最近の私,ルイボスティーという飲み物にはまっております。抗酸化力が強く,亜鉛などのミネラルも豊富で,育毛にも効果があると言われているからです(笑)。
そのお気に入りのルイボスティーを飲みながらネットの記事を読んでいて,思わず噴き出しそうになりました。あまりの馬鹿馬鹿しさに噴き出しそうになった直後に,今度は怒りと情けなさで一杯になったのです。
どうやら政府・与党は,0~2歳児がいる家庭に一定額のクーポンを支給する事業を始める方針を固めたというのです(毎日新聞の報道によりますと,自治体が育児用品や子育て支援サービスを用意し,各家庭の希望に応じて1人当たり10万円分のクーポンと引き換える制度のようです。)。その背景として説明されているのは,我が国においては想定を上回るペースで少子化が加速しており,将来不安等から「産み控え」が起きているんだそうです。
でも皆さん,考えてもみてください。一過的に10万円のクーポンをもらったからといって,「じゃあ,産みます。」となるんでしょうか(爆笑)。仮に「産み控え」の実態があるとして,この10万円のクーポンでそれが解消されるとでもいうのでしょうか。それこそ典型的な弥縫策としか言いようがありません。
少子化の原因としては様々な指摘がありますが,特に1990年代の末から4半世紀近くも続いているデフレ,ほぼ横ばいの経済成長,賃金抑制などにより,何よりも結婚年齢に達した人たちが低賃金に喘ぎ,将来不安から結婚そのものそして結婚したとしても子作りを躊躇しているという由々しき現状が背景にあることは間違いないでしょう。
私が口に含んだルイボスティーを馬鹿馬鹿しさのあまり噴き出しそうになり,直後に怒りさえ覚えたのは,政治家ならもっと危機感をもって本腰を入れて少子化対策を推進しろ!ということなのです。能天気な政治家は,少子化で労働人口が減少して人手不足なら,外国から大量に移民を入れればよいではないかと安易に考えているのでしょうね。でもそうなれば,外国人労働者の激増によりますます賃金押し下げ圧力が強くなり,日本人の妙齢の男女の賃金が下がるか抑制されたままになり,ひいては結婚そのものや子作りを躊躇し,合計特殊出生率が低下していきます。そんな10万円のクーポンみたいな弥縫策ではなくて,ここはひとつ機能的財政の観点から大規模な財政出動や減税を躊躇せず,まずは果断にデフレを脱却し,賃金を上げ,若い男女に明るい将来を期待させるような環境作りをしましょうよ。本当に。
少し話題が逸れますが,ひょっとしてと思ったら,公明党の山口那津男代表が10月14日,首相官邸で岸田首相にクーポン支給を要請したとはっきり報道されています。案の定です(笑)。公明党という政党はいつもこうです。人気取り,刹那的な政策が大好きで,このような要請に対し,内閣支持率が30%を切ってしまった岸田内閣(不支持率は49%)が「(ちゃんと少子化対策や子育て支援を)やってます」感を出すために同調したなんてことでしょう。古代ローマ帝国の「パンとサーカス」(愚民化政策)を彷彿とさせます。政治家の劣化・・・。
本当に,少子化対策に本腰を入れないと大変なことになりますよ。