いつも見ていた訳ではないけれど,僕がまだ少年だったころに,「ロンパールーム」という幼児向け番組がやっていた。「鏡よ鏡よ鏡さん・・・」というやつである。その番組では,良い子のにこちゃんと,悪い子のこまったちゃんが登場していた。社民党の福島みずほという党首は,本当にこまったちゃんである。この人や社民党こそ,つける薬がないと思う(もっとも民主党もだけど)。「ロンパールーム」のこまったちゃんは割と可愛いけれど,この党首の場合はそのビジュアル面にその思想,行動をダブらせるとすごく醜悪に見えてしまう。思わずチャンネルを変えてしまいたい衝動に駆られるのである。実際には「また何をバカなことを言っているのだろう。」と思いながらその発言を聞いたあとに変えるのであるが・・・。
この人は,米軍海兵隊普天間基地移設問題に関し,重みをもつ日米共同声明が基本的に現行案(辺野古沖)を前提にし,またその移転先を明記することなどに強烈に反対し,最近では仮に政府方針の中には移転先が明記されなくても,日米共同声明に移転先が明記されることとの関係ではダブルスタンダードだとして,閣議決定に反対,署名拒否をする旨を明確に表明した。あげくに,本来所管すべき仕事もそっちのけで単独で沖縄を訪問したり,テニアンの関係者と会談したりしている。完全に閣内不一致なのではないのか。鳩山首相はなぜこの閣僚を罷免しないのか。昨年末に連立維持を重視して政府案決定を先送りし,同盟の相手国の信頼を喪失してしまった愚を繰り返そうとしている。
社民党というのは,衆議院議員定数480名のうちの僅か7名,参議院議員定数242名のうちの僅か5名という政党である。議席の占有率からすれば僅か1.66パーセントに過ぎない。この政党の党首が「国民,国民」と言ってあたかも国民の意思を代弁しているかのように述べているが,いったいどれほどの支持を得ていると認識しているのであろうか。この党首は,社会主義インターナショナル副議長であるし,少子化対策の担当大臣であるにもかかわらず,家族制度そのものに反対し,「産まない選択 子供を持たない楽しさ」なる本まで出している(笑)。こんな人がこともあろうに少子化対策の担当大臣に任命されているとは,笑えないブラック・ジョークであり,やはり鳩山首相というのは尋常ではない。結局はこの人のことに行き着くのだから,ぐるぐる回っており,ルーピーの状態である。
再び社民党であるが,この政党と党首は政権内や同盟の相手方をさんざん引っかき回して,さんざん困惑させることによって「存在感」を示そうとしているのだろう。極めてネガティブな存在感しか示すことができていない。こんなことを続けている社民党という政党の党勢がこれからどうなるのか,今度の参議院議員選挙がとても楽しみである。
5月10日の読売新聞の発表によると,最新の世論調査で鳩山内閣の支持率が24パーセントだという。え゛ぇ゛ーっ!思わず「え」に濁点である。まだ約4人に1人は支持してるの?とうとうわが日本も凄いことになっていますね。こんな政治状況を目の当たりにしても4人に1人が支持しているとは。この鳩山由紀夫という人のことはもうとやかく言うまい。思えば,この人は,初代の伊藤博文から数えて60人目の内閣総理大臣だが,総理大臣としての資質,能力についてこれほどまでに取り沙汰された人はいなかったのではないか。まだこの内閣を支持しているという人というのは,旧社会党系や連合,日教組などのコアな人たちなのだろう。
上海万博が今も続いているようだが,報道によると日本館には日の丸の国旗が掲揚されていないらしい。え゛ぇ゛ーっ!これも思わず「え」に濁点である。他の国のパビリオンの多くは自国の国旗を誇らしげに掲げているのに,なぜ日本館は掲げていないのか。新聞報道によると,反日感情に配慮したということらしい。何と卑屈な,何と情けない態度だろう。こういう態度を続けることこそがかえって将来にとって悪い影響を与えるのである。堂々と日の丸を掲揚し,それで何か反日的なトラブルが生じたならば,それこそが中国のこれまでの反日教育の結果だということを天下に示すことができる。国の誇りをなくしてはいけない。
かつてオリンピックで柔道金メダルを獲得した谷亮子さんが,この夏の参議院議員選挙で,民主党から比例代表で立候補することが伝えられた。しかも,母親としての育児,議員としての活動,ロンドンオリンピックでの金メダル(現役続行)を目指しているという。え゛ぇ゛ーっ!これまた思わず「え」に濁点である。確かにその心意気はいいとしても,少なくとも有権者の一人である僕自身は,そんな政治家を期待してはいない。僕が本当に待望しているのは,本当の意味での政治家(ステイツマン)である。この日本では選良という言葉は死語になってしまったのか。オリンピックで金メダルを獲得することは並大抵の努力ではできないはず。母親としての育児も極めて重要な役割である。それらと議員活動が両立するとはとても思えない。各政党も選挙で有名人に依存するにもほどがある。かつて民主党から議員になった女子プロゴルファーの父親は,議員になって以降,どんな仕事をしたというのか。「物議を醸した」ことが唯一の「仕事」だったのではないか。議員歳費は僕らの税金から賄われている。納税者としてはとても辛い。本当の意味での政治家(ステイツマン)を心から待望している。
大久保「・・・・・・。」
西 郷「おめぇ,元気ないな。・・・・・どうしたんだ。オレと会った時くらい,楽しく飲んでなんぼだろ。」
大久保「・・あぁ。・・・・・実はな,NHKのやつ,オレに何の断りもなく,突然『ぜんまいざむらい』の放送を止めやがって。」
西 郷「・・・あっ,そうだったのか。お前,ある意味じゃ,『ぜんまいざむらい』が生きがいだったのになぁ。」
大久保「・・・あぁ,このダメージは大きい。かくなる上は,まだ持ってない『ぜんまいざむらい』のDVDを買って,かみちよねーさんに会うしかない。」
西 郷「ハッ,ハッ,ハッ。まぁ,せいぜいがんばれよ。・・・それにしてもお前,髪の毛サッパリしたな。」
大久保「うん,土曜日に散髪に行ってきた。・・・あぁ,そうそう,お前も床屋さんに行くだろう?」
西 郷「そりゃ,行くわ。」
大久保「途中で,耳掃除してもらう?」
西 郷「うん,あれって,結構気持ちいいな。」
大久保「耳掃除してもらった後,・・・耳の穴をふさがれて,指でポンポンってされない?」
西 郷「あぁ,される,される。」
大久保「あれって,どういう意味があるの?」
西 郷「・・・・・・意味について深く考察したことはないけど・・・。これまた形而上学的に深い意味があるのかもしれないぞ。」
大久保「(お待ちどおさまっ)・・・あっ,来た,来た。お待ちかねの『うずらの玉子の串カツ』。これって,本当に美味いよな。」
西 郷「・・あぁ,オレにもちゃんと2本よこせよ。・・・あっ,そうそう,来た,来たと言えば,やっぱりとうとう来たよな。」
大久保「何が?」
西 郷「お前,知らないの?『子供手当』だよっ。」
大久保「・・・ん?」
西 郷「お前,そうやって鈍いから課長補佐にもなれないんだ。」
大久保「余計なお世話だ。お前が言うな!でも,何が来たんだ?」
西 郷「尼崎市に住んでいる韓国人男性が,タイで養子縁組したという554人分の養子の子供手当の申請をするために,尼崎市役所の窓口に来たというんだ。本気で受給するためにいろんな資料をそろえて。」
大久保「えーっ!・・・認められたら年間いくらになるんだ?」
西 郷「約8600万円だと。」
大久保「それって,受理されて,給付されることになったのか?」
西 郷「なわけねぇだろっ。却下されたということだ。『社会通念』を理由に。でもね,この子供手当の法案の審議の際に問題になっていたことが,現実に起こったね。」
大久保「・・・でもね,こういう申請をするというのは,日本人のメンタリティーには絶対ないよね。日本には『恥を知る』って言葉があるように。」
西 郷「うん。でも,『社会通念』という基準も曖昧だし,これが9人だったら通ったのかという気もする。この例に限らず,市町村の現場では,連日外国人が押しかけて大変だってよ。」
大久保「民主党という政党は,とにかくこの子供手当法案の審議も早々に打ち切って,採決を強行してしまった。今年の参議院議員選挙前に最初の給付を間に合わせようとしたんだ。給付要件の認定などは現場に丸投げ。選挙のことしか頭にない。」
西 郷「・・・でもね。さすがに,さすがにだよ,もう有権者もだまされないんじゃないの?政治とカネの問題や,普天間問題などの迷走ぶりからすれば・・・。」
大久保「・・・そう願いたいんだけどね。」
鳩山由紀夫という人の今の政治家としての有り様は悲惨の一語に尽きる。しかも一国の首相なのである。この人は,先の遅すぎた沖縄訪問の際に,ようやく「抑止力」という言葉を用いた。この米軍海兵隊普天間基地移設問題は,「抑止力」に対する考察抜きには考えられない問題だというのに・・・。防衛や抑止力について「学ばせていただいた」末にようやく思い至っただと(笑)。
ある雑誌で久保紘之というジャーナリストが,今の鳩山由紀夫という人の政治家としての有り様について,政治学者マックス・ウェーバーの「心情倫理」という言葉で説明していた。僕はこの説明に思わず納得し,腹に落ちた。日本大百科全書(小学館)ではこの「心情倫理」のことを次のように説明している。
「M・ウェーバーの用語で,責任倫理と対をなす。彼は,あらゆる倫理的行為を律する二つの対立した原則として,この二つを理念型的に区別する。行為の類型からすれば,心情倫理は価値合理的行為に,責任倫理は目的合理的行為に対応する。心情倫理においては,ある行為がどのような結果をもらたそうとも,それを意に介することなく,ひたすら自分が正しいと信じる究極的価値ないし倫理的命令に従って行為することが求められる。事の成否は問わない。『人事を尽くして天命を待つ』という態度である。・・・・・ここでは純粋な心情の炎に燃えて無条件かつ一義的に献身することだけが求められるから,もしその目的に成功の望みがなく実現不可能な場合には,破滅的な結果ともなりかねない。」
この鳩山由紀夫という人は,「日本列島は日本人だけのものではない」,「駐留なき安保」などと言ったり,「東アジア共同体」をぶち上げたりしており,最終的には国という形をなくしてしまう「地球市民」的な友愛発想に凝り固まっているのであろう。自分の信念に従って自分なりに頑張って努力したんだから,仮に普天間問題で上手くいかなくても信念と努力とを認めて欲しいという態度なのではないかと思う。そうすると,正にさきほどの「心情倫理」という言葉,定義で説明がつく。
し,しかしだ。政治は結果責任だと思うよ。少年野球だったら一生懸命やればそれなりに褒められるけど・・・。いやいや,本人は一生懸命のつもりだろうけど,例えばこの普天間問題だって,果たして一生懸命と言えるのだろうか。極めて疑問である。実効性ある外交がなされているとは到底言えない。「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(若泉敬著,文藝春秋)という本を読むと,当時の沖縄返還交渉問題について,佐藤首相,保利官房長官,愛知外相,岸(信介)特使,若泉特使らの組織的,一体的,意欲的,実効的な外交が展開されていたことが手に取るように分かる。今の政権と比較するのも失礼なくらいである。次元と格が違いすぎるのである。
大久保「・・・それにしてもお前,よく飲むねぇ。」
西 郷「いいじゃん。意識は清明だし,弁舌さわやかだし。・・・・・それに,週2日はちゃんと休肝日は確保してるし。・・・いいじゃん。」
大久保「ほんじゃぁ,バターで炒めた子持ちししゃもを食べながら,今度は政治の話でもしようか。」
西 郷「うん。最近じゃ,新党ばやりだな。『新党改革』というのができて,その代表が舛添要一なんだってね。アンケートでは次の首相にしたい人気ナンバーワンの。どうだろね,この政党は。」
大久保「うーん,この流れができるまでの経過はよく分からんが,何か確たる国家ビジョン,確たる政策,それに構成員の確たる共通認識があるとも思えんな。第一,舛添という人がな・・・。」
西 郷「何なんだ。」
大久保「実はな,・・・言いにくいんだけど,俺,舛添さんの顔見てると,どうしてもゲゲゲの鬼太郎に出てくるねずみ男を連想しちゃうんだ。・・・言いにくいけど。」
西 郷「・・・はっ,はっ,は。お前,いつからそうなっちゃったんだ。」
大久保「この人は国際政治学者だったそうだが,議員に転身してテレビで顔を見るようになってからは,なぜかは知らないけど,ねずみ男を連想するようになってしまったんだ。ずっとね。容貌のことを言っては本来いけなんだろうけど。」
西 郷「ふーん,自然に連想しちゃうんだからしょうがないね。お前を責める訳にはいかないね(笑)。それにしても,今回は新党といっても,いったんは『改革クラブ』に彼が入って,その後に党名を変える手法をとるそうだ。そういう手法をとったのは,結局は1月1日を基準日として『改革クラブ』は年額約1億2000万円を政党交付金としてもらえるから,このお金が目当てなんじゃないかと俺は思うね。それにその他の構成員はこの夏の参議院選挙で改選期を迎える議員だし,いわゆる舛添人気にあやかりたいという利害が一致したんだと思う。」
大久保「お前,飲んだくれの割りには鋭いね。ごくたまにはいいこと言うじゃん。そういう不純ともいえる動機に嫌気が差したのかどうかしらないが,中村喜四郎衆議院議員や大江康弘参議院議員は『改革クラブ』に離党届を出したそうだ。」
西 郷「それにな,舛添という人が本当に国民の人気が高いのかどうか,どんなアンケートを実施したのか,すごく疑問なんだよ。この人は,政党人でありながら党のために汗をかかないし,口先だけという傾向があるし,何しろマスコミ目線で目立ちたがり屋だから,自民党内でもあまり人望はなかったらしい。」
大久保「俺が何より怒ったのは,この舛添という人は,『新党改革』の立ち上げの記者会見の際に,テーブルの上にあった小さな国旗(日の丸)を「じゃまだよね。」と言って撤去したんだ。小さいとはいえ,わが日本国の国旗だよ。この行為は俺にとっては許せないし,彼が永住外国人の地方参政権賛成論者であるところも気にくわない。」
西 郷「舛添さんがテレビに出て新党のことについて質問された時,『発射台があればいい。発射台になってくださるというありがたい人が党派を超えていた。』と発言したことが新聞に書いてあった。他の5人を発射台呼ばわりしているんだ。将来は再編によって自分の党を作りたいんだろうけど,スタンドプレーヤーなんだよ,きっと。」
大久保「この夏の参議院選挙で使用する略称を,いったんは『ますぞえ新党』に決めたそうだ。結局は公職選挙法上の問題でダメになったみたいだけど,こういうことからしても俗っぽい人物だと思う。訳の分からないアンケートでなまじ首相にしたい候補ナンバーワンになってしまったものだから,すっかり本人がその気になってしまっている。自分の値踏みが出来ないというのは,だめだね。」
西 郷「値踏みといえばね,この店の子持ちししゃものバター炒めは一皿150円だよ。本当に美味いのに安すぎる。いい意味で値踏みができてないね。」
とうとう「つける薬がない」シリーズも13までいってしまった。新聞報道によれば,アメリカのワシントン・ポスト紙の人気コラムの中で,先の核安全サミットに出席した鳩山由紀夫首相について「このショーの最大の敗北者は断然、哀れでますますいかれた日本の鳩山由紀夫首相だった」と表現されていることが明らかになった。確かにこのような表現は,一般論としては一国の首相に対して非礼であろう。でも,非礼ではあるが,その内容は正しいのである。この首相がその任に就いてからのこれまでの言動を総合的に評価すれば,やはり国の内外からこのように蔑まれても仕方がない。そのように評されても無理ないのである。
普天間飛行場移設問題に関する現行案というのは,日米の政治家,実務者が10数年にわたって協議し,これが政治的にも軍事的にも持続可能で最善だとして成り立ち,一旦は名護市も苦渋の選択として受け入れたものである。鳩山政権はそれが何故だめなのかについて説得的に説明をしてきただろうか。思い起こせば鳩山首相は,昨年秋のオバマ大統領との会談の際に「プリーズ,トラスト・ミー」と言って一応安心させた直後に,今度は現行案を前提とするなら協議する意味がないなどと180度違うことを言ってアメリカ側の不信を買った。折しも,訳の分からない「東アジア共同体」構想を打ち上げた頃だったから,その不信感は増幅した。その後この人は,現状では軍事的にも政治的にも極めて重要な日米同盟よりも,社民党のような政党との連立維持を重視して「国外,最低でも県外」などと成算もなく軽々しく述べた。結局その年には,移転先を「決めない」ことを決めた(笑)。
挙げ句には,年明けの名護市長選挙では少差だったが移設受入れ反対を表明した候補が当選し,ますます混迷の度を深めた。そして3月末までには政府案を確定すると言いながら,その期限直前には「3月末までにやらなきゃならないなんて,法律で決まっている訳ではない。」と言い出して,少なくとも僕は呆れかえった。それまでの間,「脱官僚」だか何だか知らないが,防衛省の実務者を交えながら防衛戦略上有効で実現可能な案を練ってきたフシもないし,かつてのように首相自らが沖縄を何度も訪れたということもないし,しかもアメリカ側と密に協議してきたフシも全くない。さらには,この人が「腹案」と称しているものについても,アメリカ側としては協議以前の案だと評価している。というのも,陸上部隊とヘリ部隊とを分断するような案が軍事的・防衛戦略的に有効なものとは到底言えないからだ。アメリカ側としては,政権交代がなされたことは事実として踏まえつつも,「鳩山らはもっとちゃんと仕事をしてくれ!」と言いたいのであろう。当たり前である。
実は先の核安全サミットにおけるオバマ大統領との僅か10分間の非公式会談の際,新聞報道によれば,この鳩山という人は,同大統領から「きちんと責任取れるのか」などと厳しい言葉を投げかけられたようだ。この鳩山という人のあまりにも軽く,あまりにも信頼するに足りない言動からすれば,アメリカ側がこのように抜きがたい不信感をもつのも当然なのである。
有権者は,昨年の衆議院議員総選挙で民主党に308もの議席を与えてしまった(僕はこれには絶対寄与していない)。でも,「民主党 やらせてみれば この始末」。バッハのマタイ受難曲第一部の最後に「人よ,汝の大いなる罪を悲しめ」という大コラールがある。今の政治状況は,正にこの曲名のとおりである。
ネットでいろいろな記事を目にするが,民主党政権がどうしてもやるという「子ども手当て」については,受給を求める外国人が連日地方公共団体の窓口を訪れ,現場は大変なことになっているようである。何しろ,日本に居住している外国人の母国にその子どもがいれば,やはり手当てが支給されるというのである。このような受給申請については,実子でも養子でもよく,不正受給の危険性もあるため,厚生労働省はあわてて「年2回以上はその子どもと面会していることをパスポートなどで確認すること」などといった要件チェックをするよう通達した。でもねぇ,そもそも民主党は,このように外国にいる子どもの実数やそれらに対する支給総額を把握しないまま法案,予算を通してしまったんじゃないだろうか。場当たり的である。
しかも,この子ども手当ては,参議院議員選挙前の6月に2か月分,10月に4か月分,翌2月に4か月分という変則的な支給方法となっており,いかにも参議院議員選挙前に何とか支給したいという意図が見え透いている。
今年度は一人あたり月額1万3000円であるが,来年度は月額2万6000円になるという。もし2万6000円となると,約5兆4000億円もの財源が必要になると言われており,しかもこれには外国に居住している子ども(日本に居住している外国人の)に対する分が十分に組み込まれているかどうかも疑わしい。今年度は税収が約37兆円であったにもかかわらず約44兆円もの国債を発行している始末である。来年度子ども手当ての恒久財源も確保されていない。これはバラマキであって,結局はこの子どもたちが大人になった時の国の借金として背負う羽目になる。
朝三暮四という中国の故事があるが,ウィキペディアによると次のような内容である。
「非常に猿と戯れるのが好きな男がいた。この男は家族のことも放っておいて,猿を可愛がるものだから,餌の時間になるといつも猿が寄ってくる。ところが,それが原因である日,奥さんに『猿の餌を減らしてくれないと、子どもたちの食べる物までなくなってしまう』と窘められてしまう。困った男は何とか猿たちを籠絡しようとし,一斉に呼びかけた。これからは『朝には木の実を三つ,暮(ばん)には四つしかやれない』と告げるも,猿たちは皆不満顔。それならば『朝は四つ,暮は三つならどうだ』と言うと,合計七つは変わらないにも係わらず猿は皆,納得してしまったのである。そこから『朝三暮四』は,人を巧みに言いくるめて騙すこと,また猿の立場から,物事の根本的な違いに気付かない愚かな人を指す言葉となった。」
確かに必ずしも好況とは言えず,生活は楽ではない。したがって,15歳未満の子どもを持つ家庭では子ども手当ての支給はありがたい面はあろう。その意味では,朝三暮四の故事を引き合いに出すのは不謹慎かもしれない。でも,将来のことをよく考えると,超赤字国債を発行してまでやることだろうか。むしろ安心して働けるセーフティーネットの整備,待機児童解消のための人的・物的整備,有効な景気浮揚対策を行うべきであり,そして何よりも将来の日本を担ってくれる大切な子どもたちの教育の中身こそが重要なのではないだろうか。
新聞報道によれば,4月8日の参議院外交防衛委員会で北澤俊美防衛相が,米軍の施設のことを「迷惑施設」と発言した。普天間飛行場移設問題をめぐって日米関係がぎくしゃくする中で,担当閣僚が米軍施設を「迷惑施設」と表現したことは米国側の感情的な反発を招くであろうことが懸念されている。日本一国で十分に自国の防衛を果たすことができるのであればそれでもいい。しかし,安全保障の観点から現在の日本を取り巻く情勢を見れば,日米同盟を基軸とすべきことは明らかである。こんな者がわが国の防衛大臣だとは・・・。
鳩山由紀夫というおよそ総理大臣などになってはならない者が,大した成算もないのに「国外。最低でも県外。」などといったその場限りのリップサービスを繰り返したせいで,普天間飛行場移設問題は迷走に迷走を重ねている。その間,同盟の相手方である米国側との関係は回復し難いのではないかと思われるほど傷ついている。最近では各国首脳が顔を合わせる国際的な会合などでは,オバマ大統領は鳩山という人を無視しているといっていい。「こいつだけは本当に困った奴だ。」と内心思っているに違いない。
名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部に移設する現行案は,自民党政権が地元と米国側との折衝を重ねながらようやく地元が苦渋の選択をし,着工まであと一歩というところまで来ていた。にもかかわらず,鳩山政権は現行案以外のおよそ現実的ではない案を振り回している。でも,よく考えて欲しい。この鳩山政権は,なぜ現行案ではいけないのかについて,国民に対して説得的な説明をしてきたであろうか。説得的でなくても,なぜ現行案ではだめなのかについてそもそも説明をしたことがあっただろうか。否である。小沢一郎という者が,美しい青い海を埋め立てることはダメだと言ったかもしれないが,では,これまで政府が案の一つとして推進してきたうるま市沖のホワイトビーチ案は,やはり美しい海を埋め立ててしまう案ではないのか。この案ももずく漁に多大の影響を及ぼすとして地元が強く反対している。政府案は矛盾しているのである。結局,今日の新聞報道では,政府もこのホワイトビーチ案を断念したということだ。これだと費用が1兆円に上るという試算もあるし,建設に15年ないし20年かかるという。合理的な思考能力さえあれば,実現などできないことは端から分かるはずだ。
それに,鳩山という人が,「鳩カフェ」か何だか知らないが,そこで着ている奇抜なデザインの服はもうどうでもいい。それよりもこの人の在任期間が1日でも短くなればと切に願っている。わが日本国が本当に危うくなる。この人は,4月7日の国家公務員合同初任研修において,「政治家がバカ者であり,そのトップの総理大臣が大バカ者である,そんな国がもつわけありません。そんな国が世界的にも、認められるわけありません。国内的な様々な難しい課題を乗り越えられるはずもありません。本来政治というものは、バカ者がやってはいけない。」と発言したそうである(爆笑)。天にツバするとはこのことである。これはジョークではなく,文脈からすると本人はこれまでの歴代の総理大臣や政治家のことを言っているようである。自分のことを言っているつもりはないようなのである(笑)。この研修に臨んだ優秀な研修員(キャリア官僚)は,この鳩山という人の発言をどんな表情で,内心どんな気持ちで聞いていたのであろうか。ニヤニヤしていたり,内心「お前が言うな!」と思っていた人は相当多数いたと推測する。要するに,この日のブログのタイトルどおり,つける薬がないのである。
お昼の食事は楽しみだ。もういい歳なのに,食欲だけはある。たまにサンドイッチを食べたくなる時があるが,そういう時は近くのパン屋さんから買ってきたり,ごくたまに,ある場所で老夫婦がやっているお店に行くこともある。そのお店の老夫婦は接客も良く,僕はカウンターにちょこんと座って,豊富なメニューの中からその日に食べたいと思ったサンドイッチとコーヒーを注文する。正に手作りのサンドイッチだ。それに全く気を遣わなくて済むお店である。
サンドイッチを食べながら,何気なくそこのご主人の方を見たら,スポーツ新聞を読まれていた。ここのご主人は,手が空いた時にはいつも新聞を読んでいる。そうしたら,彼は新聞のページをめくる時に,年配の人がよくやるように無意識に指にツバを付けてページをめくっていた。・・・ん?(笑)。まぁ,乾燥肌だったり,年配になって肌から水気がなくなったら,そういうこともあるだろうとは思う。会議などで資料を配る時に,指にツバ付けて配る人もいる。ツバ付きの資料をもらってもあまり嬉しくはないが(笑)。いずれにしても,ここのご主人のことは心から信じたい。サンドイッチを作り始める前には必ず手を洗ってくれていると・・・(笑)。
でも,これなんかは,中国の「毒ギョーザ事件」や「メラミン混入事件」などと比べれば全然可愛いほうである。「毒ギョーザ事件」の容疑者といわれている人が逮捕されたというけど,2年近くも経っているというのに,今になって下水道から2本の注射器が見つかり,しかもそれにはまだメタミドホスが付着していたという。ホントかなぁ。事件発覚から間もない段階で,中国当局は,中国国内で混入された可能性はないと明言していたではないか。当時どの程度の捜査をしていたのかは知らないが,そんな断言をしてしまうとは。しょせん本件は中国にとっては「政治問題」なのである。また,日本経済新聞の報道によると,中国で2年前に乳幼児約29万人に腎臓結石などの健康被害を出したメラミン汚染粉ミルクが,あろうことか昨年末から再び中国で流通していたという。・・・恐ろしい。
「毒ギョーザ事件」のこのたびの「犯人」逮捕で,中国産食品に対する信頼とその安全性が高まったかというと,極めて疑問である。全然食指は伸びない。
鳩山由紀夫という人の言葉や行動の軽さ,国益という視点の欠如については,もう今さら言うまでもないだろう。こういう人をわが日本国の首相にいただかざるを得ない国民の不幸を嘆くべきであるし,国民はその不明を恥じるべきである。
米軍海兵隊普天間基地移設問題については,新聞報道によると,政府としては,①名護市にまたがる米軍キャンプ・シュワブ陸上部案,②うるま市にある米軍ホワイトビーチ沖の埋め立て案,そしてこの2案に県外への訓練移転などを組み合わせる移設案を,既にアメリカ側と沖縄県に伝えている。しかしことここに至っても,この鳩山という人は,「極力,県外に移設させる道筋を考えてまいりたい」などとリップサービスをしている。アメリカなどに既に伝えている政府案の2案そのものが既に県外を放棄しているのにである。何を考えているのであろうか。
郵政改革法案の「最終案」の内容についても,テレビで亀井大臣と菅大臣とが水掛け論を展開し,見苦しいことこの上ない。「閣」分裂と言われているくらいである。鳩山由紀夫という人のリーダーシップ(指導力)の無さは度し難い水準に達している。リーダーシップをこれから発揮していくと言ったって,もともとそれがない人ならば発揮のしようがない訳であり,無い物ねだりである。そもそもこの人は,「国というものがなんだかよくわからないのですが」と述べている。それが正直なところなのだろうし,国益という観点が見事に欠如しているのである。
鳩山という人は,3月末までには普天間基地移設問題の政府案を確定したいと述べているし,これから最終期限の5月末に向けて本当はとても大切な時期なのである。旅行は確かに静養にはなるし,英気を養うことはできるが,この時期に夫婦で千葉県鴨川市のリゾートホテルへ一泊旅行に向かう神経が分からない。
「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(若泉敬著,文藝春秋社)という本を知り,仕事の合間にこれを読みたいと思っている。この本に出てくる佐藤榮作元首相や若泉敬氏の国益とは何かという自問自答,苦悩は途方もなく深い。佐藤元首相と今の鳩山という人とは,そもそも次元が違い過ぎる。