愛読している産経新聞(笑)。その産経新聞にはいろいろと興味深い記事のコーナーがあるのですが,このうち「聴きたい!」というクラシック音楽の名盤をも紹介するコーナーがあります。曲の簡単な紹介と,お薦めの名盤が記されております。
それにしても,あのブラームスの交響曲第4番・・・。もちろん押しも押されぬ傑作だと思われますが,この曲が初演されたころは,特殊な音階を使う教会旋法やバロック時代の変奏形式,パッサカリアを曲中に採用したことに対して,マーラーやヴォルフらが「古めかしく無内容」,「時代に後ろ向き」などと酷評したようなのです。
それはとても意外でした。その一方で,リヒャルト・シュトラウスは「形式の扱いや構造が天才的」と絶賛したため,当時の音楽界では大論争に発展したようです。でも,この交響曲第4番第1楽章の冒頭のあの哀愁を帯びた美しい旋律,絶対に傑作でしょう。大好きです。
ブラームスという作曲家は,前から思っていたのですが素晴らしいメロディーメーカーの一人です。これは間違いない。例えば,その交響曲第4番第1楽章の冒頭の旋律を実際に聴けば合点がいくでしょうし,弦楽六重奏曲第1番第2楽章を聴いてごらんなさいよ。その旋律の美しさに涙が出てきますよ。その美しさ故に,あのルイ・マル監督の「恋人たち」という映画にも採用されていましたね。名女優ジャンヌ・モローが好演していました。
それから,交響曲第3番の第3楽章のこれまた思わず涙がこぼれるほどの憂愁を帯びた美しい旋律・・・。これを聴いて泣かない人は,人間ではないと結論づけてもよい!(笑)その美しさ故に,「さよならをもう一度」という映画に採用されていましたね。
それと私が子どもの頃から大好きだったピアノ曲のワルツ変イ長調,これも大変に美しい旋律なのです。
ブラームスは確かに出色のメロディーメーカーの一人です。