私がある音楽教室の「大人のピアノ」のコースに通い,レッスンを受け始めてからもう2年半になります。月に3回,金曜日の午後6時から1時間レッスンを受けています。
教材はその教室が推奨する教則本(2冊ほど)を使用して練習,レッスンを進めていきます。昔のようにバイエル,ブルグミュラー25の練習曲,ソナチネアルバムなどといったお定まりのコースではなく,いろいろと生徒の理解を深めたり,奏法をマスターしていくのに適した最近の,そして今風の教材なのです。ですから,表題の全くないもの,ポピュラー,クラシックなど様々な曲が含まれています(初心者にも弾きやすいように編曲済み)。
それやこれやで,これまで私も教則本(教材)2冊を卒業し,3冊目の途中に到達しました。M先生(女性)とは世間話もするのですが,とにかく私がバッハ(ヨハン・ゼバスティアン・バッハ)の音楽をこよなく愛していることがバレていましたので,M先生は「バッハ・ピアノ小品集」という曲集を私に薦めてくれました。ありがたいことです。ですから,今はその3冊目の教則本と「バッハ・ピアノ小品集」という曲集を練習しているのです。
ただ,この「バッハ・ピアノ小品集」という曲集は全部で45曲が収録されているのですが,よく見ると必ずしもバッハの曲ばかりではありません。中には,曲名の後に「Komponist unbekannt」と記され,バッハ作品番号である「BWV」と番号の間に「Anh」と表示されているものが含まれております。
「Anh」というのはドイツ語で「Anhang」の略で,付録,追加,補遺などといった意味です。要するに,「Anh」と表示されているその曲は実際にバッハが作曲したものかどうかは不明,確認されていないということのようです。
まあ,それでもどれも魅力的で素晴らしい小品集であることは間違いないものの,これは何となくですが,「Anh」と表示されている曲にはバッハらしくないという印象を受けるものがあります(素人判断でも)。そういった曲と,例えば「Aria d moll(アリアニ短調)」(BWV515)(これは紛れもなくバッハの作品)とでは,何と申しましょうか,音楽的な全く深みが格段に違うのです。やはりバッハだなあと感動させる何かがあります(精神的な深みと言ってもいいでしょう。)。
前にも述べましたように,この「バッハ・ピアノ小品集」という曲集は全部で45曲が収録されてはいるのですが,「Johann Sebastian Bach BWV〇〇〇〇」と表示され,バッハが作曲したものと確認されている曲は30曲です。もちろんこの小品集のどの曲も一生懸命に練習しますが,やはりバッハの曲だとどうしても力の入れようが違ってきます。やはり私はバッハの曲をこよなく愛しているのですよ(笑)。
そしてひょっとして,この曲集を卒業すれば,いよいよ「インベンション(2声)とシンフォニア(3声)」に進むことができるかもしれません。M先生から「あなたには無理!」と言われてしまうかもしれませんが(笑)。