いや,本当に難儀でござった。この難儀さは誠に骨身にしみたでござる。
その執行がなされたのは昨日(3月2日)。さる大病院の歯科口腔外科でした。その「執行」というのは,私の大きな親知らずの抜去術・・・(笑)。
その執行日が近づくにつれ,だんだん憂鬱になっていきました。私の行きつけの歯医者さんが紹介状を書いてくれたほどの先生(歯科医師)ですから,腕前は折り紙付きですが,歯科治療を受ける身としてはそれはそれは嫌なものです。
いわゆるインフォームド・コンセントの一環ですから仕方がないとしても,その先生からはリスク面で色々と不安なことも告知されました。それまではたかが親知らずだと思っていたのですが,親知らずを抜去するということは結構大変なことなのですね。
憂鬱でしたが,敵前逃亡する訳にもいかず,私は特に指示された訳ではありませんが昼食を抜き,午後2時に歯科口腔外科の外来を訪れました。診療椅子を「じゃ,倒しますよ。」と言われて,あとはまな板の鯉です(笑)。歯科医師の先生から,「先生(これは私のことです。),今日はもうお仕事の予定は入っていませんよね。」と確認され,「ええ,今日はもう入れていません。」と答えたら,「じゃあ,何があっても大丈夫ですね。」(笑)と脅されてしまい,私は思わず「命だけは取らないでください。」と念を押しておきました。ユーモアに富んだ先生ではありますが,親知らずの抜去とはいえ,一世一代の手術を受けるのですから,もう少し物の言い方というものがあるような・・・(笑)。
私を待ち受けていた試練は,親知らずの抜去だけではなく,まずはその前にむし歯部分の歯の神経の抜髄治療が待ち構えておりました。勿論麻酔はしていただけましたが,親知らずの前にとんだ困難が待ち構えていたのです(笑)。親知らずの抜去だけでも相当の覚悟で来たのに,その前にあの嫌な神経の抜髄治療が待ち構えていたとは・・・。そういえば,紹介状の中に,可能であれば親知らずを抜くだけでなく,神経の抜髄治療の依頼もあったような。
恐らくは,泣きそうな顔をしていたと思いますし,冬だというのに痛みに対する恐怖と緊張で汗ばんでおりました(笑)。長いこと生きていると,いろいろな辛いこともあります(爆笑)。ストレスの極致・・・。どうでしょうか,これで20~30分を要したでしょうか。
さてその後に待ち構えていたのは,メインイベントの親知らずの抜去術でした。その親知らずは,素人がレントゲン写真を見ても分かるように,割と大きく,しかも横になっていました。先生からは,事前にこの親知らず抜去は割と難儀すると告知されていました。「難儀する」・・・。歯科医師が難儀すると言う事は,恐らく論理必然的に患者も難儀するということか・・・(笑)。もうその後のことはこのブログで再現,表現するのも憚られることですので,割愛します。ただ一つ言っておきますと,電動のこぎりみたいな器具で親知らずを切断していたようです。口の中が何やら焦げ臭いような感じがいたしておりました(笑)。いやー,長いこと生きているといろんなことがあります。
結局,前座の歯の神経の抜髄治療を含め,1時間10分にわたる辛い,それはとても辛い体験でした。幸いに私の場合は,血の止まり具合は良好でしたし,痛みはありましたが昨晩は割と熟睡できました(痛み止めを飲んでいたせいもありますが)。
多忙の私は,親知らずを抜いた翌日である今日も,3つほどの仕事(いずれも裁判所へ)がありましたが,何とかこれをこなして,ようやくこのブログを更新しております。
いや,本当に難儀でござった。歯科医師からは,酒は控えるように言われましたが,それはあくまでも抜去した当日のことだと「善解」し,今日はカミさんが作った美味しいポテトサラダをつまみに,試しに飲んでみます(笑)。