今日は2月22日・・。私とカミさんの結婚記念日です。思い起こせば結婚式を挙げたのが1987年2月22日ですから,本日は結婚35周年ということになります。
よく金婚式,銀婚式などといいますが,結婚35周年というのは何か呼び名があるのかなと調べてみましたら,珊瑚婚式というのだそうです。私たちも・・・めでたく珊瑚婚式です(笑)。何で珊瑚婚式というのかというと,珊瑚は海の中で長い年月をかけて成長し,美しい姿となりますが,夫婦の絆もまたかくあるべし,といったような意味なんだそうです。
こんな亭主によくぞ付いてきてくれました。カミさんには面と向かっては言えませんが,ありがたいことだと思います。常日頃感謝しております。一人娘も授かりました。もう28歳になります。
今も思い出すのが,新婚早々,カミさんが嫁入り道具の一つとして持参した割と豪華な布団一式がありましたが,外で楽しく飲んできたある夜,飲み過ぎてしまって自宅に帰って来てから急に気分が悪くなり,粗相して思わず戻してしまいその布団の一部に消えないシミを作ってしまいました。カミさんは嫌な顔一つせず,ダメな亭主を介抱してくれ,大事な婚礼布団にシミを作ってしまったことを強く責めたりはしませんでした。あの時は本当に申し訳なかった・・・(笑)。
でも何で2月22日が結婚記念日なのか。私は小学生の頃からショパンの音楽がとても好きで(ショパンもいいけど,今は断然バッハ),ショパンの誕生日にしようということで2月22日に結婚式を挙げたのです。ただその後,ショパンに関する研究が進み,今ではショパンの誕生日は3月1日というのが多数説になっているようです。でも,結局私たちが新婚旅行から帰って婚姻届を提出したが3月1日でしたから,どっちにしたってショパンの誕生日が結婚記念日ということになります(笑)。
本日は,ささやかながらも結婚記念日のお祝いをしたいと思います。
突然このような話題で恐縮ですが,ジェノサイドというのは,国家あるいは民族・人種集団を計画的に破壊することと定義されておりますし,ジェノサイド条約第2条によれば,国民的,民族的,人種的,宗教的な集団の全部または一部を破壊する意図をもって行われる行為のことをいいます。
アメリカは,現在中国の新疆ウイグル自治区で行われているウイグル族等に対する組織的な人権弾圧(本当のところは人権弾圧などといった表現も生易しいほどに極めて酷い状況)について,ジェノサイド認定をしています。2019年ころから,新疆ウイグル自治区でイスラム教徒であるウイグル人累計100万人ほどが,中国政府により「再教育施設」と呼ばれる施設に収容され,洗脳,虐待,強制不妊などが行われていると報道されました。2021年1月,アメリカのトランプ政権は,中国政府による新疆ウイグル自治区での少数民族ウイグル人の虐殺を国際条約上のジェノサイドであり,「人道に対する罪」に該当すると認定し,バイデン政権もこの決定を引き継ぐと発表しております。
実はね,最近,「重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて」(サイラグル・サウトバイ,アレクサンドラ・カヴェーリウス著,秋山勝訳,草思社)という本を読み終えたのです。サイラグルさんというカザフ人は実際にその「再教育施設」に収容され,次にもっと酷い施設に収容されるまでのごく短い期間に一旦釈放(とはいっても終日監視付き)された間隙を縫って,命からがら隣国カザフスタンへの脱出に成功し,現在は難民としてスウェーデンで家族とともに暮らしている生き証人です。
この本は,この生き証人の生の証言に基づいて出版されたものです。実際に収容された体験をした者でなければ供述することのできない,詳細かつ迫真性を持った証言であり,その信用性,証拠価値は極めて高いものと思われます。
これとは別に,中国政府は,動かぬ証拠を突き付けられた後にようやくその収容施設の存在を認めたものの,その施設はあくまでも「職業技能教育訓練センター」であると言い張っておりますが,まだ幼い人たちや80歳代後半の老婆まで職業訓練するのでしょうか。
実際にはウイグル人などがある日忽然と町から姿を消し,家族にはその行方すら知らされず,極めて劣悪な環境の下で,文化大革命の時に見られた自己批判闘争のようなことをさせられ,中国共産党の党歌を毎朝歌わされ,習近平を礼讃させられます。不十分な栄養,拷問,虐待,殺戮,性的暴行などなど,実際のところは「再教育」どころか,被収容者は死に至るか,廃人になるか,精神を病んでしまうしかありません。
新疆ウイグル自治区とはいっても,元々はこの地は東トルキスタンという立派な国だったのであり,チベットが受けたのと同様,中国共産党,人民解放軍によって「解放」と称した侵略がなされたのです。
2月4日からは北京冬季オリンピックが開催されておりますが,その国の一角で,現在進行形でジェノサイドが実際に展開されていることを思うと,果たしてこの国にオリンピック開催の資格があるのかという暗澹たる気持になります。明確な外交ボイコット,また事実上の外交ボイコットがなされてもおります。
「重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて」(サイラグル・サウトバイ,アレクサンドラ・カヴェーリウス著,秋山勝訳,草思社)という本は一読の価値は十分にありますよ。
ちょっと遅くなりましたが,ピアノ発表会が何とか無事に終わったことのご報告です。
1月29日(土)午前11時,ちょっとしたホールでピアノ発表会が開催されました。この年齢になって,しかも約50年ぶりに発表会に出て演奏するなんて,思ってもみませんでした。やはりむちゃくちゃ緊張しますよ。私の順番はちょうど真ん中,曲目はバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番プレリュード(ハ長調)です。これはバッハのピアノ曲の中でも技巧的,難易度としては最も容易いものの一つです。
それでも人前で弾くのは苦手であり,とても緊張します。また,どうしても早く終えたいとの一心からテンポが速めになってしまいました。何とか大きなミスタッチはなく,終わりから3小節目に差し掛かりましたが,そこでやらかしました(笑)。功を焦ったか・・・。
その辺りには「calando」という音楽用語が記載されております。「calando」というのはイタリア語で,「だんだん遅くしながら弱く,消え入るように」という意味で,そのように弾かなければならないわけです。私も忠実にそれを守ろうとしたのですが,終わりから3小節目の左手の音が本当に消え入ってしまい,音が鳴らなかったのです(笑)。やらかしました。これは断腸の思い。画竜点睛を欠くとは烏滸がましいのですが,今から振り返ってみてもそこだけは残念でした。
まあ,そうはいっても何とか無事に終わり,うちのカミさんにも褒められました。
M先生には「1000万円もするピアノで演奏できるんだよ。」と唆されて発表会に出たのですが,やはりそのピアノの素晴らしいこと・・・。音色といい,キータッチの良さといい,さすがに素晴らしく,とても弾きやすいピアノでしたね。
かねてから私は,プロのピアノ演奏家をリスペクトしております。ピアノを弾く人間は誰でもミスタッチはあります。でも,私のようなずぶの素人とプロとでは要求されるものが格段に違います。いくら練習をして完成度を高めても,大勢の人前で本番の演奏をする時の緊張,プレッシャーはいかばかりか。それでも超絶技巧を要するような難曲も弾きこなすわけですから,プロはやっぱり凄いと思います。
私はもう年齢も年齢ですし,これからは人前で緊張しながら弾くなどといった冒険はやめにして,好きな曲をマイペースで練習し,自分だけで楽しみたいと思います。