7月28日は,私が心からその音楽を愛するヨハン・セバスティアン・バッハの命日であります。今から262年前にライプツィヒで亡くなりました。毎年この日にはバッハの音楽をしみじみと聴くなどして過ごすのですが,今年はこのうだるような暑さでヘトヘトになってしまったのと,ロンドンオリンピックの方に関心がいってしまいました(笑)。
さて,女子サッカーは開会式前から頑張ってますね。カナダを破り,その後強敵スウェーデンにも引き分け,勝ち点を積み上げております。ただ,対スウェーデン戦を観ていて思ったのですが,なでしこジャパンは明らかに研究され,対策されております。昨年のワールドカップのように優勝を手にするには相当な困難が横たわっているのではないでしょうか。
なでしこジャパンの今のキャプテンは宮間あや選手です。新聞報道もされておりましたが,彼女は対カナダ戦開始直前,円陣を組んだ選手全員に対して,「みんなに大切な思いがあって、大切な人もいる。6試合をお互いのために戦おう。」と言って勇気づけたそうです。試合後の佐々木則夫監督のコメントは,「(この言葉を聞いて)僕もジーンときて涙が出そうだった。泣いている選手もいたしね。」というものでした。これはどうでもいいことですが,テレビでその佐々木監督のコメントを聞いて,今度はテレビの前でうちのカミさんが泣いていたことを,娘のあかねちゃんが私に暴露したのです(笑)。
いずれにしても,宮間選手のあの言葉は選手の士気を鼓舞するには最高の言葉でしょう。キャプテンシーというものが備わっておりますね。昨年のワールドカップ決勝戦で勝敗が決まった直後,うなだれる米国選手の下にすぐに歩み寄って敬意を表した行為はスポーツマンシップの模範として世界的な評価を受けたのです。武士道でいう「惻隠の情」です。
さてそれにしても日本柔道はどうなってしまったのでしょうか。個々の選手は頑張ったのですから,労いたいと思います。ただ我が日本としては,柔道の世界では何としても金メダルが欲しい。立ち技でも寝技でも,「ああ,やはり日本は凄いな。」と思わせるような切れのある技を臆することなく見せて欲しいのですよ。積極的にね。かけ逃げや極端な防御姿勢で時間稼ぎをするような外国人選手に対しては,見事な一本勝ちをして欲しいのです。
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(増田俊也著,新潮社)という本を読んだ影響かもしれませんが,やはり日本柔道は世界に冠たる存在であって欲しい。史上最強の柔道家といわれる木村政彦には牛島辰熊という師匠が,また,岩釣兼生というこれまたその当時最強をうたわれた柔道家には木村政彦という師匠がそれぞれおりました。精神面を含めて,勝負の要諦というものを弟子や選手に伝える「師匠」がいつも存在していなければならないと思います。
日本柔道の復活を切に希望するものであります。