昨日,自分の車で移動していましたら,ラジオから聞き覚えのあるメロディーが流れてきました。「ロンドンデリーの歌(ダニー・ボーイ)」でした。仕事の合間にこのような曲を聴きますと,癒されますね。本当に佳い曲です。アイルランド民謡には多くの有名な曲がありますが,私はこの「ロンドンデリーの歌(ダニー・ボーイ)」が一番好きです。これはもううろ覚えですし,ひょっとしたら勘違いかもしれませんが,19世紀の後半,イギリスで有権者の人気を二分した自由党のグラッドストンと保守党のディズレーリは政治家としては好敵手でした。そのライバル同士の二人が,肩を組んでこの「ロンドンデリーの歌」を歌ったのではなかったでしょうか。
音楽の話ついでといっては失礼ですが,バッハ・コレギウム・ジャパンの鈴木雅明さんが,バッハの音楽の普及に貢献した人に授与される「バッハ・メダル」を受賞されました。誠に素晴らしいことです。過去の受賞者にはグスタフ・レオンハルトやニコラウス・アーノンクールなど錚々たる巨匠が名を連ねています。東京でだったか,名古屋でだったか覚えておりませんが,私も鈴木雅明さん指揮でバッハ・コレギウム・ジャパンのバッハを聴かせてもらったことがありますが,その演奏を聴いて「真摯」という言葉が思い浮かびました。このたびの受賞は,これまでの地道で,真摯な活動とその音楽的な完成度の高さが評価されたのではないでしょうか。この6月には,鈴木雅明さん率いるバッハ・コレギウム・ジャパンが,あのバッハゆかりの聖トーマス教会で「マタイ受難曲」を演奏したそうです。この世界での日本人の活躍ぶりを知るにつけ,誇らしい気持ちになります。
娘のあかねちゃんは,今,大学でいろいろな科目の勉強をしておりますが,先日の晩,相変わらず晩酌をしてほろ酔いになっている私の横で,哲学の先生のことについて話してくれました。この哲学の先生は,フランスの哲学者アランの「定義集」を教材にして教えているそうですが,この先生は,音楽史上の最高傑作は何かという話題になった時(哲学の授業の時にどうしてこういう話題になったのかは不明),迷わずバッハの「マタイ受難曲」だと仰ったそうです。
・・・・・・・・素晴らしい。仰るとおりです。