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弁護士ブログ

2012/11/28

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 仕事で疲れたり,精神的に落ち着きたいなと思うような時には,私は迷わずバッハの音楽の深い森の中に入っていきます。「神曲」でダンテが深い深い森の中にいた自分に気付いたようにです(笑)。

 

 バッハの教会カンタータは約200曲もあるのですが,その中には特に好きな曲がいくつかあります。教会カンタータというのは,どの曲も合唱(コラール),レチタティーヴォ,アリアなど数曲から構成されているのですが,とりわけそれらのどの曲も素晴らしく,特に充実しているな,完成度が高いなと感心するのが第140番の「目覚めよと呼ぶ声あり」です。これはバッハ作品の中でもあまりに有名な曲なのですが,先日お酒に酔ってではありますが,改めて聴いてみますとその感を深くしました。

 

 この曲は本当に素晴らしい。それらの歌詞は,マタイ福音書中の「花婿を迎える10人の乙女のたとえ」がベースになっており,花婿イエスが真夜中にエルサレムに到着し,魂との結婚にいたる情景を描写したものです(第6曲の魂とイエスの愛の二重唱がその最高潮の部分でしょう)。

 

 第1曲の弦楽器とオーボエで奏される付点リズムの導入部の重厚なカッコよさと,印象的な合唱(コラール),そしてこれはバッハ作品の中でもとりわけ有名な第4番目のテノール(コラール)による旋律の素晴らしさ。そして第6曲の魂(ソプラノ)とイエス(バス)による愛の二重唱は一度聴いたら忘れられないメロディーです。第7曲(終曲)は相当に短いのですが,4声で力強く結ばれ,あたかも一陣の風が通り過ぎていくように終わります。くどいようですが,この「目覚めよと呼ぶ声あり」(第140番)はバッハの数ある教会カンタータの中でもとりわけ充実していると思います。

 

 なお,お酒によってその日にこの曲を聴いた盤は,トン・コープマン指揮のアムステルダム・バロック管弦楽団・合唱団の演奏によるものですが,第6曲の愛の二重唱は魂(ソプラノ)はリサ・ラーソン,イエス(バス)はクラウス・メルテンスが唱っております。リサ・ラーソンはスウェーデンのソプラノ歌手です。彼女はもうそれほど若くはないでしょうが,すごく美人です。

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