今日もとりとめのないお話をしますので,こういう時の表題は「雑感」となります(笑)。
いよいよMLBも開幕を迎えますね。わくわくドキドキです。ドジャースの勇士たちが,チャーター機で本日午後3時ころ羽田空港に降り立ちました。開幕戦は,ドジャース対カブス。私なんかいつでも東京に観戦に行く用意はあるにしても,そもそもチケットを手に入れることはできないだろうと最初から諦めました。ビールを飲むか,あるいは旬の甘夏あるいは八朔を食べながらのテレビ観戦です(笑)。
思い起こせば,昨年の今頃,大谷翔平選手は通訳の水原なる者に裏切られ,精神的に非常に辛い開幕を迎えましたね。本当に可哀そうでした。ドジャースに移籍したばかりの最初のシーズンでは40打席本塁打が出ませんでした。ようやく第1号が出た時なんか,涙が出ましたよ。シーズンが終わってみれば,54(本塁打)-59(盗塁)をやってのけるんですもの,本当に大した男です。
昨年の開幕戦のころのあるシーンを捉えた写真を今日見て,思わず目頭が熱くなってしまいました。ロッカールームを出た廊下で,後ろ姿ですが,同僚のフレディー・フリーマンが大谷と並んで,大谷の背中にそっと手をやり,傷心の彼に何やら言って優しく慰めている感動的なシーンです。いやあ,フリーマンって本当にいい奴だなあ・・・。
話は変わりますが,みなさんはわが日本が生んだ世界的数学者である岡潔という人をご存じですか。この人は,多変数解析函数論の分野における超難題「三大問題」を解決し,数学者として世界をあっと驚かせた偉大な人なのです(1978年没)。
でもこの岡潔という人は,数学の世界で圧倒的な業績をあげただけでなく,実は思想家としても多大な影響を及ぼした人です。いわゆるナンバースクールをはじめとした旧制高校での教育は,教養主義といいますか,文系,理系を問わず幅広い教養を身に着ける教育的土壌があったのですね。もう春という素晴らしい季節にもなりましたので,さきごろ「春宵十話」(岡潔著,角川ソフィア文庫)という本を読みました。
この本のタイトルは「春宵十話」というのですが,実はこの本には春宵十話というエッセイ,随筆だけではなく,その他の作品も含まれております。そのうちの「日本的情緒」という作品中のある箇所の文章にいたく感動しました。冒頭の一文が,「新しく来た人たちはこのくにのことをよく知らないらしいから、一度説明しておきたい。」で始まるので,学校の新入生か何かを対象とした講話なのかなと思います。いたく感動した文章の一部を以下に引用してみます。
「『白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける』という歌があるが、くにの歴史の緒が切れると、それにつらぬかれて輝いていたこういった宝玉がばらばらに散りうせてしまうだろう、それが何としても惜しい。他の何物にかえても切らせてはならないのである。そこの人々が、ともになつかしむことのできる共通のいにしえを持つという強い心のつながりによって、たがいに結ばれているくには、しあわせだと思いませんか。ましてかような美しい歴史を持つくにに生まれたことを、うれしいとは思いませんか。歴史が美しいとはこういう意味なのである。」(同著61頁)
この本のカバー裏の部分に「日本の文化を培ってきたのは自然に根差した『情緒』であり、戦後急速に西欧化が進む中、その伝統と叡智が失われることに鋭い警鐘を鳴らす。」
私も常日頃同じような問題意識を有しておりまして,岡潔先生の指摘には本当に共感できるのです。無批判にグローバリズムを受け入れたり,既に西欧がその失敗に気づいて慌てて撤回しようとしている無軌道な移民政策には大反対です。私は,特に露骨な反日教育を徹底している国からの留学生などが,日本のアカデミズムの世界に浸透しようとしている現状を憂いていますし,社会不安をきたす外国人犯罪と治安の悪化も憂いています。