いや,本当に寒くなりましたね。徒歩通勤などしていると,手袋が欲しくなるくらいです。皆様,風邪など召されませんように。美味しいものを食べて,お風呂で温まり,暖かくして寝て十分な睡眠を取りましょう。そうすれば免疫力を高め,抵抗力もつき,風邪などひかずに済むわけです(笑)。
さてさて,寒いといえば,あの香港では正に寒々とした状況が現実化しております。「一国二制度」(特別行政区)とは名ばかりで,もはや完全に中国共産党の非民主的,独裁的な暗雲が垂れ込めていますね。
香港では12月10日に地方議会にあたる区議会議員選挙(4年に1度)が実施され,投開票の結果,予想どおり中国政府寄りの親中派が議席をほぼ独占しました。産経新聞でも指摘されていましたが,実は今年の7月に香港の選挙制度は民主派に極めて不利に変更(改悪)されていましたので,投開票前から親中派の圧勝が既に事実上決まっていたのです。
何とこの選挙制度の変更は,全18区で計479あった議席を470に削減し,このうち住民による直接投票枠を452から僅か88に減らすというものです。住民による直接投票枠こそが民意を直接に反映させる最後のよりどころなのに,このざまです。しかもそれだけではありません。直接投票枠で立候補するには,まず親中派で構成される地区委員会などの委員の推薦が必要で,かつ,香港政府の幹部らからなる資格審査委員会による「愛国者か否か」の審査を突破しなければならないのです。この場合の「愛国者か否か」は,端的に言えば「中国共産党に忠実か否か」を意味するのにね(笑)。
結局は今回の選挙では,民主党などの民主派政党の立候補予定者は地区委員会などの推薦も得られず,何と一人も立候補できなかったのです。民主的な考え方を有する住民としては,それに値する人が一人も立候補できないのならば,投票することの意味を見い出すことができませんね。案の定,今回の選挙で住民はシラケまくっており,前回選挙の投票率が71.2%に達していたのにもかかわらず,今回選挙の投票率は27.5%に過ぎません。
私も今から約20年前に家族と一緒に香港へ旅行したことがありました。少し猥雑な感じもしましたが,その当時は自由で活気のある場所でした。でも今は,政治面,そして住民の民意反映,自由な言論という場面では,とても寒々とした状況になっているようです。