先日車で移動している最中に,ブラームスの弦楽六重奏曲第1番の第2楽章の甘美なメロディーに接した。とても久し振りだった。それ以来,ここ数日,自分でそのメロディーを意識的に「再生」しようとしなくても,自然に頭の中でぐるぐる回ってしまっている。
この弦楽六重奏曲第1番の第2楽章の甘美なメロディーは,ルイ・マル監督の「恋人たち」という映画の中でもとても効果的に使われている。独身時代に映画館でこの映画を観たときは,いいメロディーだなと思った。その映画に出ていたジャンヌ・モローという女優も魅力的であった。若干唇が厚めだが,名女優といって良く,その当時はモローの出ている映画を立て続けに観たものだ。やはりルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」,フランソワ・トリュフォー監督の「突然炎のごとく」など。これらは,いわゆるヌーヴェル・バーグと呼ばれる作風のもので,ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」では,モーリス・ロネという俳優がこれまたとても印象に残る演技をしていた。この俳優が主演している映画でその他にお勧めなのが,やはりルイ・マル監督の「鬼火」である(そういえば,この映画ではエリック・サティの音楽がこれまた効果的に使われていた。人によっては,エリック・サティの旋律も頭の中でぐるぐる回るであろう。グノシェンヌやジムノペディなど)。
むちゃくちゃに話が脱線したが,音楽の話に戻すと,ブラームスは天才的なメロディーメーカーだと思う。印象に残るものが多い。交響曲第3番の第3楽章の甘美で感傷的なメロディーも頭の中でぐるぐる回りそうだが,これも「さよならをもう一度」という映画に使われているそうだ。以前このブログでも書いたが,「子守歌」も好きだし,変イ長調のワルツ(作品39の15番目のやつ)も素晴らしいメロディーである。