潘基文という国連の事務総長が,今年9月3日に北京で行われた中国のグロテスクな「抗日戦争勝利70年」記念式典と軍事パレードに出席しましたね。非常に見苦しかったと思います。このような行事への出席に関しては,国際社会からはあれほど国連の中立性の観点から批判があったにもかかわらず強行し,その挙げ句には「国連は中立的な機関ではない」などとコメントして開き直っています。恬として恥じないとはこのことです。後に述べる国連での自国民の縁故的登用の実態などからしますと,端的に言えばこの潘基文という人物は国連事務総長である前にまず韓国人であったということに尽きます。
以下に述べることは,ウィキペディアにも明確に記載されていることですが,まずアメリカの「ニューズ・ウィーク」誌は,「潘基文事務総長の無能ぶりは際だっている」と批判し,潘は大きな失敗を犯したわけではないが,核問題や移民問題にも関心を示さず,「世界中で名誉学位を収集して歩き、見事なまでに何も記憶に残らない声明を発表し、事務総長として影響力を発揮できたかもしれない貴重な機会を無駄にすることに費やしている」と批判しています。また,アメリカの「フォーリン・ポリシー」誌は,潘は歴代事務総長の中でも特に指導力や存在感を欠き,「国連を無意味な組織にした」と批判し,イギリスの「エコノミスト」誌は,潘の管理・調整能力不足を批判し,潘自身が最重要課題に挙げた地球温暖化問題も含め潘には大きな実績はなく,欧米諸国の信頼を失っているとしました。
この人物は事務総長に就任して以来,自国(韓国)のスタッフを国連内で特に重用し,縁故登用や私物化も指摘されています。これに対してこの人物は,それまで韓国が国連分担金を負担してきた金額に比して韓国人の人材登用が少なかったからだなどと弁解していますが,これはとても滑稽なことです。なぜなら,韓国は,国連分担金のうち,10個国際機関分担金1100億ウォン(1億1600万USドル)を滞納しており,これは未だに完済はされていません。
また2007年10月4日の「国連の日」では,毎年この日に恒例行事として国連本部で行われる事務総長主催のコンサートが開催されるのですが,同年に喜び勇んで就任したこの人は臆面もなく「韓国」を前面に出してしまいます。招聘した楽団は当然のようにソウル・フィルハーモニー管弦楽団でした。しかもこの日のコンサート会場では,韓国国連代表が作成した「Welcome to KOREA」と題された英文のパンフレットが式次第とともに配られたのですが,そこには日本海を「東海」として表記していました(笑)。国連は2004年3月,日本海が標準的な地名であることを認め,国連公式文書では標準的な地名として使用しなければならないという方針を公式に打ち出しているにもかかわらずです。
何よりも,私が首を傾げてしまい,そしてこの人物が恥知らずだなと思ったのは,「抗日戦争勝利70年」軍事パレードにおいて,自分が「国連事務総長」としての立場で出席しているにもかかわらず,その場には何と国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているスーダン大統領のバシルも同席していたのです。ダルフール紛争をめぐる戦争犯罪などに問われたバシルに対し,逮捕状執行に向けた手続をとるよう,加盟国に要請していたのは他でもない潘基文自身です。この人物は6月にバシルが南アフリカ入りしたときも「ICCの決定は実行されなければいけない」と述べ,南アに逮捕状執行に向けた手続を取るように促してもいます(以上,産経新聞)。その相手と同じ場所で涼しい顔して同席している神経が私にはわからないのです(笑)。