合唱団の一員として,バッハの「マタイ受難曲」の上演,ついにやりました。
その悲願の上演は,11月7日の土曜日の午後3時から,中京大学文化市民会館オーロラホールにおいて行われました。この日の朝は,緊張の中にもワクワクした期待感,高揚感もありました。まずは,その一日の動きをご報告いたします(今日は,いつもと違って,何故かですます調となっております)。
自宅では,入念に持ち物チェックをいたしました。黒の蝶ネクタイを忘れたら様になりませんし,老眼用のメガネを忘れたら大切な楽譜も満足に読めなくなるからです。午前10時15分ころに自宅を出発し,近くのコンビニで昼食用のサンドウィッチと牛乳などを買って,タクシーで会場に向かいました。会場では,生まれて初めて「関係者用」の出入り口を通り,管理人さんに会釈をして楽屋に入りました。
「楽屋」というものに入ったのは生まれて初めてだと思います。入り口以外は,概ねコの字型にずーっと棚机が続き,各自用の椅子と各自用のカガミが設置されておりました。午前11時20分ころからは,リハーサル室で発声練習が始まりました。この時は実際のステージ上と同じ配置で行われましたが,この時点ではまだ普段着です。
この発声練習の時も,それまで約1年間にわたってずっと指導してくれた合唱指導の先生が担当してくれました。「よくぞ導いてくれました。」という感謝の気持ちが湧きました。これを確か約40分間行い,その後に楽屋で少し休憩した後,午後0時30分から約50分間,ステージでサウンドチェックが行われました。指揮者も,オーケストラも,ソリストも,合唱団も全員集合で,冒頭合唱曲,終曲の他に,指揮者の先生が少し気になる数か所のチェック,練習が行われました。
午後1時30分少し過ぎには,各自楽屋に戻り,目の前のカガミに写った自分の姿と対面しながら,コンビニで買っておいたサンドウィッチと牛乳の昼食を取り,いよいよ着替えです。黒の略式礼服上下,白のシャツ,黒の靴下,黒の靴,黒の蝶ネクタイ。何しろ蝶ネクタイを身につけるのは初めての経験でしたから,礼服用の立った形のエリと,蝶ネクタイの位置関係がどうなるのかとまどい,年配の方にご指導を仰ぎました。着替えが終わって少し経ってから,リハーサル室で最後の発声練習が始まりました。この時点では,午後2時30分から会場で行われた指揮者によるプレトークが始まっていたと思います。入場時の楽譜の持ち方も指導がありました。いよいよ緊張してきました。みんなも真剣です。・・・・・・でも,楽しそうです。
その後,入場に備えて,舞台の下手と上手に分かれ,第1コーラスと第2コーラスが舞台袖に整列しました。ああ・・・・・いよいよ,舞台に入場です。入場直前にモニターを見ましたら,我々合唱団の黒衣装に囲まれ,少年少女の白衣装が十字架のように浮かび上がる舞台演出がなされていたことに,この時はじめて気づきました。緊張し,さながら子羊のような姿で僕も舞台に入場しました(続く)。