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弁護士ブログ

2016/04/14

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先週の4月7日から9日にかけて,仕事(出張)で島根県まで参りました。もちろん観光もしましたが,仕事が主です(笑)。いや,笑い事ではなくちゃんと仕事をして来ました。

 

わたしも長いこと生きておりますから,日本全国あちこち行った経験はありますが,島根県には一度も行ったことがありませんでした。往路は新幹線で岡山駅まで行き,あとは伯備線で生山へ到着し,その日の宿は仁多郡奥出雲町にある山荘に宿泊しました。その一帯は亀嵩温泉と呼ばれ,宿泊先は町営とはいえなかなかに立派で接客も良かったです。

 

二日目は松江市内に入り,宍道湖が見えるホテルで宿泊しました。生まれて初めて参拝する出雲大社は荘厳で,出雲の国はやはり神話の国だなと実感したものです。一度は出雲国風土記をじっくりと読んで味わいたいものです。

 

足立美術館へも足を運びました。日本庭園がそれはそれは素晴らしかった。一見の価値は十分にあります。四季折々の風景が楽しめる場所でしょうね。そして,お目当てだった横山大観の日本画です・・・。私は,横山大観の日本画の中では特に「無我」が気に入っており,内心わくわくしながら訪れたのですが,残念ながらこの期間は北海道立近代美術館で催されている「横山大観展」のために「無我」がそちらの方に行っていて,この目で実際に鑑賞することは叶いませんでした。それは残念でしたが,横山大観の素晴らしい作品に触れることができ,有意義でした。売店では小さなサイズの「無我」と「龍興而致雲」の画を買いました。

 

観光のことばかりを書きましたが,ちゃんと仕事はして来たのですよ。くどいようですけど・・・(笑)。

 

今回私が辿った島根県の旅はとても魅力的でしたので,今度は家族と一緒に旅行したいと思いました。帰りは飛行機です。FDAで名古屋空港(小牧)までひとっ飛びで,フライトは1時間もかかりませんでした。本当に便利なものです。

2016/03/11

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 私は,ある会の春の家族会旅行(日帰り)の企画者の一人になっている関係で,先日私を含め3名で滋賀県彦根市などへ下見に行ってまいりました。

 

 まずは国宝彦根城です。日本の城郭建築で国宝になっているのは5つで,松本城,犬山城,彦根城,姫路城,松江城です。さすがに国宝だけあって彦根城の天守閣は黒基調で大変美しいと思います。また,戦略的に敵軍が迫るのを遅らそう,そして困難にしようとの目的でしょうが,坂や石段が多く,また天守閣内も急な梯子段となっており,下見に行った我々も足腰に相当の疲労が残りました(笑)。その会に所属している方々は平均年齢が高いので,あの坂,石段,梯子段は不向きです。特に彦根に向かう貸し切りバスの中では,既にお酒も相当にすすんでいるでしょうから,こういった酔っぱらいに天守閣内のあの梯子段を上らせようとした日には,落伍者が出るのは必定だと思います。しかも「物理的」,「重力的」な意味の落伍者まで出てしまったらそれこそ責任問題です(笑)。

 

 そういう訳で,天守閣内を観覧する人は覚悟を決めた有志だけにして,そうでない人は遠巻きにその彦根城の勇姿を楽しむということと相成りました。

 

 郭内には玄宮園というそれはそれは誠に見事な庭園がございました。これは一見に値するものです。また彦根城博物館も素晴らしく,鎌倉時代や室町時代の古い宝物も展示されておりました。

 

 彦根城のシンプルで美しい勇姿を見て,玄宮園の情趣豊かで素晴らしい庭園を堪能し,博物館で宝物を鑑賞する・・・・・。これで美味しいお昼ご飯をいただけたら旅行参加者はきっと満足でしょう。足腰に相当の疲労を感じつつも,下見に訪れた三名の幹事はそのように自分に言い聞かせたのであります(笑)。

 

 さて,当日に昼食会場となる予定の彦根市内にある老舗の名店を訪れました。創業明治2年といいますから歴史は古く,現在の建物は東京オリンピックが開催された昭和39年に竣工したとのことです。会場の下見を終え,あとは当日振る舞われるであろう料理の品々に舌鼓を打ったのであります。しかもビールだけでなく,地元の名酒も堪能いたしました。恐らくこの名店ならば旅行参加者も満足してくれるであろう・・・。しこたま飲んだ三名の幹事はそのように自分に言い聞かせたのでありました(笑)。

 

 その後は,電車で長浜市の黒壁スクエアに移動しました。この場所が当日の旅行の最終的な寄り先になるのです。なかなかに風情があり,ガラス工芸品の名店などが軒を連ねておりました。この黒壁スクエアの中にはフィギュアなどが無数に販売されている店もありましたので,立ち寄って見ておりましたら,「くまモン」の可愛らしいフィギュアがございました。衝動買いしたのは勿論です(笑)。

 

 ただ,この「くまモン」の足の裏を見てみますと,あろうことか「MADE IN CHINA」と書いてあるではありませんか!国民的英雄である「くまモン」くらいは日本製であって欲しかった(笑)。偽物が氾濫し,知的財産権をこれっぽっちも保護するつもりもない中国で作られたとは・・・。画竜点睛を欠くとはこのことです。

 

 でもね,「くまモン」は「くまモン」です。可愛い。このブログをアップしている今でも事務所の机上にはこの「くまモン」が飾られており,仕事に疲れた私を優しく癒やしてくれています。

2016/03/03

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 いや,本当に難儀でござった。この難儀さは誠に骨身にしみたでござる。

 

 その執行がなされたのは昨日(3月2日)。さる大病院の歯科口腔外科でした。その「執行」というのは,私の大きな親知らずの抜去術・・・(笑)。

 

 その執行日が近づくにつれ,だんだん憂鬱になっていきました。私の行きつけの歯医者さんが紹介状を書いてくれたほどの先生(歯科医師)ですから,腕前は折り紙付きですが,歯科治療を受ける身としてはそれはそれは嫌なものです。

 

 いわゆるインフォームド・コンセントの一環ですから仕方がないとしても,その先生からはリスク面で色々と不安なことも告知されました。それまではたかが親知らずだと思っていたのですが,親知らずを抜去するということは結構大変なことなのですね。

 

 憂鬱でしたが,敵前逃亡する訳にもいかず,私は特に指示された訳ではありませんが昼食を抜き,午後2時に歯科口腔外科の外来を訪れました。診療椅子を「じゃ,倒しますよ。」と言われて,あとはまな板の鯉です(笑)。歯科医師の先生から,「先生(これは私のことです。),今日はもうお仕事の予定は入っていませんよね。」と確認され,「ええ,今日はもう入れていません。」と答えたら,「じゃあ,何があっても大丈夫ですね。」(笑)と脅されてしまい,私は思わず「命だけは取らないでください。」と念を押しておきました。ユーモアに富んだ先生ではありますが,親知らずの抜去とはいえ,一世一代の手術を受けるのですから,もう少し物の言い方というものがあるような・・・(笑)。

 

 私を待ち受けていた試練は,親知らずの抜去だけではなく,まずはその前にむし歯部分の歯の神経の抜髄治療が待ち構えておりました。勿論麻酔はしていただけましたが,親知らずの前にとんだ困難が待ち構えていたのです(笑)。親知らずの抜去だけでも相当の覚悟で来たのに,その前にあの嫌な神経の抜髄治療が待ち構えていたとは・・・。そういえば,紹介状の中に,可能であれば親知らずを抜くだけでなく,神経の抜髄治療の依頼もあったような。

 

 恐らくは,泣きそうな顔をしていたと思いますし,冬だというのに痛みに対する恐怖と緊張で汗ばんでおりました(笑)。長いこと生きていると,いろいろな辛いこともあります(爆笑)。ストレスの極致・・・。どうでしょうか,これで20~30分を要したでしょうか。

 

 さてその後に待ち構えていたのは,メインイベントの親知らずの抜去術でした。その親知らずは,素人がレントゲン写真を見ても分かるように,割と大きく,しかも横になっていました。先生からは,事前にこの親知らず抜去は割と難儀すると告知されていました。「難儀する」・・・。歯科医師が難儀すると言う事は,恐らく論理必然的に患者も難儀するということか・・・(笑)。もうその後のことはこのブログで再現,表現するのも憚られることですので,割愛します。ただ一つ言っておきますと,電動のこぎりみたいな器具で親知らずを切断していたようです。口の中が何やら焦げ臭いような感じがいたしておりました(笑)。いやー,長いこと生きているといろんなことがあります。

 

 結局,前座の歯の神経の抜髄治療を含め,1時間10分にわたる辛い,それはとても辛い体験でした。幸いに私の場合は,血の止まり具合は良好でしたし,痛みはありましたが昨晩は割と熟睡できました(痛み止めを飲んでいたせいもありますが)。

 

 多忙の私は,親知らずを抜いた翌日である今日も,3つほどの仕事(いずれも裁判所へ)がありましたが,何とかこれをこなして,ようやくこのブログを更新しております。

 

 いや,本当に難儀でござった。歯科医師からは,酒は控えるように言われましたが,それはあくまでも抜去した当日のことだと「善解」し,今日はカミさんが作った美味しいポテトサラダをつまみに,試しに飲んでみます(笑)。

2016/03/01

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 最近は本当にテレビというものを見なくなりました。シーズンが始まったら我が栄光の読売巨人軍の試合中継は観ると思うのですが,その他はねえ・・・。見たいという番組が見当たらないのですよ。先日,たまたまNHKで「音楽白熱教室 第1回 神と王に仕える音楽~バッハ~」という番組を見つけて観ましたが,これは大変良かった。こういう観たい番組というのは最近ではとても少なく,特に民放などくだらない企画ばかりです。

 

 特に私が嫌いなのは,いわゆるひな壇芸人などによるトーク番組です。楽屋裏や内輪の話で自分達が大声で盛り上がっているだけで,こんな番組はたとえお金をもらっても全く観る気はしません(笑)。

 

 ただ,何となくいいなと思って割とよく観ている番組が2つありまして,1つ目はNHKで毎週土曜日の午後7時30分から放送されている「ブラタモリ」,2つ目は,テレビ東京で毎週日曜日の午後6時30分から放送されている「モヤモヤさまぁ~ず2」です。これらはいずれも町中をブラブラ歩いて回り,史跡,珍しい店などを紹介し,地域の人たちとの微笑ましい交流もあります。特に前者は学問的にも為になる内容でもありますし(歴史や文化),タモリと一緒に町中を歩き回っているNHKアナウンサーの桑子真帆さんもなかなか良い。とびきりという訳ではないけど割と美人で,控え目で上品,決して出しゃばらず,声の質も抑制が利いていて耳に心地よいのです。ワーとかキャーとか甲高い声でしゃべりまくる女子アナとは全然違います。

 

 何で私はこの2つの番組を割と良く観るのでしょうか。他に観るべきものがないという消去法的な面もありますが(笑),この2つの番組に共通しているのは出演者の肩の力が抜けており,適当な脱力感もあり,視聴者としても気楽に見ることができ,不愉快な要素が少ないというのが共通している点でしょうね。

 

 さて先日,自宅の居間のテーブルに「タモリ学」(戸部田誠著,イースト・プレス)という本が何気なく置かれていました。どうやら娘が知人から読むのを薦められて借りてきたようです(笑)。

 

 その本を斜め読みしましたが,これが結構面白い。タモリの物の考え方,感じ方が手に取るように分かるのです。やはりタモリは肩の力が抜けています。テレビで目にし,視聴者(少なくとも私)が感じるとおりです。

 

 タモリは「俺から言わせてもらえば、皆が力入れすぎなの。」と述べ,画面から飛び出さんばかりに大声を張り上げる芸人たちを見てもうるさく感じるだけだという趣旨のことも述べています(笑)。そして「感情を入れれば入れるほど客は引く」とも・・・。さらには「俺、熱い人ダメなんだよ、熱く語る人いるじゃん。『やんなきゃ!』『やっていかなきゃ人間はダメなんです!』って。そういう人いるとすごい俺テンション下がるの」とも言っています(同著204頁~206頁)。

 

 そしてタモリが常々言っていることは,「やる気のある奴は、去れ」だそうです(爆笑)。

2016/02/23

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  ほんとうに,もう大変ですわ。忙しくて忙しくて・・・・・。大好きなブログの更新もできません。これは一過性のものだろうとは思うのですが,こんなに忙しい期間は最近にありません。書面作成やら,何やら,次から次にやらなければならない宿題が出て来るのです。

 

 疲れて少し集中力と注意力が散漫になっているのか,先日書き上げた刑事事件の控訴趣意書の事件名を間違えてしまいました。本来ならば,「道路交通法違反被告事件」としなければならないところ,「泥交通法違反被告事件」と変換ミスのまま裁判所に提出してしまったのです。「泥」ですよ「泥」・・・(笑)。

 

 3月上旬になれば少しは落ちつけると思います。でも今度は,懸案の親知らずを抜くことになりました。執行日は3月2日(水)です。担当の歯科医師からの説明を聞いていて,私も少し不安になりました。というのは,親知らずを抜いた後の状況というのは,多分に個人差はあるでしょうが,痛かったり体調を崩したりで寝込んでしまう人もいるそうです。不安がありますが,この親知らずを抜いた後,体調に問題が無ければ,いよいよ私にも春が訪れるという訳です(笑)。

 

 それにしても,こんなに忙しいと精神的にも余裕がなくなり,最近では大好きなバッハの音楽も耳にしていません。落ち着いたら「フーガの技法」でも聴こうかしら・・・。

 

 それでもね,私はここ数年,風邪などで寝込んだことなどはないのです。熱が出たこともありません。疲れは確かにありますが,割と体は元気なのです。前にも言いましたが,私は毎朝納豆を食しております。確信までには至りませんが,この納豆という食品が私の体内環境を少なからず良くしているのだと思っています。そして,タイ古式マッサージなどの施術でリンパや血流を良くしております。それだから最近の超多忙の状況に対しても,心身共に何とか対応できているのではないかと思います。

2016/01/20

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  いやー,随分とブログの更新ができないでおりました。こんなに更新間隔が空いたのは,このホームページ開闢以来ではないでしょうか(笑)。「あいつは生きているのか」と噂されるほどに・・・(笑)

 

 どっこい,ここにこうやってちゃんと生きております。新しい年が明けてからというもの,仕事に忙殺され,なかなかブログの更新ができないでいたのです。

 

 さて,一夜明けて窓外を見ましたら,そこは一面の銀世界。名古屋に雪が降ることはそんなにありませんから,小学生達は大喜び。通勤途中,小学校の校庭が賑やかだったので見やりますと,もう全校生徒といってもいいような人数の小学生が,「わー」とか「きゃー」とか叫びながら,夢中になって雪合戦をしておりました。若いっていいなあ(笑)。

 

 私だってもっと若ければいくら仕事で疲れていてもブログの更新くらいはできたでしょうに,逆にギックリ腰にもなる始末・・・。寄る年波には勝てません。私がギックリ腰に見舞われるのは数年に一度ですが,どうやらギックリ腰になる時というのは,相当に疲れている時です。経験上そのように思います。

 

 年はとりたくないのですが,あの自民党の青嵐会の暴れん坊だった石原慎太郎さんも,先日の産経新聞の新春インタビューで次のようなことを述べておられました。

 

「年をとるってのは嫌ですね、人間が朽ちていくのは。この間、古賀政男の追悼番組で、島倉千代子の『思い出さん今日は』を歌ってました。いい歌なんです。『だれかのマネして小石を投げた。ポチャンとさみしい音がした。雨の小川にゆれている、思い出さんこんにちは。つまんないのよ何もかも、あの日は遠い夢だもの』まさにその心境ですよ」

 

 青嵐会の暴れん坊にしてこうなのです。そういえば私も最近,昔のことをよく思い出すようになりました(笑)。ただ,そうはいっても,ギックリ腰なんかは普通にしていて2日ほどでコロッと治りましたからね。私だってまだまだ老け込む年ではありませんし,まだ元気です。そう思いたい・・・(笑)

 

 「だまつて今日の草履穿く」

 

 これは種田山頭火の句です。いつの季節にこの句が生まれたのかは知りませんが,これは前日,何とかその日のもらいを確保して木賃宿でゆっくり体を休めた翌朝,黙々と行乞の旅支度をしている心境を表しています。行乞する者にとってはこの瞬間は辛いときでしょうね。特に真夏や真冬の厳しい季節には。

 

 「鉄鉢の中へも霰」

 

 山頭火だって,生死を見つめながら,そして苦悩と安らぎを感じつつ,真冬にも行乞の旅を続けたのですから,私も頑張らなければと思います。

2016/01/05

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 みなさま,新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 月並みなご挨拶で本年も幕を開けましたが,この拙ブログと当法律事務所,本年もご愛顧いただきますよう,重ねてお願い申し上げます。

 

 さて,年末の予告どおり,私はカミさんと娘の3人(くどいようですが合計3人という意味です。私には娘は1人しかおりません。),長野の山奥の温泉旅館で年末年始を過ごさせていただきました。大晦日の夜と元旦の夜の2泊3日の行程です。

 

 なかなかに良かったと思います。老舗の旅館で,建物は相当に古くはありましたが,宮家がご視察になったり,島崎藤村や徳富蘇峰などの多くの文人・墨客も宿泊した由緒ある宿でした。私たちが泊まった部屋には,何と,昭和36年に美智子妃殿下(今の皇后陛下)がご使用になった三面鏡と椅子が置いてありました。恐れながら,私も使用させていただきました(笑)。

 

 温泉を楽しむこと,読書すること,雪中散策をすることを目的としていましたが,雪は全然降っておりませんで,地元の人たちも本当に珍しいことだと驚いておられました。でも,部屋の窓からは何と,木曽川の清流を見ることができましたし,河原まで下りてみますと,それはそれは綺麗な水の流れでした。これがあの木曽川という大河の中流かと思うと,何か不思議な気分になりました。

 

 近くには木曾義仲の墓がありましたし,興禅寺という立派なお寺がありました。そしてその敷地内には,このブログでもたびたび登場する漂泊の自由律の俳人種田山頭火の次のような句碑もあったのです。

 

 「たまたま詣でて 木曽は花まつり」

 

 山頭火は心から尊敬していた井上井月が活躍した伊那谷を訪ねていますが,そのついでにこの温泉宿付近にも訪れ,その際に残した句なのでしょうか(昭和14年)。

 

 あとは,権現滝という滝があったのですが,断念しました。最初は絶対に観るぞと思っていたのですが,登り口に「熊出没!ご注意ください!」という立て看板があったので,すごすごと引き返しました。いくらご注意くださいと言ったって,熊が眼前に現れてからでは「ご注意」のしようがありませんから(笑)。

 

 いやあ,温泉につかるなど,本当にゆっくりと過ごした年末年始でした。ありがたいことです。人間,何か旅行の予定があると仕事にも頑張れる気がします。次の旅行を目指し,今年も仕事に精を出したいと存じます。

2015/12/30

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 年の瀬も押し迫った昨日,あるノンフクション本を読み終え,大変に感動いたしました。「日本、遙かなり」(門田隆将著,PHP研究所)という新刊本です。産経新聞の書評を読んですぐに買い求めたのですが,読んでいて思わず泣けてくる箇所もありました。

 

 「エルトゥールルの『奇跡』と邦人救出の『迷走』」という副題が付けられているように,この本は2部構成になっておりまして,第1部は1890年にあったトルコの艦船エルトゥールル号の遭難に際して,紀伊大島や紀伊半島沿岸の漁民達が必死かつ献身的な救援活動,介護を行い,69名のトルコ人船員の命を取りとめ,日本の軍艦2隻に乗船させて当時のオスマントルコ帝国に送り届けてあげた史実を扱っています。

 

 そして第2部は,イラン・イラク戦争でのテヘラン脱出(1985年),湾岸戦争の「人間の盾」(1990年),イエメン内戦からの脱出(1994年),リビア動乱からの脱出(2011年)という4つの大きな「邦人救出」の問題を扱い,残念ながら日本という国が他の先進主要国とは全く異なり,有事の際には海外で活動している邦人の救出には全く無力で,政府専用機すら投ずることなく,他国の温情に依存せざるを得なかった情けない実情をえぐり出しています。

 

 前後しますが,エルトゥールル号遭難時の日本人の救援活動のことは,今でもトルコ共和国の小学校5年生の教科書に紹介されています。このエルトゥールル号遭難事件の後,日露戦争での日本の勝利(長年トルコはロシアの横暴に悩まされ続けてきました),それらはトルコの人々に日本への尊敬と感謝の気持ちを長く抱かせる大きな契機となりました。間違いなくトルコは親日国のひとつです。

 

 この本を読んでいていくつか泣けてくる箇所があるのですが,イラン・イラク戦争でのテヘラン脱出(1985年)の際,時のトルコ政府は,危険を顧みず,自国民に対するものと同等,いやそれ以上の配慮を日本人に示し,あの危険極まりない状況下でトルコ航空機をテヘランに派遣し,進退窮まった邦人を救出してくれたのです。その時の機長であったオルハン・スヨルジュの勇気と信義,そして彼の名前は現在,下関市にある「オルハン・スヨルジュ記念園」という形で残っています(下関市とイスタンブール市は姉妹都市)。そして何よりも,その時のキャビンアテンダントであったミュゲ・チェレビさんという女性のことが何よりも感動的でした。当時彼女は妊娠中でしたが,あの危険なミッションのことは夫にも告げず(言ってしまうと反対されるから),また会社(トルコ航空)にも妊娠中であることを敢えて告げず,邦人救出の専用機に搭乗したのです。その動機についての彼女の言葉は次のようなものでした。

 

「あの時、〝日本人を助けるために(戦下の)テヘランに行ってくれるか〟と、上司に聞かれたんです。私は、日本人を助けることができるチャンスだと思いました。私は、どうしても日本人を助けたかったんです。そして、大昔の恩を返したかったんです。日本人を助けにいけることを誇りに思いました。」

 

 泣けてきましたよ。大昔の恩というのは,あのエルトゥールル号遭難事件のことです。

 

 一方,第2部でえぐり出された問題点こそが,残念ながら日本という国が他の先進主要国とは全く異なり,有事の際には海外で活動している邦人の救出には全く無力で,政府専用機すら投ずることなく,他国の温情に依存せざるを得なかった情けない実情です。詳しくはこの本を読んでください(笑)。

 

 前にもこのブログで書いたことがありましたが,私が現在,ノンフクション作家で最も気に入っているのが関岡英之さんと門田隆将さんです。一度読んでみてください。この2人に共通していることが3点ほどあります。第1点目は,日本語が正確で美しく,読みやすいこと。第2点目は,取材力が旺盛で,かつ,その取材内容も確かなこと。第3点目は,何よりも愛国心が感じられることです。

 

 さて,本年も終わりに近づいております。明日からうちのカミさんと娘の3人で(全部で3人ということです。娘は1人しかおりません),長野県の山奥の温泉宿に行って参ります。大晦日と元旦,温泉に浸かりながら,そして読書や雪中散策しながら,骨休めをしたいと思います。

 

 みなさん,今年一年,大変にありがとうございました。多くの読者のためにも(笑),このブログは続けてまいります。来年もどうぞよろしくお願いいたします。みなさん,良いお年を!

2015/12/26

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  もうすぐ今年も終わりですね。年の瀬を迎えてはおりますが,今,私は大変辛い歯科治療を受けております。元はと言えば,全ては私が悪いんですが・・・。自業自得というやつです(苦笑)。

 

 思い起こせば,今から約2年前,右上の奥歯のかぶせ物が取れてしまいました。すぐに歯医者さんへ行けば良かったのですが,食事の時に左側で噛めますし,もともと歯科治療に漠然とした恐怖感があり(キーンと歯を削られるあの嫌な感じ),億劫にもなっておりました。そうこうしているうちに,取れてしまったそのかぶせ物もいつの間にか紛失してしまい,いつもの歯医者さんに会わせる顔もなくなり,そのまま何と2年もの間,左側ばかりで噛んでいました。

 

 そうしたらその左側の下の奥歯の部分が痛みだしたのです。そりゃそうですよね。左側ばかりで噛んでいたら,左側の奥歯も疲弊してしまいますよね(笑)。そんな訳で,右でも左でも噛むのに不自由となり,進退窮まり,織田信長みたく「是非に及ばず」という感じで,あの右上の奥歯のかぶせ物が取れて約2年後にようやくいつもの歯医者さんを訪れたのです。

 

 視診とレントゲン検査の結果,左側の下の奥歯の痛みの原因は,むし歯であることが分かりました。とても非情な宣告でした(笑)。子供の時,そして最高裁判所勤務の時に味わった,あの恐怖のむし歯の治療(神経処置など)を受けなければならないのです。

 

 年内にこれまで3回歯医者さんに通い,現在は右上の奥歯のかぶせ物は新しいものを作ってもらい,食事の時に右側で噛めるようになりました。約2年ぶりに右側で噛む感触,幸せを味わいました(笑)。問題は,これと並行して行って来た恐怖のむし歯治療(神経処置)です。私はその歯医者さんを全面的に信頼しており,平成7年の初診以来,歯医者で「浮気」をしたことはありません。それに現在では麻酔もしてくれます。でも,歯の神経処置を受ける際には,恐怖のあまり体が硬直してしまいます。そうです,私は痛みというものに弱いのです(笑)。「ああ,今日は歯の神経処置だ。」などと思うと,朝から憂鬱で,まるで断頭台に引きずられていくような気分なのです。ですから,仕事を終えて夕方歯医者に向かうときには,自ら気合いを入れるためベルリオーズの幻想交響曲の第4楽章(断頭台への行進)の有名なさわりのテーマを口ずさみながら歩くのです。

 

 ああ,この一連の歯の治療も越年となりました。新年早々の第4回目の治療では終わりそうもなく,全部で5,6回の治療で全て終了ということになるでしょう。やはり,これも元はと言えば,全て私が悪いのです。2年もの長い間,片方(左側)だけでかみ続ければ,その部分がダメージを受けてしまうのは当たり前ですし,何しろバランスが悪く,体のその他の部分にも悪影響があるはずなのです。それを2年間も続けるとは・・・。

 

 でも,一連のこの治療が終われば,約2年ぶりに両側の歯で咀嚼,噛むことのできる幸せを感じることができます。あと少しの辛抱。

2015/12/22

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 ヒロシは舌好調,いや絶好調です。そう,数日前に購入したヒロシの日めくり「まいにち、ネガティブ」のことです(笑)。

 

 例えば,昨日は21日でしたが,21日の「お言葉」もなかなかに面白いのです。この日めくりの21日のタイトルは「いつも土台」となっています。ちょっと紹介してみましょうか。

 

「騎馬戦では、いつも騎馬役でした。花形の騎手役に憧れていましたが、一度もやらせてもらったことがありません。『僕は、一生土台なんだ・・・・・』と気づいたのは、中2の夏のこと。でも、土台の人は落ちることはありません。社長、セレブ、売れている芸人・・・・うらやましく思う頂点の人たちよりも、穏やかな人生が送れることも確かです。」

 

 うーん,なかなかに面白い。一面の真理を突いておりますね(笑)。さあ,みなさんも肩の力を抜いて!できるだけ穏やかな人生を送りましょう(笑)。土台だって良いではありませんか。あんまり頑張り過ぎると,疲弊してしまいますよ(笑)。本日は多少二日酔い気味でもあり,ブログの行数も少なめです。

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