルス感染対策や経済政策を立案,断行する有力な司令塔が不在なのですから,国民は沈鬱な気持で新年を迎えなければなりません。携帯電話料金の引き下げ,不妊治療に対する助成金などはもともとは公明党が強く主張していた政策です。菅という人は公明党の支持母体である創価学会とは深い人脈があるようで,この政党に篭絡されているような行動に終始していますし,竹中平蔵のようなレントシーカーなどとの親交を重視し,彼が取締役会長を務める人材派遣大手のパソナや電通など特定の企業のビジネスチャンスに結びつくような政策ばっかり採用しています(いわゆる持続化給付金の事務事業をめぐる一般社団法人サービスデザイン推進協議会から電通へ,電通からその子会社への委託,再委託に伴う約100億円もの「中抜き」問題)。要するに,特定の人の意見だけに耳を傾け,特定の企業にのみ恩恵をもたらすような政権運営に終始し,大所高所に立った俯瞰的な政治判断が全くできていないのです。
気分的にも明るい気分で新年を迎えたいので,不満たらたらの文章はこの辺でやめにしておきます(笑)。
今年は,三島由紀夫没後50年です。三島由紀夫は自裁するちょっと前に「果たし得てゐない約束-私の中の二十五年」という寄稿文を認めておりますが,私の頭の中ではその文章のうちの次のような表現がいつも繰り返されているのです。
「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行つたら『日本』はなくなつてしまうのではないかといふ感を日ましに深くする。日本はなくなつて、その代はりに、無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。それでもいいと思つてゐる人たちと、私は口をきく気にもなれなくなつてゐるのである。」
皆様,本年も大変お世話になりました。月並みですが,来年もよろしくお願いいたします。
土曜日はカミさんと一緒に豊田スタジアムに行きました。本年度J1リーグ最終節の名古屋グランパス対サンフレッチェ広島戦を観るためです。寒い一日でしたが,ありがたいことに特別室でお弁当と温かい豚汁をいただき,体を温めてから観戦です。
さて,試合はというと・・・。気温と一緒でお寒い内容でした。前半はスコアレス,そして後半も40分まで無得点であり,攻撃の形はむしろアウェーの広島の方が出来ていましたし,得点の予感がありました。コーナーキックの数が4対14という数字にも表れています。寒い中,名古屋の拙い攻撃を見せられ,冷たいビールをくらいながら何度ため息をついたことか。でも,後半少し経ってから投入されたFWの前田直輝選手の鋭いゴールが見事に決まり,土壇場に近い時間帯の得点で名古屋が1-0で辛うじて勝利しました。
これで今シーズンのグランパスは19勝6分け9敗という結果であり,18チーム中3位ですから,マッシモ・フィッカデンティ監督も立派な結果を残したということになりますし,グランパスがこれほど上位に食い込んだのは久しぶりなんじゃないでしょうか。
前任の風間監督の時は,J2時代でもJ1時代でもリーグ屈指の失点数を誇ったものですが(笑),フィッカデンティ監督の戦術にもよるのでしょうが,今シーズンは年間を通して総失点数は28であり,リーグで最も少ないのです。私はこの方が良いと思います。同監督はイタリア出身ですが,かつては(1950年代から60年ころ)イタリア代表は「カテナチオ」(閂という意味)と言われたように堅守,速攻を武器にしておりましたので,大昔のその影響でもあるのでしょうか。
あとは,攻撃が課題です。堅守は勿論良いのですが,速攻とは程遠いし,土曜日の試合でも攻撃面では全く面白みというものがありませんでした。私は確信しました。現在のグランパスには,(1)ストライカーがいない,(2)敵陣を鋭く切り裂くドリブラーがいない,(3)サイドを素早く抉るウインガーがいないということです。補強をしましょうよ。そうすれば,もちろん優勝です(笑)。
ハーフタイムになって特別室で他のお客さんも,そして私もカミさんと一緒にコーヒーを飲んでいましたら,大村秀章愛知県知事が取り巻きと一緒に入って来ましたが,うちのカミさんはその存在に全く気付かなかったほど,オーラというものが全くない(笑)。それに私は,例のあいちトリエンナーレの件でこの知事の感覚,思想に呆れかえっておりましたので,全く目を合わせませんでしたし,他の方を向いておりました。昭和天皇のご真影をバーナーで燃やし,その灰を靴で踏みにじる映像や訳のわからない少女像(慰安婦を連想させるもの),特攻隊員を侮辱する展示物などのどこが「芸術」なのでしょうか,それらは政治的プロパガンダに過ぎず,あんなものに税金を使うなど言語道断です。
不愉快になりましたが,後半の土壇場の時間帯に鋭いシュートが決まったこと,そして今シーズン名古屋グランパスがそれなりの結果を出したことで気分が晴れました。補強さえすれば,来シーズンも期待できるのではないでしょうか。
今朝の産経新聞の記事を読んでいて,思わず笑ってしまいました。前々から確信に近い印象を持っていましたが,中国という国は「でたらめ」が多い国だと痛感しました(笑)。記事といっても,これは評論家石平さんの「China Watch」という題名のコラムなんですが,この日の見出しは「贈賄文化が生み出す司法腐敗」というもので,要するに中国という国は何でもかんでも賄賂は当たり前の伝統文化であり,司法の世界でも同様だということです。
12月4日,中国海南省で,同省高級人民法院(裁判所)の副院長を務めた高位にあった女性裁判官が,収賄などの罪で何と懲役18年の有罪判決を受けたのです。報道によれば,この女性裁判官は逮捕されるまでに37人から賄賂を受け取り,収賄額は4375万元(約6億9800万円)に上ったというから呆れかえります。
そして,この女性裁判官に賄賂を贈った37人のうちの18人が現役の弁護士だったそうです(苦笑)。評論家の石平さんはこのコラムで複数の例を挙げておりますが,その一例はこういうものでした。すなわち,Aという弁護士が持ち株の譲渡契約にまつわる裁判で民間人2名から代理を頼まれて訴訟活動をしたものの,第1審では敗訴したため,海南省高級人民法院に上訴し,A弁護士が同法院の副院長であったその女性裁判官に300万元もの賄賂を贈ったのです。賄賂を懐に入れたその女性裁判官は,高級人民法院でこの案件を担当する部下の裁判官に「何とかしろ」と指示した結果(爆笑),第2審は第1審の判決をひっくり返してこの当事者(民間人2名)に有利な判決をし,結果としてその2名は2000万元相当の経済的利益を得たというのです。もう,むちゃくちゃですし,でたらめなのです。
こんなものは氷山の一角にすぎず,このような構造的な「司法腐敗」は,中国では一般的な現象になっているようであり,「贈賄文化」に慣れている中国企業や中国人は裁判に負ける心配をしなくて済む一方で,賄賂を贈る発想もなく贈る方法も知らない日系企業などは常に不利を強いられているのです(笑)。
してみると,日本の司法は健全な方です。何と言ったって,7億円近くも賄賂をもらったという裁判官はおりませんし,収賄で訴追を受けるような裁判官は皆無でしょう。弁護士の私から見ても,みんな普通で健全な感覚を有した裁判官ばかりです。たまに判決内容や態度などで変てこりんな裁判官に接することはありますが(笑)。
中国のでたらめといえば,領土拡張意欲と領土に関する主張のでたらめを指摘しなければなりません。わが日本国政府のスタンスは尖閣諸島に領土問題などはないというものであり,尖閣諸島は日本固有の領土です。しかし,中国が連日武装した公船を尖閣沖に繰り出させ,領海侵犯はするわ,日本の漁船を追い回したりするわ,乱暴狼藉をはたらいていることは皆さん既にご承知のとおりです。そもそも中国が尖閣諸島は自国領だと言い出したのは,国連の調査でこのあたりに巨大な油田が存在するという結果が出た昭和40年代後半からです。その動機たるや,あさましい。
もともと中国は,尖閣諸島が日本領であることを認めていたのであり,1966年文化大革命が始まった当時,紅衛兵向けに刊行された地図では,尖閣諸島は中国の国境外に位置していることも示されています。昨日の産経新聞の1面では,尖閣諸島(沖縄県石垣市)を日本領と記した19世紀後半の英国製とドイツ製の地図が新たに確認されたことが報道されていました。
その地図というのは,「スタンフォード地図店」(英国)が1887年に発行した「ロンドン・アトラス」と,ドイツ地図発行人のシュティーラー氏による1875年版の「ハンド・アトラス」の2つです。いずれも尖閣諸島と台湾の間に国境線が引かれているのです。
中国側は,尖閣諸島は明治28年4月に締結された日清戦争の講和条約「下関条約」で台湾とともに日本に割譲され,先の大戦の終戦に伴い,台湾とともに返還されたと主張しています。しかし,英国やドイツの地図は,尖閣諸島が台湾の付属島だとする中国のでたらめな主張を覆すものだとも言えます。
小惑星探査機「はやぶさ2」は,気の遠くなるような総移動距離約52億4000万キロの長旅を終え,見事に小惑星リュウグウの試料が入ったカプセルを地球にもたらしてくれました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の技術力の高さに感嘆し,その直向きな努力には頭が下がる思いです。
それにしても,難易度の高いミッションを見事にやり遂げ,休む間もなく新たな任務遂行のため小惑星1998KY26の探査に向けて,約100億キロの長旅へと旅立った「はやぶさ2」の存在には大きな感動を覚えます。私も歳のせいか涙もろくなり,どうしてもこの小惑星探知機を擬人化してしまうのです。そうです,2010年6月に我々を熱狂させ,感動させた「はやぶさ」と同様,その後続機であるこの「はやぶさ2」もやはり,まことの武士であったのです。
初号機であった「はやぶさ」は,大気圏に突入した後は自らは燃え尽きてしまい,探査成果物であるカプセルのみを見事に地球に帰還させました。その感動的な姿を見て,私は2010年6月15日のこのブログで「『はやぶさ』はまことの武士であった」という見出しの記事を書きました。あれから10年経ったのですね。
日本国,そして生みの親である宇宙航空研究開発機構(JAXA)に対する忠義,自己犠牲を伴う任務遂行,散り際の潔さ,正に武士道精神そのものだと思ったのです。休む間もなく別の小惑星1998KY26の探査に向かった「はやぶさ2」も正に同様で,イオンエンジンの燃料の残量が約半分であり,これから約11年をかけて約100億キロを走行するのですから(到着予定は2031年7月),片道切符なのです。そうです,もう「はやぶさ2」が地球に帰還することはないのです。その散り際(去り際)の潔さ・・・。正に武士です。あっぱれです。
地球をつくる鉱物,海の水,生命の原材料物質は,太陽系初期には原始太陽系星雲の中で密接な関係を持っていたと考えられており,始原的な天体であるC型小惑星(リュウグウ)から採取したサンプルを分析し,太陽系空間にあった有機物や水がどのようなものであったのか,またどのように相互作用し共存してきたかを探ることで,生命の起源にも迫ることができると期待されています。このたびの「はやぶさ2」がもたらした探査成果物(試料,サンプル)が無駄にならないよう,そして所期の目的の一部でも果たされるよう願ってやみません。