私も確かに不勉強なもので,「B層」という言葉があるのを最近になって知りました。この言葉のデビューは,平成17年のことのようです。ウィキペディアによりますと,「B層」とは,郵政民営化の広報企画にあたって小泉政権の主な支持基盤として想定された,「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」のことを指すようです。
そして,この概念は,小泉内閣が進める郵政民営化政策に関する宣伝企画の立案を内閣府から受注した広告会社「スリード」が,小泉政権の主な支持基盤として想定した概念のようで,この会社の企画書には,「B層」の定義として「IQが比較的低くかつ構造改革に中立ないし肯定的な層」をいい,主に主婦や教育レベルの低い若年層,高齢者層を指すとしていました。考えてみれば,IQのことを問題にしたり,レベルを低いと言ったり,大変失礼な分類,定義の仕方です。
ただ,その当否はともかくとして,マスゴミ,いやマスコミが垂れ流す偏向的な情報や扇情的なキャッチフレーズに踊らされ,確かに劇場型のワン・フレーズ・ポリティックスが幅を利かせ,その後の2009年8月の総選挙では,雪崩を打つような「B層」的な投票行動で,史上最悪の民主党政権が誕生しました(笑)。「民主党 やらせてみれば この始末」です(笑)。「よくは分からないけど,なんとなく良さげだな・・・」という安易な感覚で投票行動をしてしまう有権者の傾向は,最近は特に顕著であることは否定できないと思います。恐ろしいことです。時間もなく,一日の労働で疲れてはおりますが,日本の将来のために有権者はもっともっと勉強し,情報リテラシーを高める必要があると思います。自戒を込めて(笑)。先日,娘のあかねちゃんと世間話をしておりましたら,彼女の通う大学でも「情報リテラシー」という科目があり,選択したようです。頑張ってちょうだいね(笑)。
この文脈で次のようなことを申しますのは少し違うのかもしれませんが,わが愛すべき日本という国は,昭和27年4月28日のサンフランシスコ講和条約の発効によって主権を回復し,もう60年も経とうとしているのに,相変わらず「普通の国」になることすらできていません。三島由紀夫が「私の中の二十五年」という寄稿文で述べた次の言葉は,世に対する警鐘として私の中では今でも輝いているし,これからは世の中でもっと輝くべきだと思うのです。
「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行ったら『日本』はなくなってしまうのではないかという感を日ましに深くする。日本はなくなって、その代りに、無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう。それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである。」
人物評という言葉がありますが,鳩山由紀夫という人物に対しては,その評価についてどんな表現をしたらいいのか分かりません。あまり言いたくはないのですが,敢えて最適な表現を見つけるならば,「バカ」でしょうね。私のこのブログで,かつては「つける薬がない」シリーズが16回も続きましたが,その主人公は概ねこの鳩山由紀夫という人でした。彼にはつける薬がないのです。
政府筋からも,アメリカのルース駐日大使らからも,今回のイラン訪問とその大統領との無意味で有害な会談を中止するように申し入れがあったにもかかわらず,鳩山という人は何処吹く風と言わんばかりに断行しました。その挙げ句,イラン国営テレビ「プレスTV」(電子版)は「鳩山由紀夫元首相がアフマディネジャド大統領との会談の中で、国際原子力機関(IAEA)について,イランを含む特定の国家に二重基準の対応をしており,こうした扱いは不公平だ。」と述べたと報道しました。案の定です。
鳩山という人は,この報道は「捏造だ」などと述べておりますが,その真偽はともかくとしてイランに利用されてしまったことは動かしがたい事実でしょう。今朝の産経新聞の阿比留瑠比記者の署名記事の中では「実際には鳩山氏が何か言い、何か動く度に国益は失われていく。」と正当にも指摘され(笑),同記事によると,今年3月に訪米した島田洋一・福井県立大学教授は「米側の外交スタッフの多くは名指しで鳩山氏を無責任だと怒り、バカにしていた」と証言しています。またこの記事は,正当にも「欧米諸国と協調してイランへの制裁圧力を強めてきた日本政府は『身内』に足をすくわれた形となり、逆にイランは、日本と欧米の足並みを乱し、相互不信を助長させる情報戦に勝利した」と指摘しております。
東京裁判史観にドップリつかり,日教組らによる平和教育とやらの洗礼と左翼思想の影響を受けたこと,これに加えて,自分も鳩山一郎,鳩山威一郎と続くエスタブリッシュメントの一員だという勘違いが加わって,彼も,最大級のつける薬がない存在として成長したのでしょう。彼は民主党創設時に桁外れのお金を出したようですが,お金さえあれば首相にまでなれてしますのです(笑)。
それにしても民主党という政党は・・・,もう,何ともなりませんわ。鳩山という人は米軍海兵隊普天間基地移設問題で迷走に迷走を重ね,事実上頓挫させてしまった人物でしょう。学べば学ぶほど,海兵隊の抑止力を認識したとのたまった人物でしょう(笑)。さらには,その発言も方便だったと平気で述べた人物でしょう(爆笑)。こんな人間を,民主党,そして野田首相は,同党の最高顧問(外交担当)に任命したのでしょう。度し難いというか,救いがたいというか,国民を完全にナメ切っているとしか思えないのです。
それにしても,巨人もがんばれよ!(笑)
今日はほぼ日本全域が,発達した低気圧の移動の関係で荒天だそうです。実を言うと,今日はゴルフの予定が入っていたのですが,今日の荒天を予想して昨晩の段階で早々に中止が決定しました。悪いことはできませんね(笑)。別に平日ゴルフが悪いという訳ではありませんが,確かに何かしら後ろめたい気もします。ゴルフはいつでもできますし,どうせやるなら好コンディションの時が良いに決まっています。そういう意味では,遊びも時期というものが重要です。
安倍晋三元首相が言うように,史上最も陰湿な反日左翼政権ともいうべき民主党による政権は,さらに悪いことをしようとしています。あろうことか,このデフレ経済のまっただ中で消費税増税をしようとしているのです。前にもこのブログで述べましたように,日本の現在のセーフティーネット(社会保障等)の給付水準を今後も維持していくためには,消費税増税はやはり必要だと思っております。問題はその時期なのです。ゴルフと一緒で,どうせやるなら好コンディションの時でなければならないのです。
1997年,当時の橋本龍太郎内閣は,「財政健全化論」に煽られ,消費税増税と公共投資削減などの緊縮財政に乗り出しました。しかしながら,この時の緊縮財政が日本経済に破壊的なインパクトをもたらし,翌98年のGDPは,実質値も名目値もマイナスに突っ込み,今日に至るまで日本は延々とデフレ経済にあえぐ羽目に陥ってしまいました(三橋貴明著,「日本経済の実力」180頁,海竜社)。このようなデフレ経済の中で増税をすれば経済を萎縮させるだけで,日本経済はますますデフレ状況の深みにはまってしまいます。このことは心ある識者が重ねて指摘しているとおりです。
日銀と政府が協同し,より明確なインフレ目標を定めて実行し(アメリカのFRBのように2%程度),東日本大震災の復興需要とインフラ整備など,この際積極的な財政出動をし,名目GDPを増やしていけばおのずと税収も増えます。成長しなければならないのです。そしてデフレ状態を脱出したあかつきに,消費税増税を実行すれば良いのです。
それにしても,このようなデフレ経済の状況下でも,大新聞はなぜこぞって消費税増税推進なのでしょうか。JBプレスというサイト記事に書かれておりましたが,新聞協会は自分たちだけが消費税増税の適用除外を申請しているようですし,そもそも新聞は全国一律の定価販売が強制的に認められており(デフレなんか関係ありません),お役所から世界的にも稀な既得権益をたっぷり与えられております。さらには,日本独特の記者クラブ制によって特権的な立場を与えられており,財務省にたてつくと情報を貰えなくなり,かつては国税による税務調査が入った後は財務省寄りの記事ばかり書くようになった新聞社もあるそうです。ですから,大新聞による消費税増税の大合唱にはうさんくさいものを感じます。
さらに私が心から軽蔑し,唾棄すべき存在だと思っている民主党は,このどさくさに紛れて,法務省主導の下,4月20日をめどに人権救済機関設置法案提出の閣議決定を目論んでおります。この人権救済設置法案の多くの問題点については,国民一人一人がよく勉強しておかなければなりません。民主党という綱領なき反日左翼政党は,とにかく日本という国や日本人が大嫌いなのではないかと思ってしまいます。
新聞報道によりますと,日中韓投資協定が実質的に妥結したようです。この協定を土台にして,この3か国は自由貿易協定(FTA)の締結も見据えているとのことです。あーあ,私はこういった国々との自由貿易協定などといったものは,やめた方がいいと思います。どうせろくなことがないと思うのです。
経済産業省の幹部は「日本企業は今後、透明性の高いルールに基づいて中国に投資できる。」などと脳天気なことを述べています。頭の中がお花畑なのでしょうね。かの国が法治主義ではなく「人治主義」の国であることをご存じないのでしょうか。そんなことはもう百も承知ですよね。中国という国は,法律やこれに関連する諸規定や通達は山ほど作られております。でもこの国の問題点は,法律等が整備されていないということではなく(山ほどあるのですから・・・),ちゃんと法を守ろうとする意識が欠如していることです。これに尽きます。
産経新聞には,この日中韓投資協定とやらの骨子というのが掲載されておりました。ざっと列挙しますと,①相互の知的財産権の保護(爆笑),②国内外の企業を同等に扱う「内国民待遇」,③投資規制の強化を禁止,④過度な技術移転の要求を禁止(笑),などです。
世界に出回っている偽物の約7割が中国や韓国で作られているというデータがありますのに,知的財産権の保護だなんて,あなた・・・(笑)。中国のある遊園地では,よれよれの「ドラえもん」がいたような・・。また,韓国はK-POPと称してガンガンやっておりますが,それはとりもなおさず自国では何よりも市場が小さすぎるという事情もさることながら,すぐにCDやDVDの海賊版で出てしまって商売にならないからでしょうに。
また評論家の三橋貴明さんは,為替操作国である中国(共産党が人民元の為替レートを政治的に決めています)なのに,関税という「盾」をなくそうとする時点で全く信用できないと述べておりますし「過度な」技術移転要求か否かをだれが判断するのかという指摘もされています。これまで恐喝まがいの技術移転を要求していたのはどこの国でしたっけ・・。
昨日の読売新聞の朝刊には,日本の工作機械製造の最大手の「ヤマザキマザック」の中国人社員が,産業スパイ行為をした疑い,不正競争防止法違反(営業秘密の領得)で逮捕されたニュースが報道されていました。この中国人社員は退職間際に大量にデータをダウンロードしており,その件数は1万件に達しているとの報道もあります。この中国人社員は,雇用契約では4月20日付けの退職予定だったようですが,3月12日に予定より早く退職を申し出たことで会社側が不審に思い,調査したところこれが発覚したようです。そんなことでもなければ,発覚せず,重要な産業データ(設計図等)が他社に売却等されていたかもしれません。こんなことはアメリカではしょっちゅう発生しています。とにかく,日本もこういったことは常日頃から「監視」しておかなければなりません。
もう時間がありませんから,インターネットで「中国 民事訴訟法231条」とキーワードを入れて検索してみてください。そのカントリー・リスクの凄さ,恐ろしさを体験できます。
これが3月中旬の気候なのかしら,と思わせるようなとても寒い朝もあります。先日は仕事で彦根まで行ってきましたが,米原や彦根では少し雪も降っていたくらいです。
「糠に釘」という日本語がありますが,これは何の手応えもなく効き目がないことの例えで,「暖簾に腕押し」とほぼ同義です。中国という国はルールというものを守らず,他国や他者からそのことについて批判や非難を受けても,我関せずという厚顔無恥ぶりです。糠に釘とはこのことです。中国はレアメタル(希少金属)の不当な輸出規制をしていたため,アメリカや欧州連合(EU)は中国を世界貿易機関(WTO)に提訴しておりました。そしてこの1月には中国の敗訴が確定したのです。それにもかかわらず中国の改善は不十分で,むしろ生産規制が目立つと指摘されています。ルールも何もあったものではありません。
そしてこのたび,今度は中国によるレアアース(希土類)の輸出規制が不当だとして,アメリカと欧州連合(EU),それに日本が協力して,中国を世界貿易機関(WTO)に提訴したことが新聞報道されておりました。中国は,自国の企業に有利なように資源の囲い込みを狙っているのですから,提訴されて当たり前です。実は日本は中国に対しては,「政治的配慮など」から提訴を控えてきた経緯がありますが,加盟国にルールを守らせるのは当然なのであり,日本の弱腰にはホトホト呆れます。中国は世界貿易機関(WTO)に加盟し,貿易によって十分過ぎるほどの恩恵を受けているのですから,国際的なルールくらいは守らなければなりません。
また産経新聞の報道によると,3月11日付けのイギリスのサンデー・タイムズは,イギリスの防衛産業大手BAEシステムズが開発に加わるアメリカ主体の最新鋭ステルス戦闘機F35のデータを盗み出すため,同社のコンピュータに中国のハッカーが侵入していたと報じたとのことです。中国のハッカーは,F35の設計図や性能,電気系統などのデータを盗むため「スピアフィッシング」と呼ばれる手口を駆使し,アメリカ国家安全保障局などになりすましてBAE関係者の名前やパスワードを聞き出し,1年半にわたって同社のコンピュータに侵入していたとのことです。F35といえば,何と,わが日本国が昨年末,次期主力戦闘機として導入を決めたばかりなのですよ・・・。中国によるサイバー攻撃や情報盗みのひどさは世界的に指摘され,その対策が検討されております。日本よ,大丈夫か!
ひるがえって卑近な例では,3月14日の読売新聞の記事によれば,ネットバンキング口座が不正侵入され,現金150万円が盗まれる事件があり,神奈川県警は複数の中国人を窃盗容疑等で逮捕したと伝えております。神奈川県警はこの事件の背後に中国人のサイバー犯罪グループがいると見ています。この事件は,横浜市の男性会社員の銀行口座から大分県の女性のパソコンで他人の口座に現金が送金されていたのですが,外部者がその男性のネットバンキングのIDとパスワードを盗み取り,女性のパソコンに不正侵入して送金手続をしたと見られています。その150万円の送金先には3口座あり,しずれも中国人名義で,50万円ずつが振り込まれていたそうです。由々しき事態です。これも,人の物を盗ってはいけないという基本的なルール破りですが,その手口が「サイバー」です。本当に恐ろしい世の中になってしまいました。
二日酔いの日は,昼食にカレーを食べるべきです。しかもそのカレーというのは,相当に辛いルーでなければダメで,しかもご飯の量は少なめです。私の中では,「二日酔いの日の昼食は,ご飯少なめの激辛カレーに限る」という考えは,もはや確信の域に達しております(笑)。
最近,素晴らしい本に出会いました。「日銀はだれのものか」(中原伸之著,中央公論新社)という本です。
この日本という国には,しかるべき人材がいるはずなのに,なぜ超円高,デフレ経済を脱却できないままでいるのでしょうか。仏教でも因果応報のならいがあり,ある結果が生ずるにはその原因が必ずあるものです。日本経済がこれほど長期間のデフレに沈んだままで,しかも最近の超円高状態を解消できないのは,これを拱手傍観している人たちが存在するからです。デフレと超円高から脱却できないでいることについて,日本の中央銀行たる日本銀行の責任がなぜ問われないのでしょうか。
この本の著者である中原伸之さんは,かつて4年間にわたって日銀の審議委員として孤軍奮闘されました。中原さんはこの本の中で,この4年間の孤軍奮闘の体験を踏まえて日銀の問題性を鋭くえぐり出しておられます。新日銀法は1998年4月に施行されたのですが,この法律の欠陥は,日銀に「手段の独立性」だけでなく,「目的の独立性」まで与えてしまい,結果的に中央銀行たる日銀の金融政策に誤りや怠りがあったとしても,誰も責任を負わない制度にしてしまっていることです。
中原伸之さんの審議委員としての4年間,日銀の最高意思決定機関である政策委員会の金融政策決定会合(9名による採決)では,中原さんの提案は大体いつも1対8で否決され続けてきました。でも1998年4月から2002年3月までの日本経済の流れを見ていると,日銀は2000年8月にゼロ金利解除という政策的誤りを犯し,最終的には中原さんの政策提言に近い形で2001年3月にようやく量的緩和策導入を行いました。要するに中原さんの見通し,見識が正しかったことが証明されております。
また,この本が上梓された2006年当時の日銀総裁の年間報酬額は約3600万円という高額なもので,2人の副総裁でもそれぞれ約2800万円,審議委員も約2700万円に達しております。アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)の議長の年収だって約2000万円だというのに・・・。旧法時代の日銀総裁の報酬年額は何と,5000万円以上だったといいます(呆然)。こういった庶民の生活とは隔絶した世界の人たちが日本の金融政策を牛耳っているのです。
私なりに思いますと,中原さんがこの本で最も述べたかったのは,恐らく終章である「第8章 日本経済と日銀の将来」の箇所に書かれている論述でしょう。私が思わず頷いてしまった箇所を引用しておきましょう。
「日銀の人たちは、『日銀は自分たちのもの』と思っているようです。けれど日銀の出資証券は、政府が五一%保有していますし、組織の本来の意味から言っても、『日銀は国民のもの』なのです。ですから、日銀総裁はなぜ年収三千六百万円を手にするのか、だれを審議委員に選ぶのか、だれが再任されるのか、その手順はどうなっているのかなどを、国会で国民にわかりやすく説明するのは当然のことなのです。」(273頁)
「金融政策を独占する権限を持っているのですから、その運営に失敗すれば、国民に対して責任をとるのも当然のことなのです。・・・ゼロ金利の解除は明らかな政策ミスで、その責任をとるべきだったのに、解除に賛成し、失敗したら責任をとると明言したはずの人でさえ、一人も責任をとらなかったのです。・・・ゼロ金利解除は日銀が法改正で与えられた独立性を意識し、政府の反対を否決して実施した決断なのですから、その政策の失敗の責任をとって、速水さんは辞めるべきだったと思います。」(273~274頁)
「絶えず議論になる日銀法四条の『政府の経済政策との整合性』はもっと明瞭に書き直し、同二条の金融政策運営も、インフレ・ターゲティング方式による物価安定目標を採用すべきです。金融政策の目標は、政府が与えるべきで、日銀には政策手段選択の独立性を認めるのがグローバルスタンダードです。目標を自分で決めて、自分で解決するのでは、自分のやりやすいような目標を選ぶことになりがちです。子供が自分の宿題を自分で選んで、出来ましたと先生に出すのと似ています。それでは適正な政策運営ができません。」(274頁)
舌鋒鋭いですね(笑)。
冬ですから寒いのは当たり前ですが,それにしても寒いですね。でも私は,道を歩いていて大きく鼻から空気を吸い込んだ時,鼻の奥が痛くなるほど冷たい,澄み切った,凛としたような空気の方が好きです。清々しい気分になるからです。
新約聖書の使徒行伝第9章には,目から鱗(うろこ)が落ちる話があります。あることをきっかけとして急に物事の本質が分かるようになることの例えです。ユダヤ教徒でキリスト教に激しい敵意を燃やしていたサウロ(後の使徒パウロ)が,ダマスコに町の近くまで来たときに突如として天からの光を受けて目が見えなくなってしまいます。三日の後,今度は神の命を受けたアナニヤがサウロの上に手を置くと,急に目が見えるようになり,サウロは「目から鱗のようなものが落ちた」と言いました。
さてさて,私は最近,マクロ経済の知識もなく,その素養もないにもかかわらず,今の日本の置かれているデフレ経済・超円高というどうしようもない現実に関心がありますし,危機感を抱いております。実際問題として,私は仕事柄いろいろな方々と接するのですが,事業者を取り巻く経営環境には非常に厳しいものがあるということをひしひしと感じます。日本の企業,従業員,店舗経営者などの元気がないのです。
日本だけのようです,こんなデフレに陥っているのは・・。そして日本だけです,こんなに通貨高なのは・・。もう本気で何とかしなければならない時期に来ています。前置きが長くなりましたが,「デフレと超円高」(岩田規久男著,講談社現代新書)という本は実に素晴らしかったです。日本国民の皆様,是非とも全員がこの本を読んでください!赤ちゃんや幼児に対しては「読み聞かせ」をお願いいたします(笑)。素晴らしい本です。
この本は,いわゆるバブル崩壊後の日本経済がなぜ世界で一国だけデフレ経済に陥っているのか,その具体的な原因は何だったのか,デフレが超円高を招くメカニズムはどういうものか,デフレ・超円高がなぜ日本という国にとって問題なのか,デフレ経済を脱却するにはどうすればよいのか,中央銀行たる日本銀行の本来の役割はどういうものか,これまでの日銀の職務怠慢にはどれほど罪深いものがあるか,などがよく分かります。正に,目から鱗が落ちる感じです。データに基づいていて論旨明快です。
この本の前書きからいくつかの文章を引用してみましょう。
「このように、デフレに加えて、円がどの通貨に対しても軒並み高騰したままでは、政府がどんな成長戦略を取ろうとも、日本経済が安定した成長を達成し、それを維持することは不可能である。」
「デフレと超円高は何よりも雇用を直撃する。・・・したがって,企業内潜在的失業者を加えた実質的な失業率は13%から14%にも達することになる。さらに、雇用は失業率だけでは測れないほど悪化している。・・・男性非正社員のうち36%は、これからの日本経済を担うべき15歳から34歳の若年層である。」
「成長戦略が成果を上げるためには、まず、デフレを止めなければならない。デフレを止めれば、円高も止まる。デフレと超円高を止めることができる唯一の機関は、政府ではなく、日本銀行である。これを逆に言えば、デフレと超円高をもたらしている真犯人は、日銀だということである。」
「本書は、日銀の金融政策をどのように変えれば、デフレと超円高から脱却して、雇用も、財政も、年金も大きく改善できるかを明らかにしようとするものである。とくに、本書で強調していることは、デフレ下の金融政策とは、人々の間におだやかなインフレ予想の形成を促すことによって、デフレと超円高から脱却する政策である、という点である。」
民主党のバカな議員にはもうホトホト愛想が尽きましたから(もっとも私の場合は最初から全く評価しておりませんでしたが・・),せめて自由民主党,たちあがれ日本の議員の方々にはこの本を熟読してほしいと思います。
あとは,「日銀は誰のものか」(中原伸之著,中央公論新社)という本も誠に素晴らしいようです。私は早速この本を注文しました。この本も,早く読みたくってしかたないですよ(笑)。
日本の年金制度,医療保険制度などのいわゆるセーフティーネットは,微に入り細に入り検証すればいろいろと問題があるでしょうが,基本的には世界に冠たるものがあると思います。日本の消費税率は諸外国と比較しても相当に低く,これらセーフティーネットの給付水準を維持するためには,消費税率引き上げはやむを得ないと思います。それはそうなんですが,私が思うのは,その税率引き上げの前に政府も日銀も本来の職務を全うすべきだろうということなのです。それは,デフレ経済と超円高からの脱却のための真剣かつ真摯な努力です。不景気の中で増税路線を突っ走って日本経済をさらに悲惨な状態にさせた橋本内閣の二の舞になってしまいます。学習というものをしなければなりません。
リーマン・ショック以降,アメリカはドルの通貨供給量を約3倍にしました。諸外国もその水準までにはいかないまでも1.5倍から2倍ほどの通貨供給量にし,いわゆる量的緩和に踏み切りました。日本だけです,何かブツブツ独り言を言いながら下を向いてひとり旅を続けているのは・・(爆笑)。変動相場制である以上,円高になるか円安になるかは他国通貨との相対関係で決まり,諸外国がこぞって量的緩和に踏み切るのですから,このような超円高になるのは当然でしょう。同様に,デフレというのは物価が継続的に下落していく状況のことですが,この15,6年も続いているデフレ経済から脱却するには,いわゆるデフレギャップの解消をするしかありません。この2つの状態を何とか改善するためには,どうすればいいのでしょうか。心ある,そして危機意識を持った,そして政府御用でない経済学者や経済評論家は,金融緩和と財政出動を同時に行うことを再三にわたって提唱しております。今は復興需要もあり,正に好機なのではないでしょうか。
おいっ!のび太君似の日銀の白川君,何処吹く風みたいな,他人事みたいな顔をしていないで,無能な財務省と一緒になって量的緩和に踏み切りなさい!日銀には,「手段の独立性」はあっても「目的の独立性」はないのだから,そうしなさい。無能な財務省ももっと国のために真剣に物事を考えなさい。ハイパーインフレなんか起こるわけないじゃありませんか。円に対する信認がちょっとやそっとで崩れる訳がないでしょう。このように金融緩和と財政出動を同時に行うことで超円高とデフレが少しずつ改善し,名目GDPが増えれば税収が増えるではありませんか。そのような経済の改善状態でもなお歳入が不足する場合には消費増税を含めた増税をしてもよいのです。
「・・税収が減れば、税収を増やそうとして税率を上げ、その結果、デフレが悪化して名目GDPが縮小し、さらに税収不足を招くという無間(むけん)地獄に陥ります。すると、民間から政府にお金がどんどん流れていきますから、民間の需要が減る一方です。そうすると、資金需要なんて当然ありませんから、民間への貸し出しは減り、もう国債を買うしかなくなります。だって、政府にしかお金の需要がないんですから。結局、国債だけがバンバン売れて、民間の資金は細っていく。デフレはいちだんとひどくなって、製造業はどんどん海外へ出て行ってしまうし、大型倒産もさらに増える。地獄です。」(「『日本経済ダメ論』のウソ」28~29頁,三橋貴明・上念司著,イースト・プレス)
無間(むけん)地獄といえば,私のゴルフもそうです(笑)。1月4日はゴルフの打ち初めだったのですが,また100を少しオーバーしてしまいました。100くらいは切らなきゃなあ・・・。道具としてのクラブが悪いのかも・・。少しでも景気回復のためのお役に立つべく,アイアンセットとドライバーを新調しようかしら。
さて次に,このいわゆる「従軍慰安婦」問題の売国的な拡大の一つのきっかけとなったのは,当時の宮沢喜一首相の訪韓直前である平成4年1月11日付けの朝刊で突如としてこの問題について報じた朝日新聞の売国的な記事です。この売国的な記事の骨子は2点あり,第1点目は「政府は、これまで慰安婦問題に関与していなかったと主張していたが、政府の関与を示す資料が発見された」ということ,第2点目は「太平洋戦争に入ると、主として朝鮮人女性を、(慰安婦にするために)挺身隊の名で強制連行した。その数は八万とも二十万ともいわれている」ということです。何なのでしょうか,この新聞は・・・。一体全体どんな客観的,正確な裏付けがあってこんな記事を書くのでしょうか。日本人として心からの怒りを覚えます。
第1点目の「資料」というのは,中央大学の吉見義明なる学者が発見したという昭和13年3月付けの,陸軍省副官から北支方面軍及び中支派遣軍参謀長に宛てた通牒案です。しかしこの内容というのは,「業者が慰安婦募集に関してトラブルを起こしたことがあったため、募集は適正に行うよう業者を指導せよ」というものであり,国や軍が強制連行に関与したことを裏付けるのとは全く逆の内容のものです。第2点目の「・・挺身隊の名で・・・婦女子を(慰安婦)として強制連行・・八万とも二十万とも」などといった記事の内容はもはや論外です。現に,韓国政府による調査報告書の中でも「勤労挺身隊は日本が太平洋戦争遂行により深刻な労働力不足を経験し、女性の人力までも韓国内或いは日本の軍需工場などに動員したもので、このような勤労挺身隊動員の趣旨は基本的に軍隊慰安婦の調達とは性格を異にする」と記述されているのです。
このアカヒ,いや朝日新聞は,さらに追い打ちをかけるようにその年の1月23日付けの夕刊の「コラム 『窓、論説委員室から』」において,昨日のこのブログでも触れた吉田清治なる者の客観的裏付けのない,また本人も創作にかかる部分が存在することを認めている「慰安婦狩り」の供述内容を鬼の首を取ったように報じているのです。この新聞は一体どこの国の新聞なのでしょうか。安倍晋三元首相はこの朝日新聞のことを「チョウニチシンブン」と仰っていたと思います(笑)。
このような朝日新聞の極めていい加減な記事の連発は,万死に値するあの宮沢内閣による謝罪とやはり万死に値する河野談話を呼び込む原因の一つとなります。本日のこのブログの内容は,今月発売された月刊誌「正論 1月号」の中の「慰安婦強制連行はなかった」というタイトルの大師堂経慰氏(元日本合成ゴム専務)の著述内容を大いに参考にさせていただきました。この方はこの問題を日本人として最期まで憂慮され,平成22年11月に他界されたのです。(怒りをもって続く)
さて,このいわゆる「従軍慰安婦」問題の売国的な拡大の一つのきっかけとなったのは,吉田清治という人間の文筆,講演活動です。この者は,昭和58年に「私の戦争犯罪」という本を上梓し,その本の中で日本軍が第二次大戦中に朝鮮人女性を強制連行して慰安婦にしたなどといったありもしない作り話を展開し,自ら韓国などに赴いては講演,謝罪をして回り,朝日や赤旗などの新聞紙上で「(自らの)戦争犯罪」についての「告白」を展開したのです。
ところが,平成元年8月14日,韓国済州島の地元紙「済州新聞」はその独自取材の結果をもとに,「(吉田清治の)『私の戦争犯罪』という本の内容は捏造である」と報じました。また,平成4年3月,秦郁彦という日本の歴史学者が自ら韓国済州島に出向き,吉田の「慰安婦狩りを行った」という証言についての現地調査をしたものの,その裏付けは全く取れなかったばかりか,当時を知る島民も「この島で人間狩りが起こったら大騒ぎになって誰でも知っているはずだが,そんな話は聞いたことすらない。」と述べているくらいです(笑)。
さらには,歴史学者秦郁彦さんは,現地調査に出向いた際には,済州新聞の記者であった許栄善女史からは「何が目的で、こんな作り話を書くのでしょうか。」と言われ,郷土史家の金泰玉氏は「私はこの本(吉田清治の『私の戦争犯罪』)の日本語版がでたときに入手して読んできたが、内容は全く事実でない。この本は日本人の悪徳ぶりを示す軽薄な商魂の産物と思われる。」と憤慨していたそうです(秦郁彦著「慰安婦と戦場の性」新潮選書233頁以下)。「日本人の悪徳ぶり」というくだりは極めて失礼な表現ですが,この吉田という者の著作が「軽薄な商魂の産物」という表現には賛同したいと思います。
極めつけは,この吉田清治という人は,平成8年5月29日付けの週刊新潮のインタビューにおいて,「本に真実を書いても何の利益もない。事実を隠し自分の主張を混ぜて書くなんていうのは、新聞だってやるじゃないか。」と発言していることです。語るに落ちるとはこのことです。この者の「私の戦争犯罪」という本に書かれている内容,特に日本軍が朝鮮人女性の慰安婦狩りを行い,強制連行したなどといった内容は真実としての裏付けを全く欠いていることは明らかです。この者の文筆活動や講演,謝罪行脚は日本人の父祖や散華された方々の名誉を著しく毀損するものであり,看過できません。
冒頭で述べましたように,残念ながら,この吉田清治という人間の文筆,講演活動は,いわゆる「従軍慰安婦」問題の売国的な拡大の一つのきっかけとなってしまったのです。ウィキペディアの「吉田清治」の項を参考にしてください。(怒りをもって続く)