「うんざりする」というのは,「つくづく嫌(いや)になって」,「すっかり飽きて」という意味の副詞で,辞典によれば心底いやになり厭わしくなる様子を表す表現だそうです。
最近の韓国の対応,特に文在寅とかいう大統領の発言や韓国の日本大使館前でのエキセントリックなデモの様子,日本製品不買運動などを見ておりますと,本当にうんざりします。正にうんざりといった表現がピッタリです。この文大統領の演説の中には,「加害者の日本が傷をほじくり返せば、国際社会の良識が決して容認しない」だとか「われわれは二度と日本に負けない」だとか「加害者である日本が、盗っ人猛々しく、むしろ大きな声で騒ぐ状況は決して座視しない」などといった表現があります。大きな声でお騒ぎになっていらしゃるのは,お宅様ではないでしょうか(笑)。それにしても一国の元首が,このような情緒的,感情的で外交的儀礼を欠く表現を躊躇なく使用する場面というのはあまり聞いたことはなく,こういう発言に接しますと,むしろこちらの方が恥ずかしくなります。
ところで,この演説の中で文大統領は,「どのような理由で言い訳をしようとも、日本政府の今回の措置(いわゆるホワイト国から韓国を除外したこと)は、強制徴用をめぐる大法院(最高裁)判決に対する貿易報復だ」と的外れなことを述べておりますが,やはりそれならば日韓国交正常化の際に,元徴用工への補償問題がどのように取り扱われたのかを振り返る必要があります。以下は,産経新聞の8月13日の記事などを参考にしております。みなさん,気を確かに持って一緒に理論武装をいたしましょうね(笑)。
日韓の正常化交渉は1951年に始まりました。そこでは朝鮮半島統治を規定した1910年の日韓併合条約の有効性が大きな争点となり,交渉は時間をかけて継続的に進みました。
1952年,交渉の初期の段階で韓国側が日本側に示したのが「対日請求要綱」です。それは日本政府の朝鮮総督府に対する債務の弁済や韓国に本社や事務所があった法人の財産返還など8項目で構成され,その第5項では元徴用工に関し,「被徴用韓人の未収金、補償金及びその他の請求権の弁済を請求する」と記されておりました。
実際,交渉の中でも韓国側の政府代表は元徴用工への補償を求めた訳です。1961年5月10日の交渉では,第5項の要求を「一般労働者の他に軍人軍属、全部を含めて、生存している者、負傷、死亡した者に対してそれぞれ補償してもらいたいという意味だ」と韓国側は説明しています。「強制的に動員し、精神的、肉体的苦痛を与えたことに対し、相当の補償を要求するのは当然だと思う」と述べているのです。
これに対し,日本側代表が「個人に対して支払ってほしいということか」と尋ねると,韓国側は「国内での支払いは国内措置として必要な範囲でとる」と明確に答えているのです。
日本側は重ねて「国民の感情をなだめるためには、個人ベースで支払うのがよいと思う」と再考を促しましたが,韓国側は「われわれは、われわれの国内問題として措置する考えであり、人数や金額の問題があるが、どうかして、その支払いはわれわれ政府の手でする」と譲らなかった訳です。
こうした交渉の結果結ばれたのが日韓請求権協定であり,日本が韓国に対し,無償で3億ドル,有償で2億ドルを供与し(当時のお金でものすごい金額です!),両国民の財産や権利に関する問題は「完全かつ最終的に解決された」ことが明記され,韓国側の要望どおり,元徴用工への補償金は韓国政府に対してまとめて支払われることになったのです。
この協定に付属する合意議事録では,協定で解決された請求権問題には,韓国側が提示した対日請求要綱の8項が全て含まれ,この要綱に関するいかなる主張も以後はできないことが確認されています。
ところが,韓国政府は極めて多額の補償を日本国から受領しておきながら,そしてあれほど自国民には自国政府の責任で補償するからと約束しておきながら,「漢江の奇跡」などと称してそのお金をインフラや企業設備投資などに使ってしまい,この約束を完全には履行していません。真実はこういう経過をたどっているのですから,昨年の10月以降,立て続けに日本企業に賠償を命じた韓国大法院の判決がいかに不当なものであるかが分かるでしょう。そして「三権分立」だからといってこれに便乗している韓国政府がいかに異常であるかが分かるでしょう。
実はそれだけではありません。韓国は,廬武鉉政権下の2005年,日韓の請求権協定にはいわゆる徴用工問題も含まれ,賠償を含めた責任は韓国政府が持つべきだとの政府見解も自らがまとめているのです(交渉当時の議事録などを目にすればこれは当然のことです)。そ,そして何と,この当時,廬政権下で大統領首席秘書官を務めていたのは他でもない文在寅という人間であり,これに関わっていたのです。彼はそういうことを十分に認識していながら,分かっていて今回のような妄言を弄しているのです。
みなさん,もういい加減うんざりでしょう。