この季節,そしてちょうどこの頃,徒歩通勤途上の私の楽しみといえば,満開の桜を観ることです。もう毎年のことですから,通勤経路上にある3,4か所の「桜の名所」を知っていて,少し遠回りになってもはしごするのです。小学校や公園などなど・・・。
今更ながら桜の美しさは譬えようもありません。思わず通勤の足を止めて見とれてしまいます。前にも書きましたが,桜(特にソメイヨシノ)は,日本人にとっては特別な存在で,その美しさと儚さが心に響くのです。儚さというのは潔さと言い換えてもいいでしょう。要するに,自然の呼び声(風)に応じていつでもこの世を去る覚悟と潔さが,そのたとえようもない美しさに加え,我々日本人の心にぐっとくるのです。
桜と言えば,西行法師の次の歌が有名です。
「願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの望月のころ」
そして私が高く評価する俳人井上井月の次の句が,心に響きます。
「翌日(あす)しらぬ 身の楽しみや 花に酒」
この句について,井上井月研究者の竹入弘元さんは次のように評釈しております。
「花に酒が楽しみというのは誰しもだが、酒好きの井月は別格。そんな当然のせりふも『翌日(あす)しらぬ身』という自覚がわさびを利かせる。思えば人間誰しも明日の運命は分からない。頼るべき妻も子もなく、さらに老いを加えて、今の一瞬一瞬を愛おしむ井月である。」
さらに,井伏鱒二は,「勧酒」(漢詩)の一節を次のように訳しております。その「花」が桜かどうかは知りませんが・・・。
「ハナニアラシノタトヘモアルゾ 『サヨナラ』ダケガ人生ダ」(花が咲くと 雨が降ったり風が吹いたりするものだ 人生に別離はつきものだよ)
さて,新型コロナウイルス感染防止のためのまん延防止重点措置も解除されました。私の徒歩通勤経路には,とても小規模の旅行代理店があります。コロナ禍以前にはいつも道路わきにいっぱいの旅行パンフレットを設置していたのですが,最近ではまったく見かけなくなっておりました。でも,本日,久しぶりにその店の前には多くの旅行パンフレットが設置され,何だか嬉しくなりました。その旅行代理店は冬眠から目覚めて,穴から出てきたようです(笑)。
ちょっと前に,私はうちのカミさんに依頼して,別の旅行代理店に旅行のツアーの申し込みをしておりました。ちょっとカミさんと一緒に道後温泉まで2泊3日の旅に出ることにします(笑)。
今年の冬は寒かったせいでしょうか,桜の開花が例年より幾分遅いように感じます。私の自宅近くには割と長い桜並木があり,その桜はオオカンザクラという品種で,ソメイヨシノよりも2週間ほど早く開花するのですが,今年はまだです。
まあ,それでも日ごと日が長くなっており,何といいますかだんだんと日が長くなって暖かくなっていくこの感じが好きですね。正に水温(ぬる)む季節です。
うちのカミさんは何やらこちょこちょと,私の名前でふるさと納税をやっております(笑)。その辺りのことは完全にお任せですが,いつぞやは西伊豆町からそのお礼にと,大変美味しいふるさと干物セットが自宅に届きました。アジ,金目鯛,エボ鯛などなど,それはとても美味しかったのです。
それに,今年はその西伊豆町の月めくり特製カレンダーがトイレに掛かっております(笑)。それはなかなか特徴のある,地域性豊かなオリジナルカレンダーで,上部に美しい景色の写真,下部にカレンダーが載っており,六曜,祝日,日没時刻,干潮時刻,月の形状(満月,半月,新月)なども記載されています。
それはなかなか面白いカレンダーで,美しい海の景色などを見ていると癒されるのですが,唯一現実に引き戻される記載は,最下部の「今月の納税」のコーナーです(笑)。その月に納期限のある税目が複数列挙されており,それを見るたびに,名古屋市民の私も,そして自由業の私も現実に直面させられます。「ああ,今月は市・県民税と個人事業税を払わなきゃ・・・」
毎年発表される「第一生命サラリーマン川柳コンクール」の結果はとても面白いですね。日本全国には随分と才能豊かな川柳作者がいるものだと感心させられます。全国優秀100句が決定したようですが,特に私が思わず笑ってしまったのが次の10句でした。
・にこやかに マスクの下で 「うっせぇわ!」
・うっせえわ 夢の中だけ 妻に言う
・ミュートです ツッコむ自分 マイクオフ
・リモートの 会議に映る 生活感
・ご飯よと リモート会議 声響く
・女房も 子供も見てる 照れワーク
・WEB会議 知った亭主の 低い地位
・恋心 マスク外せば 花と散る
・家飲みで あふれる缶に 妻カンカン
・ウイルスも 上司の指示も 変異する
やはり,当然のことながらサラリーマンの世界でも新型コロナウイルスの影響は絶大で,作られた川柳もこれに関連する傑作,秀句が多いようです。
以前私は,素人大喜利を名古屋の大須演芸場でやるってんで,大喜利の台本を作成したことがあります。大喜利のお題や気の利いた回答を作るというのは結構大変ですね。人を笑わせるというのはとても難しい作業だなと痛感しました。
毎週日曜日の夕方に放映されている「笑点」(日本テレビ系列)という番組で,かつて紹介されたお題と回答の中でとても笑えるものをネットで見つけました。題して「18歳と81歳の違い」です。面白いので以下に紹介させていただきます。
・道路を暴走するのが18歳,逆走するのが81歳
・心がもろいのが18歳,骨がもろいのが81歳
・偏差値が気になるのが18歳,血糖値が気になるのが81歳
・受験戦争で戦っているのが18歳,アメリカと戦ったのが81歳
・恋に溺れるのが18歳,風呂で溺れるのが81歳
・まだ何も知らないのが18歳,もう何も覚えていないのが81歳
・東京オリンピックに出たいと思うのが18歳,東京オリンピックまで生きたいと思うのが81歳
・自分探しの旅をしているのが18歳,出掛けたまま分からなくなって皆が探しているのが81歳
・ドキドキが止まらないのが18歳,動悸が止まらないのが81歳
・恋で胸を詰まらせるのが18歳,餅で喉を詰まらせるのが81歳
・早く「二十歳」になりたいと思うのが18歳,できることなら「二十歳」に戻りたいと思うのが81歳
こんな感じ・・・(笑)。随分失礼なものもありますが,妙に納得してしまいます。よく還暦,古希,米寿などと年齢を別の名称で表現することがありますが,81歳は盤寿とも呼ばれます。将棋盤はタテ,ヨコ9マスずつあり,9×9で81マスあるからです。
今年めでたく81歳になられた女性の知り合い,尊敬すべきお友達がおりますが,この方は老いてますます元気です。女性だけど健啖家の部類に入るでしょうし,お声には艶があり,カラオケでも90点近く出す歌姫とも呼べる存在です。さらには,麻雀を打たせれば勝負師でもあります。先日,お誕生日をお祝いするメッセージを送りましたら,「昨日大三元やりました。」とのご返事・・・。是非これからもお元気で長生きをしていただきたいです。