子どもの不慮の事故が新聞紙上に載っていますと,本当に心が痛みます。この「不慮の事故」というのは5歳から9歳までの死亡原因の第一位なのだそうです。
今でも思い出すのですが,私がとても幼少の頃,弟思いの姉が良かれと思って私に丸いあめ玉を頬張らせたことがあり,これが喉に詰まってしまったことがあったようです。その時私は目をパチクリさせて苦しがっていたようで,これを発見した母親が背中を叩くなどして事なきを得たのです。その一件に触れられる度に姉が済まなそうな表情をしていたのを思い出します(笑)。
日本会議の機関誌の「日本の息吹」には,「子育て支援塾」と題する田下昌明さん(小児科医・医学博士)の連載記事があります。この4月号でもう132回も連載されていますので,さぞかし好評なのでしょう。私もこの連載記事はとても参考になり,楽しみにしております。
なにしろ田下先生は子の親としては勿論,小児科医としての多年にわたる経験を積まれており,この連載記事も,親として,そして小児科医としての経験と知見がちりばめられておりとても参考になるばかりか,とても説得力があるのです。子どもの躾け,食育,不慮の事故からの守りなどなど,そこに一貫しているのは学校教育もさることながら,まずは何よりも家庭における「子どもの育み」という観点です。4月号でも,田下先生は「子どもが貯水池に落ちて溺死した場合など、持ち主の管理が悪いとか、市町村の指導が至らないとかいう理由で訴訟を起こすのが当節流行のようですが、かりに訴訟に勝ったとしても、親の腹いせにはなるかもしれませんが死んだ子供と先祖に対する責任は免れるものではありません。」とコメントされており,その通りだと思います。
以下,なるほどなと思った箇所を引用しておきましょう。
「子育ての最中は本当に一寸一刻も子供の事故のことを忘れてはいけません。中でも特に注意しなければならないのは、来客の時、または子供を連れて友人の家へ行った時です。親は楽しく話がしたいために、あるいは客に気をつかって、『うるさいから、ちょっとあっちへ行ってなさい』というようなことをやりがちです。こういう時が危ないのです。子供は親の友達に相手をしてもらいたいものです。それを追い払われると、〝つまんないなぁ〟という気持ちになって、ふだんはやったことのない、とっぴなことをやらかすのです。また、四歳から六歳ぐらいの少し年長になっている子供は、来客の時は少しぐらいのいたずらでは叱られないことを知っているので、これは絶好のチャンスとばかり、ふだん親から禁止されていることをやってみる気になるものです。」
なるほどね・・・。思い当たる節もあります(笑)。親は,不慮の事故から子供の命を守ってやる義務がありますし,育んでいくという観点を忘れてはならないと思います。