一生懸命に働いた後は遅まきの夏休みである。8月16日(日)に名古屋を新幹線で出発し,3泊4日で伊豆下田へ旅行した。下田温泉で温泉を愉しみ,風鈴の音を聴きながらの読書であった。今回は,少しばかり贅沢をし,客室に露天風呂が付いている宿泊先を選んだ。
熱海駅に着いてからはレンタカーで移動し,一路,東伊豆の海岸線沿いに南下して宿泊先の下田温泉を目指した。というのも,この日は何よりもまだ日の高いうちに客室に付いている露天風呂を愉しみたかったからである。海岸線に沿った道路から眺める海は碧くてとても美しかった。そんな訳で,この日はあちこち寄らずに午後3時少し過ぎにはチェックインしたのである。
チェックインの時に選んだ風鈴を縁側に掛け,矢も楯もたまらず,すぐに露天風呂に入った。もう秋の始まりを感じる外気に触れ,風鈴の音,蝉や虫の声を聴き,緑豊かな場所で木漏れ日を浴びながら,ゆったりとした時間を愉しんだ。ふぇーっ,極楽じゃー。日頃お仕事をがんばっているのは,こういう瞬間を味わうためなんじゃないかなと思った。
下田及びその周辺の観光は翌日回しにして,この日は,露天風呂と読書。この宿泊先でじっくりと読んだ本は,「マオ 誰も知らなかった毛沢東(上・下)」(ユン・チアン,ジョン・ハリディ著,土屋京子訳,講談社)という本である。上下併せて1000ページ以上となるボリュームであるが,非常に読み応えがあり,夢中で読み進めることのできる本だった。
また,夕方には下田の街を少し散策したが,唐人お吉の墓もあるようだし,開国当時の港町の風情がまだ少し残っているような味わいのある街である。何しろ金目鯛や地魚がとても美味しかった。ワクワクして明日の観光コースを思い描きながら,そのまま深い眠りに入った。