娘のあかねちゃんと一緒にテレビを見ていても,出てくるタレントさんなどに関する評価は,父と娘とでそれほど大差はない。おおむね好みというものが似通っているのである。無理なくそのように言うことができる。
しかし,娘のあかねちゃんと一緒にいる時,ある人物の評価をめぐってテレビの前で忌憚なく意見を言い合って,気まずくなったこともある。普段は好みが似ているからそんなことはないのだが,わりと先鋭な形で意見が相違することがごくたまにあると,これまた新鮮な感覚というか,父と娘の間に一瞬の緊張が走るときがあるのである。お互いに気まずさを矛に納めながらその場をやり過ごすのである。過去にそういうことがあった事例を3つほど挙げてみたい。
第1は,江頭2:50である。僕は嫌いという訳ではないが,積極的に評価することはとうていできない。僕が否定的な評価をすると,あかねちゃんは気色ばむ。あかねちゃんは,どうやら好きのようである(笑)。こればかりは自分の娘ながら理解に苦しむ。「結構いい人なんだよ。」などと旧知の仲のような物言いをするし,「えがちゃん」などと気易く呼んだりするのである。先日などは,あかねちゃんは友人に誘われたとはいえ,名古屋のある大学祭に招かれた江頭2:50を実際に見に行ったりもした。娘の将来がとても不安である(爆笑)。しかしながら,「じゃ,えがちゃんは,何で『にじごじゅっぷん』ていうの?」と尋ねると,彼女は知らないらしい。まあ,大したファンでもなさそうだ。
第2は,女優の宮崎あおいである。僕はこの女優はあまり好きではない。でも,そういうことを言うと,あかねちゃんは再び気色ばむ。宮崎あおいがNHK大河ドラマ「篤姫」に出ていた時に,父と娘とが実際に気まずくなったことがあった(笑)。あかねちゃんは,かつて,好きな歌手である中島美嘉と宮崎あおいとがダブル主演した映画「NANA-ナナ-」を見てから好きになったようである。
第3は,AKB48である。あかねちゃんは,今どきの若い子たちと同じように,AKB48がそこそこ好きで興味もあるようである。これにはSKE48,SDN48,NMB48などといった姉妹プロジェクトがあるとのこと。僕はどうも・・・(苦笑)。好きにはなれない。素晴らしい日本の歴史と伝統を守り,世界中から尊敬されるべき堂々たる日本を作っていくべき若い人たち(特に男子)が,こういうユニットに熱狂しているような現象は,僕としては決して喜べないのである。
このように,テレビの前では父と娘の間に一瞬の緊張が走るときがあるのだが,次に両者の間で争点になりそうな予感がするのは,マツコ・デラックスである(笑)。
私は名古屋市の生まれなのだが,4,5歳の頃,熊本県の田舎の村でスクスク,伸び伸びとした生活を送っていたことがある。母方のおじいさんやおばあさん,おばさんやおじさん,近所の子どもたちと仲良く暮らしたり,遊んだりしていたのである。その日の朝の産みたての卵で卵かけごはんをしたり,大自然の中で走り回ったり,川で泳いだり,川エビやメダカをとったり,地元の伝統ある祭りに参加したりしていた。
最近では仕事が忙しくて土日も事務所に出てくることが多くなったが,そういった仕事の合間にボーッとしていた時,ふっと幼少の頃の遊びを思い出した。そのうちの一つが,「あぶり出し」というやつだ。和紙のような白い紙に,絞った蜜柑の汁で絵などを描き,それを火鉢の火であぶると描いた絵が黄色っぽく浮かび上がるのである。これが「あぶり出し」という遊びである。幼いときにこれをやった思い出があり,どういう訳か疲れた頭にふっと思い浮かんだのである。なぜ思い浮かんだのか理由は全くわからない。
最近の政治の話に話題を転じて,幼い頃の懐かしい思い出をぶっこわすようで嫌なのだが,民主党政権にはほとほと愛想が尽きた。愛想が尽きたといっても,私は民主党などには1票たりとも入れてはいない。しかし・・・,民主党のデタラメさは昔からわかっていたつもりだが,これほどまでとは・・・。さすがに有権者もこのことに気づき始めていると思うので,次の総選挙ではまさか308議席も民主党には与えまい(笑)。国家観も戦略もない民主党政権は,沖縄の米軍普天間飛行場移設問題も先送りを続けて同盟の相手方をほとほと困らせ,アメリカ合衆国大統領が横浜で開かれるAPECの首脳会議のために来日するというのに,期待されていた日米共同宣言も見送られる始末である。このような状況に内心ほくそ笑んでいるのは当然かの国である。
でもね,いつかは次の総選挙が来るんですよ(笑)。この日本は外交も,安全保障も,経済もいわば国難ともいうべき悲惨な状況に置かれているにもかかわらず,菅直人をはじめ,民主党の面々は脳天気なままである。それにしてもこの1年数か月の間,いわば消極的な意味での収穫は確かにあった。民主党なる政党を構成する面々にどんな人たちがいるのかがあぶり出されて良かったと思うのです(笑)。とにかく脳天気で恥ずかしさというものを知らない鳩山由紀夫,傲岸不遜で不敬,日本版の人民解放軍野戦司令官の小沢一郎,無為無策で無能,ただ少しでも長く総理大臣でいたいだけの市民運動家菅直人,これまた傲岸不遜で確信的反日左翼の仙谷由人,戦後日本の教育を歪め続けてきた日教組の支持を受け,これまた傲岸不遜な輿石東,およそ日本人のメンタリティーからすればその言動に違和感を感ずる紅衛兵のような村田蓮舫,日の丸にバツ印をつけたプラカードの前で反日デモに参加し,臆面もなく反日のシュプレッヒコールをする岡崎トミ子,などなど,こういった面々があぶり出しのようにあぶり出された訳です。収穫といえば収穫です。とにかく,こういった面々から我が愛すべき日本を守らなければなりません。
昨日は東京出張であった。僕の東京出張ネタはいつも同じだなと思われるだろうけど,昨日の出来事について書いてみたい。
午前8時10分発の新幹線のぞみで東京へ。10時少し前に東京駅に着いた後は,東京地方裁判所へ向かうために,地下鉄丸の内線で霞ヶ関へ向かおうとしたところ,乗り換え口で外に出られないことに気付いた。新幹線の改札口でチケットを取り忘れていたのだ。外に出してもらおうと,僕は若い駅員さんに事情を話した。少し嫌みな対応ではあったが,何とか外に出してもらえた。
東京地方裁判所での用事は,最終的には午前11時40分ころに終了。その他には東京での用事はない。お昼少し前に解放されるという理想的な時間運びだったため,僕は迷わず当然のように,旭川ラーメン「番外地」に直行し,これまた当然のように塩バターコーンラーメンを注文した。相変わらず美味しい。食べながらつくづく思ったのは,「何とか生きていれば,こういうご褒美があるんだなー。」ということだった。混み合っている店だから当然に「ご相席」となるが,常連客と思しき人ばかりで,どの人も本当に美味しそうに食べている。昔は「へぃ,いらっしゃい,何にしましょう。」との決まり文句で注文を聞いていた特徴のある声のお兄さんは,もう接客はしていないようであったが,厨房の奥からはその懐かしい声が聞こえてきたので,彼はいよいよラーメン作りを任されるまでになったのであろう。
その後は,迷いに迷ったが,結局は魔が差して「鈴本演芸場」の方へ足が向いてしまった。三遊亭歌武蔵という落語家の名前は初めて聞いたが,どうやら昔は相撲取りだったらしく,元横綱武蔵丸の兄弟子だったということである。顔は大リーガーの松井秀喜に似ており,体重は128キログラムで,珍しいことに現役時代より太ったらしい。でも話は非常に面白い。腹を抱えて笑ってしまった。この人は古典落語というより,相撲ネタなどを中心に現代ネタで勝負していくのだろうが,話術が巧みで人を笑わせる才能が豊かであると思った。僕の近くにいたご婦人(かなりの美人)も,思わず声を上げて笑っておられ,美人というのはその笑い声まで美しいなと妙に感心した。漫才のすず風にゃん子・金魚もおもしろかった。彼女らの芸を見るのはこれで2回目であり,金魚の方のゴリラの真似などは,もう完全に女というものを捨てているかのようであるし,名人芸とも呼べるものである。落語の林家しん平の時は,のどが渇いてきたこともあるし,お茶を飲みながら外のイスに腰掛けて聞いていた。彼の甲高い声や語り口は少しばかり苦手である。いずれにしても,最近笑ってないな,笑いたいなと思ったら,たまには落語などもいい。
帰りの新幹線の車中では,いつものとおり崎陽軒のシウマイ弁当とエビスビールであった。返す返すも残念だったのは,3つくらい離れた座席に座っていた外国人の母子が非常にうるさかったことである。もっと近い席にいた人は閉口していたであろう。心中察するに余る。自分の子供に公衆マナーの躾ができていないばかりか,母親自身がうるさかった。この母親も子供の時に躾けられていないのであろう。
仕事を終えて早く帰宅できる日は(実際にはやらなければいけないことはいっぱいある),夕食の準備ができるまでの夕方のひととき,ボーッとテレビを見ていることが多い。平日のその時間帯は,テレビ東京系列で「ピラメキーノ」という主に小学生向けと思われる番組がやっていて,これが結構面白い。「ピラメキーノ」にはいろいろなコーナーがあり,好きなものとそれほどでもないものがあるが,一日の仕事で疲れた頭を休ませるにはいい。
昨日,「ピラメキーノ」のチャンネルに合わせたら,いきなり「キャラ-1 GP(グランプリ)」がやっていて,この日はピラメキパンダ対ガリ子ちゃん(ガリガリ君の妹)の対決だった。この試合は,ガリ子ちゃんにとっては兄のガリガリ君の敵討ちということだったらしい。ガリ子ちゃんはやる気満々で,いきなりくるっと回って空手チョップを見舞った。序盤はガリ子ちゃんが優勢で,ディフェンディングチャンピオンのピラメキパンダもたじたじであった。ガリ子ちゃんはさすがに兄のガリガリ君の10倍は強いというウワサどおりである。しかしながら,さすがはピラメキパンダ,ギロチンドロップをガリ子ちゃんに炸裂させ,ガリ子ちゃんはあえなく敗退したのである。途中でガリガリ君が加勢して反則したが,これも奏功しなかった。相当に見応えのある一戦だった。
このピラメキーノには「恋する女子&モテたい男子 必見!明日のピラメキーノ占い」というコーナーがある。僕としてはこの時の若干凄みのある女性のナレーションが好きである。これはこの番組に出てくるサキ姉というキャラの声である。占いで残念ながら最下位(第12位)になってしまった星座の男子と女子にはそれぞれラッキーアイテムが示されるが,この時のサキ姉の「○○○を食べなさいっ!」,「△△△△をしなさいっ!」という命令口調がたまらない(笑)。
この番組で一日の疲れが取れるという訳にはとうていいかないが,そこそこ面白い番組ではある。
僕もとうとう産経新聞の購読者になってしまいました。じゃ,これまで購読していた栄光の巨人軍の読売新聞はどうするのかというと,これも購読を続けたいと存じます。産経新聞は,前から感じていたことだけど,非常に良い仕事をしてきたと思っていますし,今も良い仕事を続けていると思います。唯一と言ったら言い過ぎになるかもしれないけど,まともなメディアです。社会の木鐸です。政治一般,外交,安全保障,経済などに関する記事はとても参考になるし,有権者が是非とも知っておかなければならないものが多いと思います。
でも,読売新聞も捨てがたいのは,産経新聞の中で読みたい記事以外の分野のフォローをしてくれるからです。それにジャイアンツが大好きだし・・・。
繰り返しますが,僕もついに産経新聞購読者になってしまいました!何やら誇らしい気持ちで一杯であります。そういう気持ちで一杯だから,今日は一杯飲もう(笑)。
18日から20日までの3連休は,遊びほうけて下手なゴルフを2ラウンドもしてしまいました。18日は四日市のグレイスヒルズカントリー倶楽部,20日は知多半島の南愛知カントリークラブ美浜コースでプレイしたのです。南愛知カントリークラブ美浜コースでは,つい前日まで女子プロゴルフのマンシングウェアレディース東海クラシックが開催されており,前日のピンの位置のままだったし,ティーインググラウンドの位置も同じで,ラフもとても深かったです。だからといって,スコアが100を超えてしまっていいことにはなりませんが・・・(笑)。でも,20日のラウンドはアウト8番のパー4で見事にバーディーを取ったのであります。僕の天才性の片鱗が見えた瞬間ではありました。これに喜び過ぎた9番では,オナーになったにもかかわらずドライバーでチョロをし,100ヤードくらいしか飛びませんでした。・・・まぁ,これに懲りずに,次,頑張りますわ。
それにしても,いいなぁ,産経新聞!(笑)
昨日のお昼は無性にラーメンが食べたくなったのでありました。35度を超えるような暑さの日にはそんな気は起こらないけど,昨日は雨模様で割と涼しかったので,どういう訳かラーメンが恋しくなったのです。
以前このブログでもご紹介したラーメン屋に行きました。午前11時30分ころに行くと,客である僕1人と男の店員さん2人となり,数的優位を作られてしまうあのお店です。このお店の味噌ラーメンは野菜の食感が良く,スープもマイルドで美味しいので,この日も味噌ラーメンを食べようと思いました。
しかしながら,このお店は僕の過去数回の経験から,どうやらチャーシューのトッピングをしない限りはチャーシューを1枚も乗せてくれないのです。チャーシューのトッピングをすると300円。味噌ラーメンそのものが900円ですから,合計1200円になります。まあ,たまにはいいかと思って300円を上乗せしてチャーシューのトッピングをしました。ただ少し気になったのは,300円だからチャーシューが多すぎてもなーということです。
やって来ました,味噌ラーメンが。何と,チャーシューが4枚も乗っておりました。しかもどれもよく煮込まれた,柔らかくもこってりしたチャーシューでした。確かに美味しいチャーシューでしたが,その脂っこさは初老の身にはこたえました。実はこれなら1枚あれば十分でした(笑)。
ここはひとつどうでしょう,総額1000円でもいいからトッピングしなくてもチャーシューを1枚程度付けるか(要するに標準装備にする),あるいはトッピング方式でもいいから150円で2枚程度付けるかというシステムにしたら。貧乏性で昭和生まれの僕は,チャーシューを4枚出されたら,やっぱり残さずに食べてしまいます。数時間後には顔面が脂ぎってしまうことを覚悟しながら・・・。チャーシューが1枚も入っていなければ寂しいし,かといってさらに300円も出してまで脂っこいチャーシュー4枚も付けたくはない。帯に短したすきに長しであります。中庸,中道がいいのではないでしょうか。
「ヒットラー (舞台中央へ進み出て)そうです、政治は中道を行かなければなりません。-幕-」(三島由紀夫著,「わが友ヒットラー」新潮文庫より)
もう今から30年も前のことになるだろうか,ある音楽雑誌の中で,音楽評論家の宇野功芳さんの評論を読んだことがある。ブルックナーの交響曲に関する指揮者論だった。この当時の僕は指揮者といえば,ヴィルヘルム・フルトヴェングラーが大好きだった。でも,これは僕の記憶違いでなければであるが,この評論で宇野さんは,ブルックナーの交響曲を振らせたらハンス・クナッパーツブッシュの方がスケールがでかいのではないかというようなことを仰っていたと思う。
「ふーん」と思った僕は,ハンス・クナッパーツブッシュがミュンヘン・フィルハーモニーを指揮した交響曲第8番をレコードで実際に聴いてみた。確かに泰然自若として雄大なスケールの音楽だった。どちらの方がスケールがでかいのかは知らないけど,「なるほどな」と感心した記憶がある。
あれから約30年。僕は「正論」という月刊誌を読んでいるが,その10月号で偶然に宇野功芳さんの「戦争直前の世界地図」というタイトルの論稿を読んだ。素晴らしい内容であった。宇野さんは音楽評論だけでなく,立派な保守の論客でもあるなと思った。自分の祖母が疎開先に帰る途中で,米軍機の低空飛行による機銃掃射で亡くなったこと,戦前の世界地図では白人の植民地だらけだったこと,祖母の慰霊碑の前に立っても今は米軍を憎むよりもむしろ今の日本の現状を憂う気持ちの方が強いことなどに触れられ,元駐日フランス大使を務めた詩人のポール・クローデルの有名な言葉の引用がなされていた。そして宇野さんは,「(クローデルの言葉の引用の後で)日本人は世界でも有数の優れた人種だとぼくも思う。一日も早く誇りを取り戻せ。国を愛し、国旗を愛し、国歌を愛せ。自由主義と勝手主義を混同するな。父親は威厳を保て。一家団欒を大切にせよ。目上の人を敬い、老人をいたわるあの昔の日本が一日も早く復活しますように!」と論稿を結んでいる。宇野さんは健在だった。
それにしても,「正論」にはなかなか良いことが書いてある。特にこの10月号は保存版かもしれない。その内容のほとんどが参考になるし,その一方で「コラム『宮嶋の現場』」のうち,あるカンボジアの女性の思い出に関する記事にはジーンときた。
ポール・クローデルが日本についてどんな言葉を遺していたか,一度彼の名前を入力して検索してみてはどうでしょうか。
僕は月に1回のペースで病院に通い,薬を処方してもらったり,採血などの検査を受けたりしている。いわゆる経過観察というやつである。主治医の先生の担当の曜日が決まっているので,僕の場合はたいていは月に1回,月曜日に行っている。
今日も採血を受けた。今日僕の右腕に注射針を刺してくれた看護師さんは,いつも思うのだが採血が非常にうまい。ちょっとチクッとするだけで全然痛くないのである。採血の担当者がこの看護師さんだと分かっただけで安心する。この看護師さんは決して美人ではない(失礼ながら不美人という表現ができるかもしれない)。しかし,愛想もよく,何しろ採血の技術は抜群である。僕も今まで何度も採血を受けてきたが,すごく痛くて酷い目に遭ったこともあるが,彼女の技術は最高なのではないかと思う。やはりこの業界でも腕の違いが歴然としてある。
マッサージにしても同様である。行きつけのマッサージ店の中でも,担当者によっては腕の違いが確かにある。下手だなと思うのは,力任せであったり,ピンポイントで「鋭角的」で「先端的」な痛みを感じるようなものであったり,まだ経験が浅くて自信がないのかもしれないが,押した後の指先が微妙に揺れ,いかにも「自信がありません」というような感触を体に感じるようなタッチである。やはりこの分野でも腕の違いが歴然として存在する。
武士の切腹の際に,介錯というのがあるが,介錯人は腕の立つ武人でなければ切腹する方もかなわないであろう。新選組で勘定方をやっていた河合という隊士が金銭紛失の咎で切腹(斬首という説もある)することになった時,浅田次郎の「壬生義士伝」では,谷三十郎がその介錯に失敗し,斉藤一がとどめを刺して河合を楽にしてやったという場面がある。これも腕の違いである。新選組局長近藤勇も斬首となったが,この大役を仰せつかったのが岐阜揖斐の岡田家武術師範横倉喜三次であり,二王清綱という名刀を使い,見事に果たしたという。すご腕だったのだろう。
その日は午前10時から弁護士会で和解交渉をした。僕がある破産事件の破産管財人,交渉の相手方も弁護士である。どう転ぶか予断を許さない事件ではあるが,和解交渉の感触は良かった。今月末までの返事待ちである。
さて,時計を見ると午前11時少し過ぎ,手帳の予定を見ると午後4時20分から始まる刑事事件の公判までは珍しくフリーである。事務所に帰ってやらなければならない仕事はたくさんあったが,その日は何かしら精神的な余裕と,ここのところ土日も仕事でつぶれていたので,少しくらいは自分にご褒美をあげようという気持ちがあった。昼少し前から午後にかけて少しばかりサボったのである。
さて,まずは首と肩のコリがあったので60分コースのマッサージに行った。その担当の女性はマッサージがすごくうまくて,全身の血行がいかにもよくなった感じで体が楽になった。最近ではマッサージも60分くらいじっくりとやってもらわないと満足がいかなくなってしまった。この日のマッサージの終盤は,いわゆるヘッドスパのような頭部のマッサージであり,これがとてつもなく気持ちがよかった。頭部もコリがあるそうだ。このマッサージで頭皮の血行もよくして欲しいし,ついでに髪の毛もフサフサにして欲しい(笑)。この頭部マッサージの始めに,その担当の女性から「頭の方,さわらせていただいてもよろしいでしょうか?」と尋ねられた。もちろん僕は「ハイ」と答えたが,それと同時に,「僕がカツラでも付けていると思ったんだろうか」とひがみの気持ちが芽生えた。僕は確かに年齢のせいか最近では髪が薄くなったが,それでもカツラは付けてはおらず,ガチンコで勝負している。まぁ,その時は「頭を触られるのがイヤな人もいるだろうから,念のため尋ねたんだろう。一応,誰にも尋ねるんだろう。」と自分に言い聞かせた。
悦楽のマッサージを終えて,この日の僕へのご褒美はこれだけにとどまらなかった。さるデパートの上階にある中華料理店(四川料理)に入って一人でランチをしようと思い立ったのである。この店の麻婆豆腐がメチャクチャ辛くて大好きなのである。いつもはカミさんとあかねちゃんと僕の3人で訪れるのだが,今日は4人掛けの丸テーブルに僕1人で優雅にランチである。麻婆豆腐はメチャクチャ辛くて相変わらず美味しかった。本当はビールでもと思ったのだが,何しろ午後の遅くに刑事事件を控えているのでそれはやめた。ホンワカした良い雰囲気の一人ランチだったが,若干その雰囲気を壊す夫婦と思しき二人連れがあった。まずその夫と思しき人(40代後半くらい)は,30秒に1回くらいの割合で「シー,シー」と口を鳴らすのである。これは癖なのだろう。時間帯によっては10秒に1回くらいの高い頻度の時もある。「シー,シー,シー」と3連発の離れ業の時もある。下品である。仮に僕がその配偶者だったら,離婚をちらつかせてでも,この「シー,シー」を止めるように申し入れるだろう。一方,その奥さんと思しき人は,その旦那の「シー,シー」を一向に気に掛けない様子であったばかりか,大皿から料理を取り分ける時,「カン,カン」とすごく大きな音をたてるのである。これもいただけない。
まあ,くどいようだが僕が注文したいつもの麻婆豆腐がメチャクチャ辛くて相変わらず美味しかったのだけは救いであった。遅い一人ランチの後,事務所に戻ったら通販で注文したオフィスでリクライニングできるイスの調整ができていた。このイスは150度のリクライニングができ,オットマンに足を乗せると寝ているような状態になる。仕事に疲れた時などはこのイスを利用すると本当に楽である。いいイスを手に入れた。僕は今,有頂天である。
初老の身にとって,今年の夏ほど暑さがこたえた年もない。全国で熱中症でお亡くなりになった方が401人だって・・・。改めて考えてみると凄い数字である。この暑さはいつまで続くのか。僕が毎年秋の気配を感じるきっかけは,朝の出勤前に北側の部屋に行くと爽やかな涼しい風が入ってくるようになること,空の高い位置に鱗状の雲が並ぶこと,夜に帰宅する際に自宅周辺のくさむらから秋の虫の鳴き声が耳にはいるようになることなどである。でも今年はまだまだである・・・。
もう9月だというのに,まだエアコンのお世話になっている。エアコンなしでは寝られないのである。その一方で,夜中に体が冷えすぎて目が覚め,エアコンのスイッチを消す。そうするとまた暑さで目が覚めてスイッチオン。これでは体によくない。冷房の中に身を置きすぎると体温調節機能に狂いを生じ,自律神経のバランスを崩すのである。
今年の夏の暑さは異常なほどであるため,サンマの不漁ということだけでなく,酪農業にも影響が出ているそうである。乳牛が暑さで食欲がなくなり,搾乳量が10%ほど低下しているらしい。乳牛ちゃんにはなんとか頑張ってほしい。幸い僕は食い意地だけは張っており,食欲は落ちない。そういう意味ではしぶとさがある。先ほど述べたように夜中に暑さで目が覚めたりはするが,おかげさまで概してよく眠れている。要するに栄養と睡眠は無事なのであり,むしろこれが夏を乗り切るには一番重要なのだと思う。寝る前には「はやく民主党政権がつぶれてしまえー・・・」などとうそぶきながら,安らかに眠りに入れるのである。それと,週末などあまり人に会わない時はニンニクを料理に入れたりしている。これは結構いいと思う。
それと,ここはひとつ半身浴を復活させるとするか。何かにつけて低体温が良くないということは分かっており,半身浴とか,スロートレーニングとかをやるのだが,長続きしない性分である。半身浴は,入浴中に本が読めるし,汗をかいて代謝と血液循環がよくなりそうだし,体の毒が出て行きそうだし,割と楽なので,この辺りで半身浴を復活させることにいたします。今晩あたりからクナイプの岩塩入浴剤なども使って・・。
皆さん,最後まで気を確かにもって,今年の夏を乗り切りましょう。そうすれば,今年は少し短いかもしれないけど,大好きな秋を迎えることができます。
「秋(とき)は今 天(あめ)からころげる 民主党かな」(字余り)