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弁護士ブログ

2022/01/06

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皆様,新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。今年こそはこのブログの更新頻度を高めていきたいと思います(笑)。

 

実は年末年始にかけて,ある刑事事件の控訴趣意書を完成する必要に迫られており(提出期限は令和4年1月5日),精神的には重圧感を覚えていたのですが,それも1月4日には何とか完成し,5日には無事高等裁判所に提出完了と相成りました。期限を徒過しますと,それだけで控訴棄却になってしまうので現在の解放感は半端ではありません。

 

相当に目が疲れてはいたのですが,食い入るように「雲上の巨人 ジャイアント馬場」(門馬忠雄著,文藝春秋)という本を読破しました。どうしても読まなきゃと思った理由を述べれば,産経新聞の書評欄で藤井聡さん(京都大学大学院教授,評論家)が次のような熱い,熱い書評を書いておられるんだもの・・・(笑)。

 

「評者が青年の平成の頃、ジャイアント馬場といえばバブル崩壊以後、底が抜けたように崩れ去っていく日本社会の中にあって古き良き日本を象徴する数少ない巨大な存在だった。・・・馬場さんこそがこの戦後日本で急速に絶滅しつつある『古き良き日本人』だったのであり、戦勝国・米国に決してこびず文字通り対等に渡り合うことのできる『誇り高き日本人』だったというところにあった。・・・馬場さんを好きだった人はもちろんのことあらゆる世代の人々もまた、本書を通して馬場さんの佇(たたず)まいに触れてみてはいかがだろうか。決して損はない。馬場さんはそれだけの人物なのだ。そんな本書をぜひ、一人でも多くの日本の皆さまに手に取っていただきたい。評者はそう、切に願う。

 

ねっ,とても熱いでしょ(笑)。私はすぐに購入して詠んでみました。やはり損はありません。私もこれまでのところ人生の約半分を「昭和」で過ごしてきた人間ですが,やはりジャイアント馬場という人は長嶋茂雄と並んで国民的大スターであったし,やはり昭和の古き良き人なのです。筆者(門馬忠雄さん)は,かつて東京スポーツの記者であり,プロレス担当もとても長く,プロレスの巡業先や仕事面全般,そしてプライベートでもジャイアント馬場と深い親交を続け,その期間は35年の長きにわたっているのですから,「馬場さんらしさ」全開のエピソードの一つ一つ,そして馬場さんの人となりを読者に伝えるのに最適な人です。

 

「なあ、モンちゃん、あんまり飲むなよな・・・・・」

 

これは生前,馬場さんが筆者にその体を心配してたびたびかけた言葉で,馬場さんの思いやり,やさしさが窺えるエピソードですが,そんなシーンが盛りだくさんです。高校を中退して読売巨人軍に入団したのですが,二軍暮らしが長く,その3年目に視力が急速に衰え,脳腫瘍の手術をするために入院せざるを得なくなった。その入院までの間,馬場さんは,巨人軍の合宿所近く,多摩川の土手の河原で,

〽俺は河原の 枯れすすき・・・と,「船頭小唄」ばかりを泣きながら何度も繰り返し歌っていたというエピソードなどもあります。

 

それでも人生どう転ぶか分かりません,力道山に見いだされてプロレスの世界に入り,その後の大活躍,国民的ヒーローぶりはみなさんご存知のとおりです。

 

それにしても馬場さんは,プロレスラーとしては死の直前まで現役を貫いたことになります。そのこなした試合数たるや,5758戦というから,正に鉄人であり,私はこういう「気は優しくて力持ち」という存在に憧れます。

 

この本の帯には次のような文句が記載されています。

 

「僕たちは、馬場さんが好きで好きでたまらなかった。」

 

勇気を与えてくれる本ですよ。是非ご一読を!

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