もうだいぶ昔の話になりますが,私がまだ20代半ばの独身時代には,いわゆる名画座と呼ばれる映画館でいろんな映画を数々観たものです。その当時から私は,テレビでロードショーとして予告宣伝しているようなメジャーな映画よりも,アート系の映画や古い映画を好んで観ていました。
そんな中で,たまたま「アメリカ交響楽」という映画を観たことも記憶に残っています。この映画を観る前には何の下調べもしていませんでしたから,これがアメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインの伝記映画だとは知らなかったのです。全編にわたってガーシュインの音楽が流れ,彼の類まれな音楽的才能が開花し,徐々に成功していくシーンの連続で,何かワクワクするような映画だったと記憶しています。9月26日はガーシュインの誕生日のようですね。
「ラプソディー・イン・ブルー」,「パリのアメリカ人」,「ポーギーとベス」(特にこの劇中で歌われる「サマータイム」)などお馴染みの名曲は私も大好きですし,「ピアノ協奏曲ヘ長調」も誠に素晴らしい。「ラプソディー・イン・ブルー」などは「シンフォニック・ジャズ」の傑作と評価されているように,ガーシュインの音楽にはクラシック音楽とジャズとが見事に融合した独特の魅力があります。
そういえば,私の愛蔵するCDの中に,フランスのピアニストであり作曲家でもあるジャック・ルーシェの「プレイ・バッハ」というアルバムがあります。これはバッハの平均律クラヴィーア曲集やインヴェンション,「G線上のアリア」,「主よ、人の望みの喜びよ」,コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声あり」などのバッハの珠玉の名作をジャズ風にアレンジした内容です。クラシック音楽とジャズは結構合うんですよね,融合できるのです。
ガーシュインは何と38歳の若さで亡くなり,短命だったのですが,その限られた活動期間にもかかわらず大小合わせてかなりの数の作品を世に問うております。その恵まれた才能からして,長生きさえすればもっともっと多くの傑作を生み出したに違いないのでしょうが,とても残念ですね。バッハの「マタイ受難曲」を蘇演させたメンデルスゾーンも38歳で亡くなっておりますし,ショパンも39歳で亡くなっております。やはり病気には勝てません。
しかしながら,彼らが生み出した傑作群は後世に伝わり,今でも我々を精神的に癒し,楽しませてくれます。
大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手,復活に向けて右肘靭帯の手術を受けましたね。手術は無事に成功したとのこと,本当に何よりです。やはり賢明な彼は,できるだけ球場に足を運び,チームメイトらと一緒の時間を過ごすようにしつつも,その一方で負傷箇所の諸検査を経て,以前にトミー・ジョン手術を執刀してくれたニール・エラトロッシュ医師からの説明,アドバイスを受けるなど,復活に向けて着々と準備していたのですね。さすがです。
ちょっと前の産経新聞の「産経抄」にも書いてあったのですが,肘の靭帯の再建手術であるトミー・ジョン手術というのは,かつてこの手術を受けて見事に2年後に復活した元ヤンキースのトミー・ジョン投手の名前に由来しています。あの有名なフランク・ジョーブ医師が執刀して,見事に成功し,結局トミー・ジョン投手は1989年のヤンキースの開幕投手にも選ばれ,当時は大リーグ最年長の45歳でした。そしてこの左腕投手は通算288勝を挙げるのですが,そのうちの半分以上がこの手術を受けた後の勝利だったというのです。
新聞記事によると,ニール・エラトロッシュ医師は,多くのプロ野球選手を執刀した整形外科医のフランク・ジョーブ氏の元で学んでおり,アメリカを代表するトミー・ジョン手術の権威です。大谷選手としても前回の手術が成功し,その後は復活もしているので,この医師を信頼していたのでしょう。ただ,今回大谷選手が受けた手術は,トミー・ジョン手術のような完全な再建ではなく,「インターナル・ブレイス」と呼ばれる新たな手術方法のようで,靭帯に強度を与えるために厚い縫合糸のような素材が使用される「修復」術だったとも言われています。ただいずれにしても,手術は成功したようで,今後はリハビリ期間を経て見事に復活してもらいたいものです。
ネットの記事などを読んでいますと,非常に多くの人達が,大谷選手の活躍ぶりを伝えるNHK-BSのテレビ中継を楽しんでいたようで,私も午前5時ころから放映されるような時には観ていました。本当に凄い選手だと思いますし,勇気を与えてくれます。投稿されたコメントなどを見ますと,サラリーマンでしょうか,仕事で辛いことがあっても大谷選手の活躍ぶりで勇気づけられるといったものもあります。今シーズン終盤での彼の故障はとても残念ですし,大谷選手を擁するエンゼルスの試合のテレビ中継もなくなってしまったのは寂しい限りです。
それにしても,今シーズンの大谷選手の成績,とてつもないものです。DHとしては本塁打44本,95打点,打率3割4厘,投手としては10勝,防御率3.14という驚異的なものです。その存在がチームの精神的な支柱になっている感もあり,礼儀正しい振る舞い,勝利へのこだわり,ストイックなまでの健康管理と自己鍛錬,まさに「ユニコーン」です。
言葉を換えれば,いわば,野球の申し子ですね。「申し子」の意味は,「神仏から授かった子ども」あるいは「霊的なものから生まれた子ども」という意味で,少し大げさなようですが「神がかった力をもった子ども」とでもいいましょうか。ちょっと言い過ぎですか(笑)。
とにかく,大谷選手のあの豪快なホームランや快刀乱麻の投球を再び目にしたいものです。
今朝,駐車場から車を出す際に,少し赤っぽい1匹のトンボが私の所に挨拶に来ました。・・・そうか,まだ残暑は厳しいものの,あれほど暑かった夏も終わり,もう秋なんですね。確かに最近では夜にスズムシの鳴き声が聞こえてくるときがあります。
ところで,実はこの夏頃から,時間があればしきりにMLBのエンゼルスの試合のテレビ中継をライブで観ることが多いのです。やはり大谷翔平選手の活躍ぶりが楽しみですし,彼の活躍ぶりが私の仕事への士気を鼓舞するということもあるからです。彼は「ユニコーン」とも表現されますが,彼の活躍ぶりは,その礼儀正しい振る舞いなどを含めて誠に素晴らしいと思います。
残念ながら右肘内側側副靭帯損傷という怪我で,二刀流のうち投手としての登板は今シーズンはもう無理ですが,これに追い打ちをかけるように,打者としても右わき腹痛のためこれで9試合連続でスタメンを外れています。とても心配なことです。
本当は今シーズンの残り試合でも大谷選手の雄姿,そしてその活躍ぶりを見たいのはやまやまですが,今後の選手生命のことを考えれば無理をせずにここはちゃんと休養し,右肘の手術を含めて最適の治療を確定・実施し,捲土重来を期した方が良いと思います。
考えてみれば,今シーズンだって大谷選手は投手として10勝を挙げ,打者としても本塁打44本,打率も3割を超えているのですから,チームへの貢献度は申し分ないのです。このまま休養,治療に入ってもアメリカンリーグの方の本塁打王は獲得できるでしょう。
ところで,テレビ中継を観ていて気になったのですが,MLBの選手たちはしょっちゅう唾を吐いたり,よくガムを噛んだり,ダッグアウトで何かを食べたり,何やら食べかすを吐き出したりしていますし,スポーツドリンクか何かを飲んだ後の紙コップがダッグアウトの地面に転がっていたりします。これはやはり文化の違いなんでしょうか。
選手だけでなくエンゼルスのネビン監督なども何やら食べてそのかすを吐き出したりしているのですが,しっちゅう食べかすを吐き出しているその食べ物は一体何なのか興味をもってしまいました(笑)。それが入っていると思われる袋をよく見ると,「GIANTS」と書いてありました。早速調べてみましたら,塩付けヒマワリの種のようです。いろんな味付けのものがあり,栄養価も高く,選手には人気のようですね。彼らがしょっちゅう吐き出しているのはこのヒマワリの種の殻(皮)の部分のようです。登板がなく待機中のメッツの千賀投手もこれを食べていました。
ネットの記事によると,どうやら大谷選手もこの「GIANTS」というヒマワリの種を食べているようですが(彼は塩味が好みらしい),彼は他の選手とは違い,殻(皮)などの食べかすは,ダッグアウトの地面に吐き出すのではなく,ちゃんとコップに入れているとのことです。そうなんです。それが普通の日本人のマナーなのです(笑)。この塩付けヒマワリの種,栄養価も高いようで,通販でも購入できるようですから,気が向いたら一度試してみようかな。