最近はどういう訳か残業続きです。事務所内で午前様のことも少なくありません。この3連休の真ん中の日曜日などはやはり深夜まで仕事をしていました。侘びしい感じもします。確かに辛いことは辛いのですが,その一方で気晴らしにゴルフをやったり,気が置けない人たちと語らいながらお酒を飲んでいます。うまくストレスを発散する必要があるのです。今年も押し迫った12月21日(土)のゴルフは,今年2番目の好スコアでした。特にアイアンの切れが良く,キャディーさんもびっくりのショットもありました(6番アイアン)。思わずプロテストを受けようと思ったくらいです(笑)。それにしても気持ちよかった-。それに,誠にありがたくも,顧問先の社長さんから先日56度のクラブをプレゼントしてもらいました。従前はバンカーショットは当然のようにサンドウェッジで打っていたのですが,この56度のクラブもバンカーではなかなか使い勝手が良いことが分かりました。
さて,経済評論家の三橋貴明さんのメルマガを見ていましたら,なるほどなーという記事がありましたので,以下にご紹介します。本当にそのとおりだなと思いました。
日本経済は確かに長年の宿痾のようだったデフレの脱却に向かいつつあるようですが,三橋さんが講演などで各地を回った折りに,中小企業の社長さんたちと懇談すると「デフレマインド」に基づく深刻な問題が発生していると痛感されたそうです。確かにアベノミクスによって株価も上昇し,円安にはなったのですが,その円安で原材料や燃料などの輸入価格が上昇しています。さらに一部の業界では人手不足が顕在化し,人件費が上昇しています。結果的に中小企業はコスト増の圧力を受けている訳ですが,そのコスト上昇分を販売価格等に転嫁できていない。つまり,売上はあまり変わらない中で,費用(人件費等の経費)だけが上昇し,利益が圧迫される事態になっているのです。
生産コストが上昇した以上は販売価格等も上げなければならないはずですが,一部の業界を除いては「値上げ」に踏み切る企業は少なく,結局は,中小企業の多くは販売価格等を上げず,費用上昇分を自社で「吞みこんで」しまい,利益を減らして赤字化してしまいます。昨今の営業担当者の方々は,よくよく考えてみれば「値上げの交渉」をしたことが皆無のようで,お客さんに値上げをお願いしようにもそのやり方が分からないという人もいます。完全に「デフレマインド」に支配されてしまっているのです。デフレ経済に慣れきってしまっているのでしょうね。
とにかく財政規律を言うのであれば,名目GDPを増やして税収を増やさなければなりません。そして国民も企業もインフレ予想マインドにならなければなりません。
そのような中で来春消費税率をアップするというのですから,デフレ脱却の機運と実態がどうなってしまうのか不安もあります。景気の腰折れも心配です。先日,顧問先の社長さんと久しぶりに一献傾けました。建設業界の会社ですが,率直に言って消費税率直前の「駆け込み需要」の後の反動が「怖い」とおっしゃっていました。私の自宅周辺でも,最近やたら外部足場が組まれたり,養生ネットが掛けられたりして建築ラッシュです。それ自体は良いことですが,駆け込みではなくて継続的なインフレ予想マインドの定着と実体経済もその趨勢になることを祈っております。規制緩和だか何だか知りませんが,無軌道な弁護士大量増員で「価格破壊」も少なからずあり,弁護士費用の低額化など,最近では私自身のマインドも「デフレマインド」に支配されてもいます(笑)。
このたび中国は,無人月探査機を打ち上げ,月面への軟着陸に成功したようですね。約3か月間,月面での探査活動をするそうです。中国は,これを大々的に報道し,旧ソ連,アメリカに次ぐ三か国目の「偉業」として「どや顔」で宣伝しております。中国がこのような活動を行う理由については,何よりも国威高揚,示威の目的であり,また実際に資源探査の目的もあるということが指摘されています。でも,中国の国内の状態があれだけ酷いにもかかわらず,月面探査などといった活動は,どう見ても「偉業」なんかではなく「異形」なんですけどね。
これはひがみなんかで言っているのでは全くないのだけれども,国威高揚,示威という中国の目的にもかかわらず,私たちはそれだからといって中国という異形の国に尊敬の念を抱き,憧憬を覚えるでしょうか。今の中国共産党のあり様を見ていますと,警戒こそすれ,尊敬や憧憬を集めるような国とはとても思えません。次に生まれ変わる時,中国に生まれるなんて死んでも嫌ですから(笑)。
一言で言えば,この異形の国は優先順位というものを全く分かっていないということに尽きます。換言すれば,自国の民を幸せにできないような政権(中国共産党)には正統性はなく,中国という国自体も,月面探査や防空識別圏の設定なんかよりも,例の大気汚染,水質汚濁(重金属汚染等),貧富の格差,年間20万件を超える各地での暴動,そして最近のテロなどなど,国民を不幸せにしているこのような絶望的な状況の改善こそが喫緊の課題なのだということです。全く優先順位が違う。
中国の江蘇省南京市政府は12月4日,大気汚染物質PM2.5の濃度が最悪のレベルに達したとして,市内の全ての小中学校,幼稚園に対し,臨時休校・休園の通知を出しました。一般市民にも外出を控えるように呼びかけました。この日の夕方,PM2.5の濃度が12時間連続して300を超え,重度汚染の状態になったのを受け,南京市政府は初めて最高レベルの「赤色警報」を発令したのです。画像で見てもとても人の住むような所ではない状態であり,正に「暗黒大陸」です(ラルフ・タウンゼント)。そして12月に入ってからの大規模なスモッグは,31ある省・市・自治区のうち25に及び,100以上の都市で観測されています。一般市民にとっては,空気清浄機とマスクだけが頼みの綱で,杭州市など多くの都市ではマスクが売り切れ,各家庭では数台もの空気清浄機がフル回転しているということです。また,週末を利用して山や森に出かける「肺清浄ツアー」も人気だといいます(笑)。
でも本当は同じ人間としてこれは決して笑い事では済まされない事態でしょう。それに中国共産党の高官は,多くは「裸官」として既に家族や多額の資産を海外に移転させ,何かあればすぐに自分も高飛びできる手配をしているといいます(外国の国籍を取得済みの者も多い)。要するに彼ら自身も,中国という国に未来はないと悟っているのでしょう。
日本国籍を取得している石平さんは次のように述べております。
「現在の中国の農耕地は、化学肥料や農薬まみれです。そもそも農民からすれば、農地は一時的に国から借りているもので、自分のものではないのです。だから借りている間に、できるだけ生産量を増やそうということで、無制限で化学肥料や農薬を使う。そのために土地が劣化して、水も汚染されてしまう。役人も企業も民衆も、みんなが金儲けに奔走して、その結果、環境汚染が加速度的に進んでしまいました。中国が現在直面している問題は、もはや経済成長といったレベルではなくて、人間としてどうやって生きていくのかという問題になっています。」(「中国はもう終わっている」192頁,黄文雄・石平共著,徳間書店)
このたび軟着陸した中国の無人月面探査機の姿を見るにつけ,何か哀れな感じがいたします。繰り返しますが,そして余計なお世話かも知れませんが,月面探査なんかよりも自国の民を幸せにしたらどうか,少なくとも綺麗な空気と美味しい水を味わうことができるようにすべきでしょう。主席の習近平は「中国の夢」と称して膨張的で挑戦的でやたら勇ましいことばかり主張しておりますが,首相の李克強はそれよりも「人々がきれいな空気を吸い,安全な水を飲み,安全な食品を食べることが」重要だと述べております。外見も,言っていることも,少なくとも李克強の方が習近平よりも頭が良さそうです。
東国原英夫という人がこのたび日本維新の会に離党届を提出するとともに,議員辞職する考えを明らかにしましたね。世間では,また東京都知事選に出るのではないかとか,みんなの党を渡辺代表とケンカ別れして割って出た江田新党に合流するのではないかとか,いろいろと憶測を呼んでおります。ただね,私はこの人(東国原氏)のこれまでの言動を見ておりますと,定見がない,節操がない,浮薄だという印象で,「一体全体,この人は何がやりたいんだろう。」と思ってしまいます。この人の顔のことについては最後に触れることにします(笑)。
この人の離党届提出の理由については本人がいろいろと言っております。今年7月の参議院議員選挙で維新の会が伸び悩んだ責任を取れとでも言わんばかりに,この人は国会議員団代表選を実施する両院議員総会の開催を求める署名活動をしましたが,結局これが実現しなかったことも離党の理由の一つに挙げております。要するにこの人のこの署名活動は,「平沼(赳夫国会議員団代表)降ろし」に他ならないと言われております。産経新聞の報道では,平沼先生は,12月11日,同紙の取材に対し,「衆院議員では自己顕示欲を満足できないのだろう。猪瀬直樹都知事が失脚して都知事選になった場合には勝算があるとみたのではないか」と突き放した,そうです。誠に仰るとおりです。東国原という人の言動を見たりしていると,どうやら,自己顕示欲と勘違いとの相乗(シナジー)効果がそうさせているのではないかと思われます。
平沼赳夫先生という代議士のこれまでの議員としての活動を見ていれば分かるとおりですが,大変見識のある立派な方だと思いますし,国士の一人ではないかと私は思っております。中山成彬先生や中山恭子先生などと並んで,何故自由民主党に戻られないのかと残念でならないのです。この東国原という人と平沼赳夫先生とを比較するのも全くどうかと思いますが,公人,政治家としては明らかに次元が違いすぎます。雲泥の差というやつです。
私は,この東国原という人について,もう今から4年も前の平成21年7月6日(あの悪夢のような民主党政権が成立する少し前)のこのブログで次のように書いてしまいました。
「・・・高千穂町で開いた県民との対話集会で,自分が行けば自民党は負けないし,負けさせないなどといった発言をし,さらにその数日後には,大阪府庁で橋下大阪府知事と記者会見をした際,自分が総理になったら橋下知事には地方分権で手伝ってもらいたいという趣旨の発言もしている。気分が悪くなった。明治維新の時代,大久保利通の死後に事実上明治政府を支え,内閣制度を確立し,初代内閣総理大臣になった伊藤博文と,あの東国原知事とが,内閣総理大臣としての肩書きが一時的にでも同じというのでは,少なくとも僕の納得性が得られない。まぁ,人間,自分の値踏みもできなくなったら終わりなんじゃないでしょうかしら。・・・」
それでも,その後東国原という人は,東京都知事選に出馬し,何と約169万票も集めてしまいました。それより約90万票多かった石原慎太郎さんが当選したのはいいのですが,169万票も入れてしまうとは・・・(笑)。東京都民の「民意」がとても恐ろしい(笑)。しかも今年の参議院議員選挙では,あの山本太郎まで当選させています。やはり東京都民の「民意」というものがとても恐ろしい(爆笑)。
さて,人の批判もたいがいにしなければとは思っておりますが,東国原英夫という人の顔のことです。大変申し訳ないのですが,私はこの人の顔が大嫌いなのです。失礼ながら卑しさというものが出てしまっております。テレビ画面に出て来ると,パブロフの条件反射のようにチャンネルを変えてしまっている今日この頃です。
自分は特に意識せず普通に生活しているのに,相手が執拗に自分を非難し続けたり,他の人に自分の悪口を言いふらしたりすれば,どうしてもその相手に好感を持つことはできませんよね。どんなに平静な気持ちを保とうと思っても,そんな嫌なことがずっと続けば内心はその相手のことが嫌いになりますよ。最近の世論調査等によると,さすがの日本国民も,韓国に好感を持てなかったり,嫌いになったりしている回答割合がとても多くなっております。
韓国は普段,ただでさえいわゆる「従軍慰安婦」という虚構の問題を声高,居丈高に喧伝したり,捏造された歴史認識を日本に突きつけたりしておりますし,最近の朴大統領の言動は常軌を逸しており,外交儀礼に反しているだけでなく,本当に気は確かか?と首をかしげざるを得ません。この韓国の朴大統領は,今年5月の初訪米ではオバマ大統領に「日本は正しい歴史認識を持つべきだ」と「直訴」しておりますし,6月末に中国の習近平主席と会談した際にはやはり日本を批判し,伊藤博文公を暗殺したテロリスト安重根の記念碑をハルビンに設置することについての協力を要請しました。9月末に訪韓したアメリカのヘーゲル国防長官に対しても,歴史問題や領土問題で日本を批判したのです。さらには,この朴大統領は11月上旬にヨーロッパを歴訪した先々でことごとく日本批判を行い,「告げ口外交」と揶揄されました。また,先のロシアのプーチン大統領との共同声明でも明らかに日本批判と思われる文言を入れることを要求し,ロシア側が相当に難色を示したものの,結局は主語の明らかでない文章で落着しました。実は,一説によるとアメリカのヘーゲル国防長官などは,会談中,朴大統領が延々と持論の日本批判を続けるのに相当にイラ立っており,結局は当てつけのように日本の集団的自衛権をめぐる憲法解釈の修正に賛同し,この朴大統領のメンツを見事につぶしております。実際には外交上は異例ともいえるこのような朴大統領の言動に対しては,会談相手も相当な違和感と不快感を抱いているのだと思います。
世界でも輸出依存度の極めて高い韓国は,ウォン高でますます経済が苦しくなっておりますし,外貨準備高も決して多くはなく,その額面のうちの相当部分がすぐには使えない代物のようですから,通貨危機に対しては極めて脆弱な経済構造なのです。円というハードカレンシーを有する日本との間では通貨スワップ協定額は縮小の一途をたどっていますから,韓国としてはインドネシア,UAE,マレーシアといった資源国との間の通貨スワップ協定を必死で行っております。可哀想なくらいです。こういった国の通貨もハードカレンシーではなく,せいぜいそれらの国の通貨と交換することでその国の資源を購入できるというメリットがあるのでしょう。でも韓国としては,本当のところは,1997年のアジア通貨危機の時のような事態や外貨準備が底をつくような事態に備えて,アメリカ,日本,EUなどとの間で通貨スワップ協定を締結して安心したいのが本音でしょうが,少なくとも日本がなかなか振り向いてくれません(笑)。
実際のところはどうなんでしょうか,韓国の朴大統領の先ほど述べたような異常な告げ口外交などの背景・理由については,①これまで反日を国是としてきた手前,もう引っ込みがつかなくなり,そうしなければ国内世論と自分に対する支持率がもたないのか,②彼女自身,骨の髄まで反日なのか,③「日本!もういい加減にこっちを振り向いてよ!」という意思表示なのか・・・。このうちのどれかか,あるいは複数の理由が重なっているといったところでしょう。
独立国として大韓民国が成立したのが1948年でした。それからもう65年もの月日が過ぎております。そして1965年6月22日には日韓基本条約が締結され,これに伴い日韓請求権並びに経済協力協定も結ばれており,個別請求権の問題解決だけでなく,相手国家に対する個別請求権の放棄も明確にうたわれているのです。そして日本は,韓国に対し,約11億ドル(当時の韓国の国家予算の3倍強)の無償資金と借款を援助したのです。それに,そもそも歴史認識というのは全世界で一致するようなものでも,また一致させるべきようなものでもありません。それぞれの国の立場があり,歴史認識も違って当たり前です。韓国には韓国の歴史認識というものがあるのでしょうが,日本に対して強引にその歴史認識に従わせようとすること自体,間違っております。前任者の李という大統領も任期終了近くには日本固有の領土である竹島に上陸したり,天皇陛下を貶めるような発言をしました。それに,日本国の天皇陛下を諸外国のように天皇ないし天皇陛下とは呼ばず,「日王」と呼んでいるのは韓国だけです。越えてはいけない一線を越えてしまっているのです。心ある日本人が怒らない訳がありません。韓国という国は,もう少し大人になれないのでしょうか。
小泉純一郎という人は,かつてはこの日本国の首相まで務めた人ですが,最近の「脱原発」連呼の一連の言動には思わず首をひねってしまいます。電力というものは,国民の日常生活には勿論,企業活動にも必要不可欠なものですから,将来にわたって電力供給が安定的になされるべきだとの観点からは,即脱原発というのは現状ではあまりにも無責任でしょう。原子力発電の稼働停止により,今度は火力発電のためにいわゆる化石燃料等を購入,輸入せざるを得ず,そのために現在では約3兆6000億円もの国富が流出しております。
小泉純一郎は最近あちこちで「脱原発」を唱えるようになって注目を集めており,影の薄い社民党の新代表からも歩み寄られている始末ですが(笑),彼は「政治が原発ゼロの方針を打ち出せば,必ず知恵のある人がいい案を出す。」などと暢気なことを言っております。本当に無責任だなあと思います。そんな料簡で即脱原発に走ってしまったら,泥縄式になってしまわないでしょうか(笑)。それに,軍事面でもエネルギー面でも,安全保障という観点からは,世界に冠たる日本の原子力技術がこのまま衰退し,あるいは国外に流出してしまうことが本当に良いのでしょうか。
スポットライト症候群というのは,舞台上でスポットライトを一身に浴びるように一度華々しく世間から注目を浴びてしまうと,その恍惚的な感じが忘れられなくて再び夢をもう一度とシャシャリ出たいという症状に見舞われる状態をいいます。小泉純一郎はちょうどスポットライト症候群に罹患してしまっているのではないでしょうか。
思い起こせば,郵政民営化の時などは,小泉氏はいわゆる劇場型政治・ワンフレーズポリティックスを巻き起こし,「抵抗勢力」とか「官から民へ」とか「規制緩和」とか「聖域なき構造改革」とかのセンセーショナルな号令の下,新自由主義的発想で「構造改革」を推し進めました。でも実際には,主として欧米のグローバル資本に暗躍の場を与え(商売をしやすい状況を作り出す),株主資本主義を浸透させる結果となったのです。小泉構造改革とは一体何だったのかという総括がなされることがありますが,要するにアメリカのポチになって以上のような「構造改革」をやみくもに推し進めたということだと思います。その結果,経済格差がますます広がり,駅前にはシャッターを閉めたままの店舗が目立つようになりました。その「構造改革」,「規制緩和」の先兵になったのが竹中平蔵氏などでしょう。もともとその淵源は,日米構造協議,年次改革要望書などに遡り,日本政府は唯々諾々とアメリカの要求を吞んでいったのです。その辺りの事情を鋭くえぐり出し,私も目からウロコが落ちる思いをしたのが「拒否できない日本」(関岡英之著,文春新書)という本でした。
その関岡英之さんは,第二次安倍内閣の課題について次のように述べており,私も同感です。
「安倍政権はまず、平成改元以来のデフレ下における規制緩和、すなわちインフレ対策の推進が正しかったのかどうか、きちんと検証すべきです。だから私はさきほど『新自由主義と決別せよ』ではなく、『新自由主義を清算せよ』と言ったのです。『強い日本』を取り戻したいなら、橋本政権時代の消費増税と『六大改革(経済・財政・金融・行政・社会保障・教育)』、そして小泉政権時代の『痛みを伴う構造改革』に焦点をあて、それらが本当に我が国の国益、国力の増強に裨益したのかどうか、きちんと政策評価すべきです。」(「検証・アベノミクスとTPP」233頁(三橋貴明・関岡英之著,廣済堂出版)
先日,午前11時40分ころにちょうど裁判が終わりましたので,その喫茶店に行ってエビピラフとホットコーヒーを注文しました。その喫茶店には私がまだ20代で裁判所に勤務していた当時,同僚と一緒によくランチに来ていた店です。その当時は威勢のいいおカミさんのような女性経営者がおりましたが,20数年経った今ではその方ももういません。でも店の雰囲気は当時と同じです。昔はよく,そのお店のハンバーグカレーを食べました。「バーグカレー」と呼ばれておりましたが,ご飯と大きなハンバーグにカレーが添えられているやつです。美味しかった記憶です。あれからもう20数年が経ったのかと思うと,カウンターでコーヒーを飲みながら月日の経つのは早いものだとつくづく思いました。人間って,あっという間に年をとりますね(笑)。
さて,話は変わりますが,私は第二次安倍内閣の発足を心から願い,基本的には今でもその気持ちは変わりません。あたかもこの日本を弱体化させるかのように放置されてきたデフレ経済,近隣諸国にナメられっぱなしの軟弱で売国的な外交,教育の荒廃,憲法改正などなど,日本のかかえる諸問題を一つずつやりこなしていけるのは,安倍内閣しかないと思ってきたからです。
しかし,ここにきて,私と同じような期待をもっている保守層の中には,現在の安倍晋三首相に疑問を投げかけている人たちもいます。第一次安倍内閣の時に靖国神社に参拝できなかったのは「痛恨の極み」だといいながら,春季例大祭,終戦記念日,秋季例大祭のいずれにも参拝できていませんし,いわゆる集団的自衛権行使の議論も先送りし,いずれ増税は避けられないにしてもデフレ経済脱却に向けての有効な政策実行の成果を見届ける前に消費増税を決定し,アクセルとブレーキを一緒に踏むという愚を犯しています。
それでも現在の政界を見渡しても,中川昭一という国士のいない今,安倍晋三という人物を除いては他に期待し,託せるような人物はあまり多くはないという悩ましい状況でもあり,保守層の悩みもとても大きいのですよ。現在の状況については,安倍晋三が自由民主党総裁選挙の際に述べていたような「公約」内容とは少なからず齟齬しており,ガッカリする面も少しあるのですが,もうちょっと長い目で見ていかなければならないのでしょうかね。
そんな印象を抱きながら過ごしているところ,本日の産経新聞の「正論」には拓殖大学大学院教授の遠藤浩一さんの論稿が掲載されており,腑に落ちる部分がありました。引用しておきましょう。第二次安倍政権に期待している私も同感なのです。
「最近、永田町や霞が関では、安倍内閣というポリティカル・キャピタル(政治資本)を大切にして懸案を解決していくべきだという声がよく聞かれる。異存はないが、政治資本の維持という「手段」が「目的」と化したとき、安倍首相が懐深く抱く国家再建という真の目的は、むしろ遠ざかっていく。まもなく政権発足1年。安倍政権は真価を問われている。」
政府は,一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売の新ルールで,医療用から転用された市販直後品は安全性評価のため原則3年間,ネット販売を認めず,評価終了後に解禁すること,また性機能障害改善薬など劇薬5品目のネット販売を禁止することにしました。でも,全体では1万1千品目以上の薬品のネット販売を解禁し,薬事法改正案の臨時国会提出を急ぐ方針です。
このように99.8%の薬品のネット販売が解禁され,わずか0.2%の薬品が合理的な理由で規制を受けるのみであるにもかかわらず,楽天の三木谷浩史会長は「時代錯誤もはなはだしい」などと毒づき,産業競争力会議の民間議員を辞任するぞ,国を訴えるぞといった趣旨のことを述べています。
私自身,そもそも薬品のインターネット販売の可否を議論する場に,あろうことかそれ(ネット販売)を生業とする会社のトップがこの会議の民間議員として名を連ねていること自体,すごく違和感を覚えていました。だって当事者なんですし,大いに自社の利害と関係しているのですもの・・・。三木谷という人は,結局は小泉内閣の時のオリックスの宮内義彦のような典型的な政商でありレントシーカーなのではと思ってしまいます。現にこの人は,合理的と思われる全体の0.2%の薬品のネット販売が解禁されなければ前記会議の民間議員を辞任するぞと言い,国を訴えるとも述べているのですから,国益や大所高所に立った観点で議論することはとても期待できず,自社のことしか考えていないのでしょう。解禁されればされるほど自社のマーケットや販路が広がる訳ですから。
評論家の三橋貴明さんは,多作なのはいいとしても最近ではやたら同じようなことを書いた本を出していますが,この評論家の主張していることはとてもまともで説得力があり,愛国者だとも思います。その三橋さんのブログの受け売りになりますが,近頃では政商というかレントシーカーが極めて多く跋扈していると思います。要するに,政権の中枢に取り入って自分の商売を繁盛させようと画策している連中のことです。いわゆるレントシーキングというやつですね。
平成23年度の厚生労働省の調べでは日本全国津々浦々に薬局は5万4780店舗存在するそうです。そして家計における医薬品市場は1兆3千億円規模だろうと言われており,この医薬品市場の中で生計を立てている同じ日本国民がいるのです。地方,地域の医薬品購入のライフラインとして薬局はあります。でも,医薬品のインターネット販売をほぼ全面解禁するとなると,これらの全国津々浦々の薬局は,新規参入の楽天などと熾烈な競争関係に立つことになります。そもそも医薬品というのは,病院で処方された時にいただいたり,必要が生じた時にその都度近くの薬局で購入してきました。誰も好き好んで必要もないのに医薬品を積極的に購入しようとは思わないでしょう。できるだけ医薬品の世話にならないようにと心がけているのです。ですから,仮に医薬品のインターネット販売が全面解禁されたとしても新たな需要を生むとは思えず,要するに限られたパイの医薬品需要を地域の薬局が,新規参入者である楽天などのネット販売業者とが取り合う関係になります。
ますますデフレ圧力になってしまうのではないでしょうか。規制緩和というのは需給面からいうと供給力をアップさせる政策です。現在のデフレ経済はデフレギャップ(供給に見合った需要がないこと)のせいです。格別新たな需要を生みだすことなく,規制緩和でますます供給を増やすとなると,さらなるデフレ圧力になるのではないでしょうか。いわゆるアベノミクスの第一の矢(大胆な金融政策),第二の矢(機動的な財政政策)は極めて正しいと思っておりますが,第三の矢(民間投資を喚起する成長戦略)については,無批判的な規制緩和等,首をかしげる内容も含まれておりますし,首をかしげる人選もあって(例の徹底した新自由主義者であり規制緩和論者である竹中平蔵氏も民間議員の一人です),要注意です。
くどいようですが,ネット販売を生業とする会社のトップが,あろうことか政府の会議(産業競争力会議)の民間議員として,医薬品のネット販売の全面解禁の可否を議論する場にいること自体,すごく違和感を覚えてしまいます。三木谷会長の言動からしても,自社の利益のことしか考えていないとしか思えないのです。それに・・・・,例の「楽天セール」の欺瞞性も首をかしげます(笑)。
私が初めて「レントシーキング」という言葉を知ったのは,「中国現代化の落とし穴-噴火口上の中国」(何清漣著,草思社)という本の中にその言葉があったからです。中国の,いわゆる改革開放路線が始まったのが1978年ころからですが,中央や地方役人に賄賂を渡すことなどによって国有財産や権益が政商たち(役人の親族を含む。)に流出していく現象を,この本の著者はレントシーキング(権力の市場化)と表現していました。
また,ウィキペディアによると,レントシーキングとは,「特殊利益追求論」とも呼ばれ,企業がレント(参入が規制されることによって生じる独占利益や,寡占による超過利益)を獲得・維持するために行うロビー活動等を指すそうです。ノーベル経済学賞を受賞した経済学者ジョセフ・スティグリッツは,米国において金融関係者や大企業CEOら富裕者層の富は,民間企業が政府と結びつき公共サービスの仕組みを変え,市場のルールを変え,市場の公平な競争を上手く機能させないように講じられた結果によるもので,これを「レントシーキングによる富の収奪」と呼び,批判しています。
レントシーキングという言葉を聞いて私がすぐに思い浮かべるシーンは,例の菅直人という人間が首相をやっていた時,ソフトバンクの孫正義が電力買い取り制度の制定に向けて菅直人をおだてまくって,ニヤニヤしていたシーンです。菅直人も負けずにニヤニヤしておりました。とても醜悪なシーンでした。孫正義としては太陽光や風力,バイオマスなどの再生可能エネルギーの全量を電力会社に買い取らせる「固定価格買い取り制度」によって一儲けしようという魂胆でしょう。
外食大手のワタミといえば渡邉美樹さんですが,この人は政府の教育再生会議の委員になったり,何と参議院議員にまでなってしまいましたが,ワタミはメガソーラー事業に参入し,北海道に15万MW発電所の建設を決めております。また楽天の三木谷浩史社長も家庭用太陽光発電システム市場に参入する意向を表明しました。彼は内閣日本経済再生本部産業競争力会議メンバーにも名を連ねており,規制緩和で薬品のネット通販に乗り出します。さらには,竹中平蔵というバリバリの新自由主義者,規制緩和論者,アメリカのポチ政策の推進者も,内閣日本経済再生本部産業競争力会議メンバーにも名を連ねておりますが,改正労働者派遣法案が提出されようとしている中,実はこの竹中平蔵という人は派遣会社大手の株式会社パソナグループの取締役会長なのでございます。
これからはみなさん,「レントシーキング」という言葉を忘れず,ある程度は目を光らせていく必要があるのではないでしょうか。要するに,政府の中枢に巣くっている人たちは,本当に天下国家のために,そして経世済民のために頑張っているのか,それとも自社のために頑張っているのかを見極めるのです。
第二次安倍政権は,来年4月からの消費税率アップの可否について様々な人から意見を聴取し始めたようですね。こういった人選を見ても,そして政権を支える自民党議員の動きを見ても,さらにはこの問題では財務省の走狗となっているマスゴミ,いやマスコミの報道姿勢を見ても,消費増税は不可避のようですし,こういった意見聴取も「形作り」なのではないかと勘ぐっております。
私は経済のこともよくは分かりませんが,この問題については内閣官房参与の浜田宏一イェール大学名誉教授や同じく内閣官房参与の本田悦朗静岡県立大学教授らの意見になびいてしまいます。1997年の消費税率アップがいかに需要・消費の冷え込みと税収減を招来し,それ以降の長期にわたるデフレ経済の元凶となったのか・・・。私はいずれ消費増税は必要だと思っておりますが,時期を考えなければなりません。せっかくのデフレ脱却政策が日の目を見る前に腰折れになってしまうのではないかと危惧しております。要するにアクセルとブレーキを同時に踏んでしまっているような・・・。1997年の消費増税前の年間税収が約53兆円あったのに,その後のデフレ経済の継続で,今や42兆円程度になってしまいました。少しは学習すべきではないでしょうか。
まずはデフレ脱却が最優先課題で,名目GDPを増やし,そして税収も増やしていくのです。そして日銀が目指しているように2%のインフレターゲティングが実を結んだ暁に,消費税率を上げれば良いではありませんか。
さて,それにしても財務省というのは本当に腹黒く,姑息としか言いようのない行動に出ております。これはあるブログで指摘されていたことですが,財務省はとにかく消費税を上げたい一心で,ホームページの内容面でも節操もなく,こっそりと修正しております。本当に姑息です(笑)。
財務省のホームページの内容の一部が,節操もなく,こっそりと次のように変更されていたのです。
「問い 日本が財政破綻した場合、国債はどうなりますか。」
「答え 国債は政府が責任を持って償還いたしますので、ご安心ください。」
↓
「問い 日本が財政危機に陥った場合、国債はどうなりますか。」
「答え 仮に財政危機に陥り、国が信認を失えば、金利の大幅な上昇に伴い国債価額が下落し、家計や企業にも影響を与えるとともに、国の円滑な資金調達が困難となり、政府による様々な支払いに支障が生じることになります。そうした事態を招かないよう、財政規律を維持し、財政健全化に努めていく必要があります。」
「財政破綻」を「財政危機」に振り替えておりますが,もうなりふり構わず消費税を上げたいのでしょう。自国通貨建ての日本国債が破綻したり,償還不能ということは考えられないでしょうに。
まとまりのない記事になりましたが,現日銀副総裁の岩田規久男学習院大学教授の著作に,とても面白い記述がありましたので,紹介しておきます(「リフレは正しい-アベノミクスで復活する日本経済」151~152頁,岩田規久男著,PHP研究所)。
「では、なぜ財務省はデフレ下でも増税したがるのでしょうか。すでに述べた通り、実は財務省というのは狭い範囲でしか経済を見ていません。たとえば、名目成長率を上げることは財務省にはできません。当然、金融緩和や量的緩和を採用したり、インフレ目標を設定することもできません。そのため、財務省は自分でできる範囲のことしか見ていないのです。できることは増税と歳出カットしかないのです。しかし、デフレ下では増税をしても税収が上がらなかったというのが、これまでの経験です。消費税にしても、一九九七年に税率が上がりましたが、税収が増えたのは最初の年だけでした。しかも大幅に増えたわけではありません。さらに、その後は税収が減り続けています。その理由は、名目成長率が落ちたからです。要するに、財務省はそういったマクロ的な影響と言いますが、自分のしたことの反作用までは考えていないのです。言ってみれば『小さな庭』で考えていますから、『増税したら増税した分だけ増える』と思っているわけです。同様に、歳出カットをしたら、その分だけ財政がよくなると思って居ます。しかし、実はその反対で、歳出カットをするとデフレを加速することになり、GDPは減ってしまいます。その結果、税収は減ることになります。」
これは私たち弁護士に限らず,一般の方々もそうだと思うのですが,紛争の相手方と示談や和解をする場合には,必ず示談書や和解書の最後には清算条項というものを入れます。例えば,「甲と乙は,当事者間には,本和解条項に定めるもののほか,何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する。」という条項を入れます。というのも,せっかく示談や和解の際に賠償金や和解金を支払っても,このような清算条項を入れておかないと,同じ紛争が後日蒸し返される恐れがあるからです。「あの賠償金では足りなかった。」とか「あれには慰謝料が含まれていなかった。」とか・・・。
元徴用工と称する韓国人が,新日鉄住金や三菱重工業を相手取って損害賠償請求訴訟を提起し,あろうことか韓国大法院(最高裁みたいなもの)が個人賠償請求権を肯定し,ソウル高裁に差し戻したものですから,ソウル高裁は「それなら」ということで新日鉄住金に賠償を命じる判決を下しました。また,釜山高裁も同様に三菱重工業に同じような判決を下しました。もう,むちゃくちゃです(爆笑)。
あのね,こういった問題は日韓基本条約と請求権協定でとうの昔に解決済みなのでしょう。それが国際法というものです。それが法治というものです。そしてこんな馬鹿げた訴訟が平成9年に日本で起こされ,平成15年には最終的に原告(韓国人)が敗訴し,その後に韓国の裁判所で起こされた同様の訴訟でも,日本での確定判決の効力を認めて請求が退けられていたのでしょう。あの反日的態度を徹底していた廬武鉉政権の時でさえ,同じ解釈をしていたのです。
ところがどうです,最近の韓国の反日的姿勢のエスカレートぶりは・・・。李とかいう元大統領の竹島への違法上陸,天皇陛下を貶める断じて許せない言動,新大統領になってからも「歴史問題」の振りかざし,安重根の像をハルビンに建てることを習近平に直訴,東京オリンピック招致に対する妨害工作,アメリカの一地方議員を籠絡して「従軍慰安婦」像の設置・・・などなど,傍若無人ぶり,厚顔無恥ぶりはとどまるところを知りません。
ソウル高裁への差し戻しを認めた韓国大法院(最高裁みたいなもの)は「・・・日本による韓国支配は違法な占領に過ぎず、強制動員自体を違法とみなす韓国憲法の価値観に反している」などとして個人賠償請求権を認めております。もはや何をか言わんやです。「価値観」ですか・・・(笑)。日韓基本条約と請求権協定は一体どこに吹っ飛んじゃったんでしょうか。国際法も何もあったもんじゃなく,もはや法治ではありません。情念というか政治そのものというか,これが韓国の司法の最高峰なんですか。
考えてみますれば,韓国という国はそういう国なのかもしれません。反日ならば何でもありという感じです。評論家西村幸祐さんが韓国の驚くべき反日的な法律について次のように指摘しています。
「廬武鉉大統領時代の二〇〇四年に、信じられない法律が韓国国会で成立した。『反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法』、別名『親日派糾弾法』といい、日韓併合から併合時代も含めて、つまり三十五年間の日本統治時代に日本に協力した人間は、その子孫の財産を全部、没収するという、時代錯誤も甚だしい悪法である。中世や古代ならともかく、この様な事後法が制定されるということが、まず近代国家ではあり得ない。事後法とは簡単に言えば、現時点でたとえば禁酒法が制定されたとして、過去に禁酒法を破った人間をいまできた法律で裁くというものだ。それも過去に遡って日本に協力した人間の子孫にまで罪をかぶせるという、常軌を逸した差別感覚だ。」(「『反日』包囲網がアベノミクスを壊す-トクアノミクスの正体」114頁,西村幸祐著,文芸社)。
さてさて,新日鉄住金や三菱重工業は上告して争うといいますが,何しろ韓国大法院ですから結果は見えてますよね(笑)。原告らが確定判決に基づいてこの二企業の社有財産に強制執行申立をしてくるようなことがあれば,本気で韓国からの資本を引き上げて撤退することを考えるべきではないでしょうか。中国と同様,カントリーリスクが大き過ぎます。次から次に同じような国際法違反の訴訟が提起されてしまう可能性もあります。考えてみれば,韓国の対外債務は増え続け,その外貨準備の中身も極めて脆弱で(そのうちのアメリカ国債の比率は僅か12%程度),輸出依存度は50%を超え,貿易依存度全体では100%を超え,韓国特に虎の子のサムスンなどは日本からの部品や生産財輸入なくしては立ちゆきません。あんまり調子に乗って日本を貶めてはいけません。ここは是々非々主義でいくべきでしょう。