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弁護士ブログ

2021/04/29

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私は月に3回のコース(名前は「大人のピアノ」)で金曜日にピアノのレッスンを受けております。講師のM先生は非常に積極的な人で,自分の生徒さんたちを集めて夏と冬に発表会をするのです(私のように嫌がる生徒さんを強く説得して参加させます)。

 

恒例となっていますのは,夏は教室の入っているビルの一室に生徒さんを集め,お食事をしながら1人1人がそれぞれみんなの前で弾くのです。また,冬はピアノバーに繰り出し,食事をし,お酒を飲みながらやはり各自みんなの前で弾くのです。発表会ですから,すごく緊張します。選曲については,M先生ではなく各自自分で選ぶことができます。テキストから選んでも良いし,自分の弾きたい曲を自分で楽譜を調達して選んでも良いのです。

 

でも,今はコロナ禍の中にありますよね。ですから昨年冬の発表会は中止となり,積極的なM先生はその代わりこの春にみんなの演奏をそれぞれ動画に撮影し,ユーチューブにアップする企画をしてくれたのです。これも相当に緊張しますが,先日無事に私の分の撮影が終了しました(全生徒さんの90%程度は終了したようです)。

 

私が選んだ曲は,バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻の第1番目のプレリュード(前奏曲)です。とても有名な曲で技術的にはそれほど難しくはありません。神のように崇めているバッハの曲が弾ければ失敗しようが何しようが満足なのです。撮影の際には非常に緊張しましたが,何とか一発で終了しました(撮り直しなし)。

 

ところが,先日のレッスン終了直前にM先生が深刻な顔をして私の横に座り,ユーチューブの内容を事前チェックする係から電話を受け,説明に大変苦慮したという話をし出したのです。一体全体何事かと思いました。話を聞いてみると,M先生は収録もほとんど終わりに近づいたので,詳しくは知りませんがユーチューブのある部署(セクション)にこれからアップする動画内容の事前チェックを受けたようなのです。知的財産権の侵害など何か問題がないかどうかのチェックじゃないかと思います。

 

そして,その係の人からは私の演奏は本当に本人が弾いているのか,別にCDなどの音源がありエアーではないか(弾く真似をしている)という確認だったそうです。M先生は何度も何度も説明し,ようやくその係の人に分かってもらったそうです。確かに,その動画は私の左斜め45度くらいの角度で撮影されてはいますが,指先や鍵盤までは映されていないので,先ほどのような疑念が生じたのだと思います。それに私のような白髪交じりの爺さんが割と正確なテンポで弾く訳がないと思ったのでしょう(笑)。確かにそう思うのも無理はありません。

 

・・・ふふふ,つまるところ自慢話に過ぎませんでした(笑)。しかしながら本人は有頂天です。豚もおだてりゃ木に上る。その日の晩酌のお酒の量が2倍になったことは言うまでもありません。

 

それにしても,バッハの曲が好きでたまりません。対位法に対する憧れがあるのです。2声~4声のフーガなどが弾けたならばもう思い残すことはありません(笑)。インヴェンションとシンフォニアから地道に始めるしかないのでしょうね。

2021/04/18

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「快挙」というタイトルでみなさん既にお察しのことと存じますが,プロゴルファー松山英樹のマスターズ優勝は正に快挙です。本当にあっぱれですし,我々日本人に元気と勇気を与えてくれました。あの極めて美しくも難関であるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブのコースを見事攻略し,アジア地域の選手で初めてその覇者となったのですね。

 

松山選手も2017年以降は見るべき実績もなく,このまま米ツアーでは埋もれてしまうのかなと思っていたのですが,黙々と精進を重ねてグリーンジャケットに袖を通す栄誉を手にしました。インタビューなどの際には決して多弁ではなく,言葉を選んでハニカミながら答える姿はむしろ誠実さを感じますし,アメリカのマスコミでは松山選手がグリーンジャケットを大切に扱いながら,プライベートジェットではなく一般の航空機を利用する謙虚さも好意的に報道されています。またキャディーを務めた早藤将太さんは,試合後に黄色い旗のピンをグリーン上のホールに戻した後に,コースに向かって感謝と敬意を表し一礼(お辞儀)をしました。

 

この早藤キャディーの振る舞いについて,CNNテレビは「松山英樹のキャディーがお辞儀をする姿は日本の誇りとなるマスターズの感動的な勝利を象徴している」と伝え,USAトゥデーも「決して忘れられない素晴らしく衝撃的な瞬間だった」と絶賛しています。

 

あまり比較などしたくはないのですが,同じマスターズに出場していた韓国のキム・シウという選手はアプローチがうまくいかなかったことに立腹し,自分の感情をコントロールできずに,手にしたパターを地面に思い切り打ち付けてパターを壊してしまい,挙句にそのホールでのプレーを終えた後にボールを池に放り投げたのです。このような愚行は海外のメディアでも非難されました。また,この選手は,その後に開催された「RBCヘリテージ」という大会においても,カップの縁で止まったボールがカップインするかどうかを55秒も待ち(当然にスロープレーとなります),いわゆる10秒ルールに抵触して1打罰を科せられていますし,同じ大会に出場していたカン・スンという別の韓国人選手は,パーパットが入らなかったことに立腹し,グリーン上でパターを放り投げた後に左足で蹴って遠くに飛ばすという愚行に及んでいます。ダメですわ,こういうことをしていたのでは。非常に見苦しい。

 

さて,松山選手の快挙に話を戻しますが,やはりマスターズというのは球聖ボビー・ジョーンズが創始した伝統ある大会で,4大メジャー(マスターズ,全米オープン,全英オープン,全米プロゴルフ選手権)の中でも別格なのではないでしょうか。ちょうど将棋の世界ではタイトルは8つありますが,「名人」というタイトルが別格なように・・・。確かに「竜王」というタイトルは「名人」と並び称され,賞金も最高額なのですが,私としては「名人」こそが最高位ではないかと思っております。いずれにしても,松山英樹というプロゴルファーはまだまだ米ツアーで活躍できると思います。自信というものは競技者にとって精神的な支柱となるからです。マスターズを制した自信というものは半端なものではないでしょう。

2021/04/01

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本当に桜という花は美しいですね。思わず足を止めて見惚れてしまいます。昨日の朝の徒歩通勤の途上でも,誠に見事な桜の花に見とれてしまいましたが,「ああ,これが桜吹雪というやつだな。」と独り言。強い風に吹かれて桜の花びらが本当に吹雪のように降りかかってきました。美しいやら寂しいやら。

 

桜という花が私たちの目を楽しませ,気分を和ませてくれる時間も本当に短く,散ってゆく花びらを目にすると寂しくなります。でも,日本人が古来桜という花を愛で,心を動かされてきたのは,その美しさだけが理由ではなくその散り際の潔さも私たちの心を打つからでしょうね。自然の呼び声に応じていつでも散ってゆく潔い覚悟があるのです。

 

漂泊の俳人,井上井月の俳句は本格的で正統派の部類に属し,私は本当に井月の句が好きです。井月の生涯に興味を持ち,またその句の魅力に惹かれ,家族とともに井月の終焉の地である伊那谷まで出かけたこともあります。

 

その井月にも当然のことながら桜を詠んだ句,例えば次のような秀句があります。

 

「翌日(あす)しらぬ身の楽しみや花に酒」

 

「翌日(あす)しらぬ日和を花の盛りかな」

 

井月は漂泊の俳人で自分の家がありませんし,厳寒,酷暑という季節によっては本当に生命の維持に関わるような過酷な境涯を過ごしました。ですから,本当に翌日(あす)を知らぬ身だったのです。だからこそ面前の美しい桜を楽しみながら大好きな酒をくらう。また,二つ目の句は「翌日(あす)しらぬ」が「日和」にかかっていますから,天候によっては雨風で花びらがいつ散ってもおかしくない桜の花の短い命を表現し,かつ,自分も所詮は「翌日(あす)しらぬ」存在だということだと思います。

 

だからせめて,面前の美しい桜を楽しみながら大好きな酒をくらうことにしよう,てなもんです。

 

また,俳句ではなく花(桜)を詠った和歌で私が特に好きなのが,西行法師の次の歌です。

 

「願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの望月のころ」

 

さあ,今晩も一杯やるとしましょうか。3月31日(ユリウス暦では3月21日)生まれのバッハの名曲を聴きながら・・・。

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