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弁護士ブログ

2021/03/20

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私の住んでいる地域でも桜が開花しました。三分咲きといったようなところですかね。いつ見ても桜は美しく,私たちの心を和ませてくれます。そして散り際の潔さ。そんなところから日本人は昔からこの美しい花を愛でてきたのですね。

 

昨年の桜の頃は新型コロナウイルス感染者が徐々に増え続けていたので,相当に不安を覚えていたのですが,まあ翌年の桜の季節には収まっているだろうと高をくくっておりました。まさか未だに終息もせず,変異種ウイルスにまで怯えなければならないとは・・・。

 

さて,先日私が担当した刑事事件では,私にとっては珍しいシーンがありました。判決主文を言い渡した後,その女性裁判官は被告に対し「保釈許可が出されたけど,出られなかったですね。だから(未決勾留日数の本刑通算について)多めに入れておきました。」と言ったのです(笑)。

 

実は私が弁護人として保釈申請したところ,何とか保釈許可決定が出たのですが,結局はその被告人や関係者が保釈保証金を用意することができず,その被告人は身柄が拘束されたまま判決宣告期日を迎えざるを得なかったのです。そしてこの被告人の場合は,結論的には実刑しかなかったのですが(刑務所に行かなければなりません。),未決勾留日数というのは未決状態で勾留されてきた日数の一部を懲役刑などの刑期に算入することができます。そして算入された日数分は刑の執行を受け終わったものとしてカウントされ,それだけ社会復帰の時期が早まるのです。それにしても「(未決勾留日数を)多めに入れておきました。」とは,とてもざっくばらんな裁判官です(笑)。

 

刑事事件を担当する裁判官の中には,昔は厳しいお白洲のような法廷の雰囲気を醸し出す人もいて,今も覚えているのですがT裁判官(当時60歳前のベテラン),罪状認否の際に自分の罪を認めた被告人に対し,「それではいかにも己(おのれ)が悪いと認めるか。」などと確認していました。

 

また,これは必ずしも一概には言えませんが,被告人質問の際にとても厳しい質問を投げかける裁判官は,意外にも温情判決を出してくれたりします。その事件はいわゆる特殊詐欺の事件であり,被告人には確かに前科・前歴はなく若年ではあったものの,被害金額は100万円を優に超える事件でしたが,執行猶予付きの判決だったのです。厳しい被告人質問を浴びた時には「やっぱりこれは実刑かな。」と諦めたのですが,あの厳しい質問は,「君,しっかりしろよ!」という被告人に対する叱咤だったのです。

 

一方で,被告人質問の時には優しい口調で質問する裁判官でも,その判決内容は非常に厳しかったりすることもあります。決して油断してはなりません(笑)。

 

刑事事件担当の裁判官は,精神的な重圧を感じることが少なくないのではないかと思います。否認事件の場合は,証拠の評価を含めて厳密に事実認定をし(人を裁くのですからね。),判決宣告の際には公開の法廷で被告人と対面の上で,毅然としてその結論を述べなければなりませんし,判決理由も述べなければなりません。また自白事件であっても,実刑か執行猶予かは被告人にとっては天地の開きがあるでしょう。そんな中で裁判官は,実刑相当の事案と判断したのならば,被告人に対し毅然として実刑を言い渡すことが要求されます。少なからず精神的なプレッシャーはあるでしょうね。弁護士の目から見ても大変な仕事だと思います。

 

かつて刑事裁判を担当していたある裁判官は,職務上の精神的な重圧に負けて児童買春を行い,逆に刑事事件で自分が有罪判決を言い渡され,罷免されました。今から10年くらい前に,私は弁護士として田舎の裁判所(支部)に係属していたある家裁事件を担当していたのですが,その裁判官がやはりその事件を担当していました。物腰も優しく,とても紳士的な対応をされていた印象が残っております。

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