読売巨人軍の長嶋茂雄選手の現役時代の雄姿に憧れて以来,ごく短期間を除いてずっとジャイアンツのファンでした。そのごく短期間というのは,長嶋さんがジャイアンツの監督時代,ヤクルトでくすぶっていた息子の一茂をジャイアンツに引き取った時期だけは「やはり親ばかだなあ・・」と失望し,ジャイアンツファンをやめていました(笑)。でも一茂がジャイアンツを去ってからはファン復活で(笑),それ以降は応援してきました。
ところが,ファンとしてはあってはならないことかもしれませんが,原辰徳独裁政権の今,実はテレビ中継なんかを観ていても,内心ではジャイアンツが負ければいいと思うようになってしまいましたし,オールスター戦の前にヤクルトに3タテを食らった時や,昨日阪神に負けた時などは思わず快哉を叫んだものです。今の原巨人の野球は全然面白くない。好きな選手も見当たらない。広島や阪神のベンチ内の明るい雰囲気に比べ,巨人ベンチは渋面の原監督,イエスマンぞろいのコーチ陣,委縮気味で覇気のない選手たち・・。原独裁政権下のジャイアンツはやはり応援したいとは思えないのです。
応援どころか,政治家として全く評価していないのが岸田文雄という人物です。この人はダメだなあ・・・。本当に。この人の口から今まで国家観のようなものを聞いたことがありませんし,首相として実現したいことを自ら明確に表明したということはないのではありませんか。外遊が好きなようですが,実際には外交的な成果はあまりなく,内政でも「やってます」感を出しているだけです。世論調査でも,もうとっくに不支持率が支持率を上回っておりますし,毎日新聞調査では支持率が30%を割り込んでおります。もう国民の前ではメッキが剥がれ落ちているのだと思いますよ。
この暑いのに口を極めて非難しておりますが(笑),要するにこの人は首相(内閣総理大臣)になりたかっただけの人だったのではないでしょうか。ちょうど民主党が政権を取る直前のポスターには鳩山由紀夫の平和ボケしたお顔の右下に「政権交代。」と記載されていたように,岸田文雄という人も「首相。」という感じです。首相になるのが目的だった,あとはどれだけ在任期間を延ばすかということに汲々としている状態に見えます。
7月22日の産経新聞のコラム「産経抄」には面白いことが書いてありました。この3月に岸田氏が福島県相馬市を訪れた際,地元の子ども達から首相を目指した理由を尋ねられた時,「日本社会で一番、権限の大きい人なので。」と答えたそうです。・・・そうなんですか(笑)。また,首相就任前の令和元年11月にテレビ番組に出演した際,首相に就いて一番やりたいことは何かと聞かれ,「人事です。」と答えたそうです。・・・そうなんですか(笑)。岸信介首相のように,命がけで60年安保をやり切り,さらには憲法改正を目指していたというような政治家としての強烈な意思と気概は全く見当たりません。
ただ一つ言えることは,言葉が適切かどうかは分かりませんが,政治家岸田氏の志向性としては,財務省の「走狗」になってしまうのではないかということです。財政規律至上主義,増税路線,PB(プライマリーバランス)重視,財政支出抑制という路線を志向していることはほぼ間違いないでしょう。これまでの言動の内容もそうですし,親類縁者には財務省の官僚がズラリ(岸田氏の叔父は元財務官僚,岸田氏の実の妹2人はいずれも財務官僚に嫁ぎ,内閣官房副長官の木原誠二その他多くの最側近も元財務官僚),またこのたび自民党税制調査会が出した「中間答申」の内容が「サラリーマン増税か」と物議を醸しておりますが,この調査会の会長宮澤洋一という人は岸田氏のいとこに当たるようです。
現在のインフレ率についてはいわゆるコストプッシュインフレの範疇であり,実体経済として日本はデフレを脱却していません。増税をしてますます需要を減らしてどうするの,まずは「機能的財政」の観点から効果的な財政出動をしてデフレを脱却し,景気回復,経済成長をし,これにより税収をもっと増やしていくのであれば分かります。でも,デフレ下で増税,財政出動を減らしたら日本経済はどうなってしまうのかについて,岸田氏は首相公邸で息子らと一緒に忘年会に興じている暇があったら,真剣に考えて欲しいと思います。
考える材料としては,「奇跡の経済教室【基礎知識編】」(中野剛志著,ベストセラーズ),「奇跡の経済教室【戦略編】」(中野剛志著,ベストセラーズ),「奇跡の経済教室【大論争編】」(中野剛志著,ベストセラーズ),「どうする財源-貨幣論で読み解く税と財政の仕組み」(中野剛志著,祥伝社新書)などがお勧めです(笑)。