東京都知事選が終わり,予想どおり,石原慎太郎さんが当選しました。まずは何よりの結果で,安心しました。石原さんが出馬しないと報道された段階では,私は呆然とし,日本の顔でもある東京都知事は一体誰になってしまうのだろうと本当に心配しました。幸い,石原さんはやむにやまれず出馬を決意してくれました。そうなった以上は,この選挙は既に結果が見えていた選挙と言えるでしょう。どうしたって石原さん以外にはあり得ないでしょう!
確かに石原さんの言動がこれまでに物議をかもしたことは少なからずありましたが,この方はやはり憂国の士であり,自由民主党の青嵐会出身らしくしっかりとした国家観があって,リーダーシップもあります。立派な政治家だと思いますよ。石原都政下で,財政面も治安面も相当に改善され,道徳教育も充実しておりましたし,彼の「我欲を抑えるべきだ。世界中を探したって,パチンコや自動販売機でこれほど電力を浪費しているような国は日本以外にどこにもない。」といった発言は正にそのとおりであって心から共感でき,やはり憂国の士だと思います。
東京都のGDPだけでもお隣の韓国全体のGDPに匹敵する経済規模なのです。世界の有力企業の支店等も東京に集まっております。その知事はやはり世界に向けた日本の顔です。その日本の顔にまかり間違っても東国原というような人がおさまってはいけないのです。選挙期間中にこのブログでめったなことを言いますと,公職選挙法違反になってしまいますので,極力控えておりましたが,実は私は東国原という人が嫌いです。油断ならないというか,俗っぽいというか,自分の値踏みができないというか,名誉欲の固まりというか,本当に浮薄な感じがするのです。宮崎県知事を1期で放り出したのですが,記者からその転身の方向性について質問を受けると,彼は決まって「あらゆる選択肢を排除しません。」などと言うのです。聞いている方としては彼が一体全体何がやりたいのか分からず,結局は宮崎県を踏み石にして最終的には国会議員や大臣になりたいのでしょう。今回の都知事選でも,彼は本当に石原さんに勝てるとは思ってはおらず,とにかく票を集めてもっともっと世間に認知されるということを目論んでいたと思います。開票結果後の「負けても得たものの方が大きかった。」というコメントはそれを如実に表していると思います。それにしても,彼が約169万票も集めたことは本当に信じられないし,東京の有権者はどうしちゃったんだろうと思います。もやもやした感じが残ります。
もやもやついでに,これは全く関係のないことかもしれませんが,実は私は,日曜日の午後7時にテレビ東京系列で放送されている「モヤモヤさまぁ~ず2」という番組に出てくる大江麻理子アナがとても好きです。癒されます。飛び切りとまではいえない美人ですが,出しゃばらず,落ち着いており,上品で,そして突っ込み甲斐のある,この番組ではぴったりの,得難いキャラクターだと思うのです。もちろんさまぁ~ずの2人も好きですし,随所に「パフッ」と入るラッパの音もいいし,男の人の変な抑揚のナレーションもいいと思います。
公述人という言葉をご存じでしょうか。公述人というのは,公聴会に自発的に又は求めに応じて出席し,意見を述べる利害関係者,学識経験者などをいいます。去る3月23日,参議院予算委員会の公聴会で,京都大学の藤井聡教授が公述人として意見を述べました。本当に素晴らしい内容だったと思います。
この公聴会で藤井教授は,緊急提案書を提出し,その中で「東日本復活五年計画」,「列島強靭化十年計画」を提案しておられます。特にこのたびの東日本大震災によるインフラ,地域社会の生活基盤の破壊はすさまじく,その復旧の青図をどうするのかが喫緊の課題です。藤井教授は,被災者の方々に対する「直接的な救済」はもちろんのこと「就労支援型の救済」を行うことが重要で,そのための「東日本ふるさと再生機構」の設立を提案され,これは東日本の復興までの時限的なもので,国が主体的に出資する法人として,様々な復興事業を推進していくというものです。
問題は財源です。インフラ整備を含めて,このような事業を行うためには総額で数十兆円もの財源が必要となりますが,藤井教授は,国債発行とともに日銀が国債を市中から買い取るオペレーション,積極的な金融政策を同時並行で行うことを提案されております。財務省はやたらと「財政破綻」論を吹聴しておりますが,藤井教授が言うように,そもそも日本の国債は「自国通貨建て」で,しかも「その9割以上が内債」なのであって,通貨危機の時の韓国や,最近のギリシャ,ポルトガルなどとは前提が全く異なっているのでしょう。同じことは,藤井教授が公述される前に,やはり公述人として登場された日本金融財政研究所長の菊池英博氏(経済学者)も全く同じ事を述べられております。大規模な財政出動をするしかないのでしょう,この時期には。
ところで,民主党政権はこれまで,災害対策予備費を生活保護の母子加算の財源に転用したり,いわゆる事業仕分けによって,学校耐震化予算を大幅に削減したり,原子力施設等防災対策等委託費を仕分けたり,スーパー堤防関連も同様に仕分けしたりなどなど,さんざんなことをしております。
私が何よりも胸のすく思いがしたのは,藤井教授は,これまでの民主党の「コンクリートから人へ」なる甘いスローガンを徹底的に批判し,参議院予算委員会に臨んだ民主党議員の前でも,次のように大きな声で明確に述べられたからです。
「さらに言いますなら、そのような、実際には破滅的であるものの、一定の集票効果が見込めるような 軽薄で 耳あたりがよい 甘い『スローガン』を、『国民の生命と財産をまもるべき政治に直接・間接に関わる人々』には、もう二度と、口になされないでいただきたいと、強く、祈念せずにはおれません。」
確かに,藤井教授が言われるとおり,このたびの東日本大震災においても,堤防によって津波から守られた街があったことは事実ですし,公共事業関係費によって進められた「リスクコミュニケーション(例えば,津波から逃げるべきだ)」を日頃から徹底していたことで,あの津波から身を守ることができた人々もおられます。
公述人としての藤井教授の発言に快哉を叫んだのは私だけではないでしょう。
今はただ,被災者の生活・再建の支援と福島第一原発の事故対応に全力を挙げていくべきであり,政権批判ばかりしている局面でないことは十分に承知していますが,やはり菅政権の対応ぶりを見ているともどかしさ,憤りを感じます。
特に福島第一原発の事故については,その対応を誤ると取り返しのつかない事態に発展する危険性があるのに,ありとあらゆる知見と情報,英知を結集したオール・ジャパンの体制で対応しているとは到底思えないのです。ここにもどかしさと憤りを感じます。記者会見は,官房長官,東京電力,原子力安全・保安院,原子力委員会などによりそれぞれバラバラに行われ,現在はいかなる状態にあって今後どうすべきかなどがわかりやすく国民に示されておらず,「原子力に詳しい」とされる菅という人は,最近では引きこもりがちで,挙げ句,専門家に「臨界って何ですか。」と質問までする始末です。世界に向けての情報発信もほとんどなく,情報が隠蔽的であるとさえ批判されています。
この菅という人は,最近やたら民間人を内閣官房参与に任命しようとしておりますが,もっと官僚を効果的,機能的に使うべきだという忠告には全く耳を貸さず,「(東京電力や官僚は)情報を隠している」と不満を漏らすだけですし,この期に及んでも怒鳴り散らしたり,イライラするだけで,「政治主導」のパフォーマンスの下,相変わらず官僚を効果的,機能的に使い切れておりません。またそのつもりもないようです。
この人は,何とか対策本部などといった複数の本部を7つほど作ったようです。しかしこの人は,例えば,内閣府に設置された被災者生活支援特別対策本部を初めて訪問したのは,震災後約2週間も経ってからですし,その滞在時間は僅か4分間だったそうです。また,この人は,防衛省災害対策本部の会議に初めて出席したのは,ようやく昨日だったそうです。「本部」はいくつもあるようですが,有機的に機能しているのでしょうか。何よりも重要なのは,そんなものをやたらに作ることではなく,ありとあらゆる情報が目詰まりなく集中し,ありとあらゆる知見を駆使してこれを分析し,有効な対策をたて,指揮命令系統を明確化し,人体のように有機的,機能的に力を発揮できるような体制を一つだけ作ることです。もう「政治主導」のパフォーマンスはたくさんです。
思えば,この民主党という政党は,ついこの間まで小沢,反小沢で事実上の分裂状態にあったのですし,党内にもいくつかのグループが林立し,今の菅政権はとても挙党態勢で支持されているとは到底思えません。しかも,このたび官房副長官に任命されたり,首相補佐官に任命されたのは,それぞれ仙谷由人,馬淵澄夫といういずれもついこの間問責決議がなされて退いた人々です。それに平成21年8月の総選挙で308議席も獲得した中には1年生議員が無数にいて,タンポポの種のように風に吹かれて国会議事堂に吹き寄せられてきたような人たちです。人材が払底しているのでしょう。
・・・もうやめましょう。気が滅入ってしまいます。とにかく,くどいようですが,今一番大切なのは,ありとあらゆる情報が目詰まりなく集中し,ありとあらゆる知見を駆使してこれを分析し,有効な対策をたて,指揮命令系統を明確化し,人体のように有機的,機能的に力を発揮できるような体制を一つだけ作ることです。
今朝の産経新聞に,「『日本に恩返し』思いが宙に浮く-各国の支援行き届かず-」という見出しの記事が出ていました。東北関東大震災の被災者の方々の肉体的,精神的苦痛はいかばかりかと,発する言葉もありません。救援物資がスムーズに行き渡らず,一日の配給が二食分しかなく,しかも一食がおにぎり一個だったり,パン一個だったりの地域もあるようですし,春とはいえ被災地は厳しい寒さであり,一枚でも多くの毛布が欲しいでしょう。
そんな中で,今朝の産経新聞の報道によると,日本に対する諸外国からの善意と支援の一部が行き場を失っており,「日本に恩返しをしたい」という各国の思いが宙に浮く格好になっているようです。たとえばある国は,毛布を数万枚送ると申し出てくれたにもかかわらず,日本政府はサイズ(80㌢×80㌢)を指定し,送られる予定の毛布が20㌢ほど「規格」に合わないとわかると,受け入れに強い難色を示したようです。結局は日本政府のいう「規格外」の毛布は,すったもんだの末にようやく日本に届けられたということです。何という硬直したばかげた対応でしょう。被災地にいる人の低体温症が危惧される中で,一枚でも多くの毛布で身を包みたいでしょうに,20㌢ほど「規格」に合わないことがどうして善意受け入れの障害になるのでしょうか。
「日本からはいろいろな支援を受けてきたので、その恩返しをしたい。受け入れ側の事情も理解しており、不必要なものを送るつもりもない。それでも日本政府の対応は首をかしげる」(東南アジア筋)という声は小さくないそうです。ある国などは,日本に米を送るに当たり,少しでも日本人の口に合うようにと,モチ米を混ぜる工夫までしていたとのことです。本当に,本当にありがたい善意です。
また,他国の善意を失礼,非礼で返すような菅政権の許し難い行為もあります。震災直後,比較的親日的な台湾政府は,すぐに救助隊の派遣を準備し日本にその受け入れを申し出たにもかかわらず,菅政権は,この台湾からの救助隊派遣を二日間も待たせたのです。その間,他国からの救助隊は続々と日本に来ているのにです。中国政府からの救助隊が3月13日に到着したところで,菅政権はようやくその夜に台湾政府からの救助隊受け入れを決定し,同政府からの救助隊はやっと3月14日,羽田空港に到着したのです。菅政権は,政治的な思惑から台湾政府の善意を足止めしたとしか思えません。極めて非礼で,許し難い対応だと思います。
このたびの東北関東大震災で被災された方々には心からお見舞い申し上げます。新聞やテレビでその未曾有の被災状況を目にするたびに,この気持ちを強くします。私としては現時点で自分にできることをするのみです。
予断を許さぬ福島第一原発の問題,被災者救済の問題,今後のインフラ整備等の災害復旧の問題などが山積している現在,今の政権で何とか効果的な対策を決断,実行していかなければならず,政権批判はできるだけ差し控えなければならないのでしょうが,やはりどうしても言いたいことがあります。
フジテレビ系「新報道2001」が先日首都圏で実施した世論調査によると,菅内閣支持率が24%から35.6%に急上昇したそうです。私はこの数字を見てもびっくりしませんでした。即時に自分なりに分析できたからです。この数字は大地震が発生した後の菅内閣の対応が素晴らしかったと評価した結果では毛頭なく,この未曾有の大災害を前にしては,政治的空白を一瞬でも作ってはいけない,今はただ挙国一致でこの国難を乗り越えなくてはならないという意志の表れだと思います。私に言わせれば,よりにもよって最低・最悪の政権の時に最悪の大惨事が発生した,でも今は総辞職や解散総選挙などで政治的空白を作れない,こんなどうしようもない連中でも「何とか頑張れ」と言って任せるしかないという有権者の気持ちの反映だと思います。でも翻って考えれば,国家の命運がかかっているこのような非常時においても有権者(首都圏)の約3分の2は支持していないような政権って・・・。
新聞報道によると菅という人は,去る土曜日の午前中に首相官邸で会った人物は,鳩山前首相,小沢元代表,前原前外相だけだったようです。一体全体何をやっているのでしょうか。福島第一原発は予断を許さない状況,被災地には物資が届きにくい状況だというのに,こういった面々に会ったところで何になるのでしょう。何らの根回しもせず,電話一本で自由民主党の谷垣総裁に入閣を求めてあえなく固持されています。野党が協力しないからというアリバイ作り,責任転嫁の布石を打ったつもりでしょうか。
菅という人は,どうひいき目に見ても無能で演技(パフォーマンス)だけの人です。この人の希望で21日にはヘリコプターで現地視察に行く予定になっていたようですが,悪天候で中止になったそうです。悪天候といっても,雨が降っただけです。雨が降っただけで中止になるような現地視察ならば,そもそもそんな必要があったのか,また何ほどの効果が期待できたのでしょうか。視察受け入れのために準備せざるを得なかった現地スタッフは,当然災害復旧の方に力を注ぎたかったに違いありません。菅という人は,大震災が起き,福島第一原発に視察に行ったようですが,そのために現場の職員は現地受け入れ,対応等に時間を取られ,予定されていた対策がかえって遅れてしまい,その後に水素爆発が発生しております。東京電力本社にのこのこ出かけ,会社関係者に約3時間もこの人との対応を余儀なくさせ,これまた現場対応を遅らせたことで批判されております。
首相官邸でルーピー鳩山らに会っているような内向きで無駄な時間(ひま)があるのだったら,世界各国に向けて(同時通訳を使って),①救援隊の派遣,救援物資の援助等に対する心からの謝意を表明すること,②福島第一原発の現在の状況と今後の対策等をデータに基づいて専門家同席の下で明確に説明すること,などを目的とした会見を行うべきです。
そして,菅政権は大震災発生後,7つほどの対策本部や会議なるものを立ち上げたようですが,到底機能しているとは思えません(「震災対策合同会議」における岡田幹事長の妙な取り仕切りぶりは産経新聞でも批判されているとおりです。)。また,完全にはき違えた「政治主導」やパフォーマンスではなく(辻元や蓮舫はいらない。),災害対策の経験のある実務者,官僚,米国等の専門家の知見をうまく使いこなし,組織的で有機的に機能するような,指揮命令系統がしっかりした対策本部を作り,果断に実行に移すべきです。
このたびの東日本大震災の被災状況に関する報道,ニュースをずっと見ていたが,泣けて仕方がない。日曜日の読売新聞朝刊には,無事であった孫を泣きながらしっかりと抱きしめる祖母,流された家の跡を見て嘆き悲しむ2人の年配女性,父母の安否が分からないままろうそくの火の周りで集まって不安の一夜を過ごす子供たち,などの写真が掲載されていた。写真はそれらの人々の悲しみと不安を雄弁に物語る。それら報道写真を見たら,泣けて泣けて仕方なかった。家族に悟られまいと,当分の間は新聞を広げたままであった。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りします。また,そのご遺族のご心痛を心からお見舞い申し上げます。
もう小賢しいことを言っている場合ではない。悲しいときは徹底的に悲しむ。被災した人もそうでない人もみんなである。しかる後に,日本国民は冷静に,これまで何度も果たしてきたように,粘り強く復興を果たすのである。
それにしても,これほどの激甚災害に遭いながら,暴動もない,略奪もない,行列を乱す人もない,弱者をいたわり秩序正しく冷静に行動できる民族とは・・・。誇らしくてまた泣けてくる。
北方領土をめぐる最近のロシアの傍若無人で理不尽な対応は目に余るものがある。首脳が足を踏み入れたり,軍艦が接岸できる施設を完成したり,ミサイル配備を示唆したり,中国や韓国への投資を呼びかけたり・・・。中国はといえばこれまた相変わらず尖閣諸島沖で傍若無人で理不尽な行動を繰りかえしている。これら独裁的体質を有する国,一党独裁の国が傍若無人に行動しやすいのは明らかであるが,なぜこの時期にこれらの現象が次から次に起こったのか,その理由は明らかである。今の民主党政権の下では外交や安全保障が完全に機能不全に陥っており,この史上最低・最悪の政権は,中国やロシアに対して,今の日本に対しては「何でもあり」だ,何をやっても大事には至らない,やるなら今のうちだというメッセージを与えてしまっているからだと思う。
ただ,さる3月6日の日曜日の産経新聞の朝刊には,モスクワ支局長の佐藤貴生記者が書いた「『自由と繁栄の弧』を再び」というタイトルの記事が載っていたのだが,なかなか良い記事だった。その一部を引用すると,
「在露米国大使館は2月18日、『この問題での日本の立場を指示する。(北方領土の)島々への日本の主権を認める』と表明した。」
「その欧州議会も2005年、『ソ連により占領され、ロシアが現在占拠している北方領土の日本への返還』を求める決議を採択している。」
「一方、遠藤良介・モスクワ特派員がバルト三国のリトアニアでインタビューしたランズベルギス元最高会議議長は、『(北方領土返還を)要求する権利は日本にある』とした上で、『ロシアに対しては自らの尊厳をもって向き合わねばならない。小国には懲罰を受ける懸念からそれが難しいが、日本がロシアを恐れる理由は全くない』と語った。」
「世界を見渡せば、日本の味方はあちこちに存在する。問題は、その貴重な日本外交の『資源』を、領土返還の後ろ盾として活用し切れていないことにある。」
この北方領土問題は,まずは国民一人一人の意識と,ロシアの現在の実効支配は国際法上何の根拠もなく,北方四島は日本固有の領土である確かな理由・歴史を学習,理解することから始まり,その上で意識が高く,腰抜けの外務官僚を矯正,導いていくことのできる,そして相手国首脳,高官との太いパイプを築き,有効な外交を展開していくことのできる有能な国会議員を自分の手で選ぶしかない。ルーピー鳩山などに票を入れるなど,酔狂を演じている場合ではない。とにかく粘り強さをもって取り組んでいくことが必要である。先ほど引用した記事は我々に勇気を与えてくれるものではあるが,度し難い民主党政権が続く限り,日本という国は本当にどこからも相手にされなくなる。一刻も早く退場して欲しい。
私が意欲作だと思った「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」(若宮健著,祥伝社新書)という本の話の続きである。
韓国にもかつてパチンコ産業があり,日本円にして約3兆円の規模だったようだが,韓国では,パチンコによる依存症の危険性を国として認識し,2006年8月には全面禁止になった(同書12頁)。素晴らしいことである。パチンコ産業が盛んなころ,韓国でも,パチンコがらみの自殺,家庭崩壊,犯罪が目立ちはじめ,社会問題になっていたのである。
では日本ではどうか。昨日のブログでも書いたように,どう考えてもパチンコは賭博なのに,駅前の一等地にパチンコ店がでーんと構え,主婦や若者,老人が昼間から夢中になり,店内にはATMまで設置されているような国がまともな国とは到底思えない。ギャンブル依存症という病気,パチンコマネーの北朝鮮への流出,パチンコにのめり込むことによる多重債務,家庭崩壊など,やはり日本でも同様の問題がある。
この本は,韓国では迅速にパチンコの全面禁止ができたのに,日本ではできない大きな理由として3つほどを挙げている。
第1は,政治家たちが政治献金に目が眩み,業界を擁護していること(同書180頁)。パチンコ業者数十社から構成される「パチンコチェーンストア協会(PCSA)」のアドバイザーとして,2010年10月現在,複数の政党の国会議員が名を連ねているが,民主党議員の数が圧倒的に多い(同書148頁)。さらに,パチンコ業界を応援する団体として「民主党娯楽産業健全育成研究会」だけでなく,さらに「民主党新時代娯楽産業健全育成プロジェクトチーム」という組織もある(同書150頁)。彼らは,正に票と金が欲しくて業界に迎合し,日本国民のことを真剣に考えてはいない。彼らの活動目的(すごいことが書いてある)を知るにつけて暗澹たる気持ちになる。どんな議員が名を連ねているかはネットを調べればすぐに分かる。
第2は,マスコミがメディアとしての責任を果たしていないこと(同書180~181頁)。韓国でパチンコが全面禁止されたことをマスコミはその当時報じたであろうか。そしてパチンコがらみのネガティブな問題をちゃんと報道しているであろうか。我々のメディア・リテラシーが試されている。要するに新聞もテレビも広告収入を失いたくなく,パチンコ業界に頭が上がらないのである。パチンコメーカーやパチンコ店のCMが新聞,テレビを飾らない日はない。
第3は,天下りによる警察利権である(同書198頁以下)。財団法人保安電子通信技術協会(「保通協」),日本電動式遊技機工業協同組合(「日電協」),日本遊技機工業組合(「日工組」),などなど・・・。パチンコ業界からは試験検定料など莫大なお金が保通協などに支払われる。そして,これらの多くの団体の役員に名を連ねているのは警察OBである。これではどうしようもない。
こういう本がこれからもどんどん世に出て欲しい。
「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」(若宮健著,祥伝社新書)という本はすごい意欲作だと思う。新書だからせいぜい200ページ強の著作だが,あっという間に読めてしまった。説得力があるのである。ジャーナリストというのは,どんなテーマでも実際に足を運んで精力的な取材をしなければ説得力のある著作を世に出すことはできない。
この意欲作とも評価すべき著作は,パチンコ店での依存性の高い人々の生態,パチンコ業界と警察利権,マスコミがパチンコ業界に頭が上がらない理由などが説得力をもって展開されている。
私も仕事で車を走らせている時,平日朝の開店前にパチンコ店の前に多くの人の行列ができているシーンを見ると,暗澹たる気持ちになる。人の趣味・嗜好なのだから余計なお世話だと言われそうだが,どう考えてもパチンコは賭博なのに,駅前の一等地にパチンコ店がでーんと構え,主婦や若者,老人が昼間から夢中になり,店内にはATMまで設置されているような国がまともな国とは到底思えないのである。
この本の中には,パチンコ店員が実際に見聞きしたことなどについて,概略次のような記述がある。
・「俺さ、パチンコ屋で働いていたのよ。お客さんの中にさ、負けても負けても、毎日通ってくるオバちゃんがいたのね。結構性格のいい人でさあ、たまに勝った時とかジュースくれたりするんだ。でもオバちゃんの持ち物が、だんだん安物になっていくんだわ。それで、今まで五万円とか打っていたのに、だんだん使う金も少なくなっていって・・・・、それでも、ほぼ毎日来てたよ。んで、ある日、『今日はあのオバちゃんこないねえ』って言ってたら、次の日、隣町のパチンコ屋のトイレで首つってたよ。」(元店員のネットでの書き込み,同書85~86頁)
・「手にお守りを握りしめて打っていた年配の女性は、ある日ドル箱を五箱積んでいた。次々と飲み込まれて、穂積さんが、最後の一箱を台の前に上げてやったら、ポロッと涙を流した。」(元店員の体験,同書90頁)
・「筆者も、パチンコ店を取材していつも思うが、ほとんどの客は、暗い表情でパチンコ台に向かっていることだ。嬉しそうな顔をして打っている客は、なぜかいない。玉が出ているときでも、申し合わせたように暗い顔をして打っている。」(同書87頁)
ギャンブル依存症という病気がれっきとして存在し,そのうちのパチンコ依存の占める割合は相当高率だと思われる。それにパチンコマネーの北朝鮮への流出,そしてこれはパチンコ店の存在自体に直ちに結びつけるわけにはいかないものの乳幼児を車内に放置したままのパチンコ遊技,などなど。
2009年の時点で,パチンコ業界の売上高は21兆650億円に上っている。すごい経済規模である。21兆円もの庶民のお金が他のものに使われたとしたら・・。例えば,家族そろっての外食,旅行,コンサート,書籍等購入,教育投資など自己実現のための投資,日用品の購入・・・。すごい経済効果があるし,税収も増えるし,家族の絆もより深まる(続く)。
西 郷「・・・あー,最近どうよ?」
大久保「・・・あー,・・何かなぁ・・。お前こそどうよ?」
西 郷「・・・あー,・・何かなぁ・・。まぁ,飲もう。お前と飲むときくらいは,なんか景気のいい,なんか嬉しくなるような話をしようよ。」
大久保「そうだな。ああ,・・・嬉しいってったらね,この前新聞で見たけど,今年は寒ブリが大漁なんだってよ。特に富山の氷見,しかも去年と比べるとべらぼうに大漁だと。嬉しいね-。」
西 郷「ホントかあ。俺さぁ,ブリしゃぶってやつ,ブリのしゃぶしゃぶが好きでね。ますますお酒が進んじゃうね。」
大久保「俺は寒ブリを甘辛く煮た,煮付けがいいな・・・。お前も何か嬉しい話題を提供しろよ。何かないのか?」
西 郷「待ってました!とっておきのやつがあるぞっ。」
大久保「何だ。もったいぶらずに早く教えろ。」
西 郷「ムフフッ・・。知りたい?」
大久保「お前,ホントに嫌なやつだね。・・・早くっ(怒)。」
西 郷「ムフフッ・・。・・・・・・ムフフッ・・。」
大久保「・・・ええ加減にせいっ!(西郷の皿の上にあった彼の好物の串カツを奪い)早く教えないとこれ食っちゃうぞ!」
西 郷「あ,やめてやめて!そういう大人げないこと,卑怯なことはやめてっ。頼むからその串カツだけは返して。それやられると,友人関係に回復しがたい亀裂が生じると思う。」
大久保「よし,お前がそのとっておきとやらの話題をすんなり話し始めたら,返してやるわ。」
西 郷「分かった。その話題というのはね・・・,とうとう,とうとう,待望の事態が発生しました。共同通信の世論調査で菅内閣の最新の支持率が19.9%,ついに危険水域20%を割ってしまいましたっ。」
大久保「おおーーーっ(笑)。やったーっ!(この時ようやく西郷の串カツを返還する)」
西 郷「本当に良かったね。俺は嬉しい(涙)。いやね,俺は別に菅直人という人と面識があるわけでもないし,嫌いだけど個人的な恨みがあるわけでもない。でもね,もう民主党政権がこのまま続けば,日本という国が立ち直れなくなるくらいダメになってしまうんだ。」
大久保「ホントだな。平成21年8月の衆議院議員総選挙で政権交代になったけど,この時のマニフェストの内容は一体全体,どれだけ実現できたのか,また今後できる見込みがあるのか。全くといっていいほど,見込みがないし,そもそも裏付けがあって作成されたものでないことが今では完全にはっきりしている。」
西 郷「それもそうだが,そもそもマニフェストどおりにやられても日本がもたない。これから税率を上げようとしている消費税の一部を『子供手当』や『高速道路無償化』などのバラマキにも使ったんじゃ,結局国の借金が増えるだけでしょう。それに,どうだ外交面での度重なる敗北感。民主党という政権は,首脳間のホットライン,議員・高官同士の太いパイプ,きちっとした外交戦略に立脚した効果的な外交戦術の展開などが全くできていない。現時点では最も重要な同盟国からの信頼も失っている。」
大久保「外交どころか,とにかく内向きで,政治とカネの問題で疑惑だらけの小沢一郎元代表の処分にどれだけの時間をかけているのか。さらには予算関連法案を再可決するための数合わせに躍起で,普天間問題であれだけ引っかき回された社民党なる政党,衆議院でわずか6議席しかない政党に今度も秋波を送り,こんな政党から普天間基地移設関連経費の削除や法人税率下げの撤回など,とんでもない要求を突きつけられて悩んでいるような体たらくだ。もはや政党としての・・・」
西 郷「分かってる分かってる,みなまで言うな。俺が言う。もはや政党としての体をなしていない。なぜならば,民主党の中にはマニフェストを見直そうという流れと,マニフェストどおりやるべきだという流れとがある。概ね小沢グループと言われている集団は,後者の考えをとる傾向にある。でもね,民主党のマニフェストを実現することなんてそもそも無理なんであって,それならばこんなマニフェストをかかげて308議席もとったあの政権奪取自体に正当性がなかったことになる。有権者に嘘をついていたんだから。予算の組み替えで16.8兆円なんか直ぐに捻出できるなんて夢物語をほざいていたんだから。違うか?また,マニフェストどおりにやるべきだとする考え自体も破滅的であって,論外だ。要するに,今の民主党にはまともな人は皆無だということ・・・。」
(ここで居酒屋の店員登場)
店 員「・・・あのー,すいませんお客さん,そろそろ看板なんですけど・・・」
大久保「・・ああ,悪かったね。もうそんな時間か・・。」
西 郷「ごめんね。また今日来るわ(笑)。」