中国の外交部長というと,日本で言えば外務大臣みたいなものです。今の中国の外交部長というのは王毅という人で,以前に駐日中国大使も務めた人物です。
しかしながら,最近この王毅という人の外交面での言動はとても横着ですね。つい先ごろ,アメリカのケリー国務長官が中国の最近の南シナ海での力による,そして強引に既成事実を作り上げようとする傍若無人ぶりに苦言を呈しても,何処吹く風という傲岸不遜ぶりです。
今日はあまり時間がありませんので,この王毅という人物が国連で並べた嘘八百について少し触れておきましょう。以下の記述は,月刊誌「正論」の本年5月号に掲載された記事の内,西岡力国際基督教大学教授の発言に依拠しております。私も全く同感なのです。
今年の2月に国連安保理で創設70周年の記念討論会が開かれたのですが,この王毅という人物は,「過去の侵略の罪を糊塗しようとするものがいる」と述べ,婉曲な表現ながら日本や安倍首相をあてこすった演説を臆面もなく行いました。
この者の臆面のなさは,同時に「戦後70年間、国連の創設メンバーで、安保理の常任理事国の中国は、常に国連憲章の精神に従い、国連の役割を支え、平和と安定を守ることに尽くしてきた。今日の開かれた討論会が、反ファシスト戦争勝利と国連創設70年の記念の序幕になることを望む」との発言に如実に表れております。
嘘八百とは正にこのことです。大辞林によると,「嘘八百」とは,多くの嘘,何もかも嘘ばかりであることを指す言葉のようです。何で「八百」なのかといいますと,「八百」という言葉の中には「数多く」という意味が含まれているからだそうです(笑)。この王毅という人物が述べたさきほどの発言内容が嘘八百であることについて,ちょっとだけご説明を・・・。
まず,中国共産党政権の中華人民共和国は,国共内戦に国民党が敗れて1949年に成立したのであって,1945年に国連が創設された当時のメンバーは中華民国でした(笑)。彼の属する中華人民共和国の国連加盟は何と1971年なのです(笑)。
次に,朝鮮戦争(1950年~)のことを考えると,この人物の演説内容は正に噴飯物となります。金日成の北朝鮮が韓国に武力侵略したとき,国連の安全保障理事会は国連軍を組織して侵略者を撃退すべきだと決議しました。国連史上,国連軍での戦いを決議した唯一のケースですが,その侵略者・北朝鮮の側に立って国連軍と戦った者こそ中国共産党であり,中華人民共和国なのです(笑)。西岡力さんの言葉ですが,「国連と戦った中華人民共和国が国連の創設メンバーであるとか,国連の役割を支えて平和と安定を守ってきたなどと、よく言えたものだと開いた口が塞がりません。」(爆笑)
今年は戦後70年を迎えますが,中国や韓国はここぞとばかりに日本国や日本人,その父祖を貶める活動を活発化させるでしょうが,このような嘘八百に動揺してはいけません。