自宅近くの並木道沿いの桜が見事,満開となりました。ここの桜はソメイヨシノではなくオオカンザクラという品種で,ソメイヨシノよりも毎年2週間ほど早く開花するのです。いいですね,桜というのは。何となくうれしくなってきましたので今夜も一杯やるとしましょう(笑)。
さて,私の名前は茂というのですが,とても昭和らしい名前で,亡き父が吉田茂元首相の名前を参考にして付けてくれました。もちろん父には感謝しております。ただ,戦後の首相として私がダントツに尊敬しているのは岸信介元首相です。岸信介と吉田茂を政治家として比較した場合,愛国心,誠実性,頭脳の明晰さ,判断の的確性,勇気などいずれの面でも岸信介でしょう。どうせ政治家にあやかるのなら,信介と命名してくれていたら・・なんて思ってしまいます(笑)。
新聞を読んでいましたら,先ごろ,「王子様」と命名された山梨県に住む高校三年の男性が,甲府家庭裁判所に名の変更(改名)審判を申し立て,無事にこれを許可する審判が出されたとのことです。何よりです。いわゆるキラキラネームにもいろいろありますが,「王子様」というのにはビックリしました。この高校生はいろいろと苦労をされたようです。カラオケなどの会員証を作る時,店員には偽名ではないかと疑われるし,高校に入って自己紹介をしたら,女子生徒に噴き出されたり・・。命名する親の方も,もう少し想像力というものを働かせるべきでしょう。例えば,自分の子どもが将来の採用面接を受ける際などに,面接官や企業の人事担当者がどのように感じるかということを。
先日の産経新聞の「産経抄」には,名前のことに関し,平成11年に74歳で亡くなった喜劇役者,三木のり平さんの名前のことが書かれておりました。彼の本名は田沼則子だったそうです。「のりこ」ではなく「ただし」と読む。命名したお父さんは,「孔子,孟子と、子がつく男は立派になるんだ。」と言って,妻の反対を押し切ったとのこと。
のり平さんが小学校に上がる時,学校に入学通知を持っていくと,「だめだよ、お姉さんの通知状を持ってきたりしたら」などと叱られたり,名前のことをからかわれて随分喧嘩などもしたようです。
親が付けた名前が時には子供の運命を変えてしまうこともあるという意味で,「産経抄」は,のり平さんの有名なエピソードにも触れていました。大東亜戦争が激しくなって,小学校の同級生が次々に徴兵検査を受けるようになっても,のり平さんには何の音沙汰もない。区役所に問い合わせると,戸籍謄本の彼の性別の欄が女になっていた。召集令状が来るのも遅れてしまい,入隊の日には既に戦争が終わっていたという逸話です。
私の場合は茂ですから,みなさん例外なく「しげる」と読んでくれますし,女性に間違われたこともありません。