僕は巨人ファンだし,新聞は読売新聞を読んでいる。読売新聞に掲載された「日本の針路」というシリーズがあったのだが,先日素晴らしい記事にめぐりあった。総合科学技術会議員の白石隆さんの「『科学立国』を掲げよう」という記事である。
僕などが下手に要約してもどうかと思うが,要するに,日本という国は先端的な科学技術を有しており,これをますます保護,発展させて人類に貢献しよう,そのためには有為な人材を確保し,中長期的な視点で研究を暖かく見守ろう,「科学立国」というのも日本のアイデンティティーの一つではないかということであろう。
この白石隆さんは,総合科学技術会議の議員として,資金助成の対象になる先端的な研究者30人の選考に関わり,650以上の提案を読み,100人近い人の話を聞いたそうだ。その時「日本にはすごい研究者がいる」と本当に元気になったという。例えば,iPS細胞(新型万能細胞)を作った山中伸弥京大教授,超伝導で論文引用数が世界一になった細野秀雄東京工大教授をはじめ,その他にもいずれ産業化にも結びつく先端的な研究者が日本にはいっぱい存在する。
民主党が政治ショー化したいわゆる事業仕分けで,スーパーコンピュータ開発費用をカットする話しが出た後,外国企業が日本の技術者引き抜きを図っているという噂まで流れたようである。また,iPS細胞(新型万能細胞)を作った山中教授もアメリカへ行けば年俸は簡単に数倍になるにもかかわらず,行かないのはやはり日本に世界的な研究センターを作りたいからであろうと言われている。そういう有為な人材,そしてそれに陸続と続く若い研究者を保護しなければならないのは言うまでもない。民主党の蓮舫という国会議員は,鬼の首を取ったように「1番じゃなきゃだめなんですか。なぜ2番じゃだめなんですか。」とのたまったという。知的財産権においても先願主義が支配し,1番じゃなければだめなのだ。こういう手合いが事業仕分けを仕切っているとは。それに科学技術の分野は,目先のしかも短期的な効果をすぐに期待してはいけない。目に見える形ですぐに効果が出なければ何でもかんでも予算をカットするというスタンスでは,有為な人材は海外に流出し,仮に国内にとどまったとしても研究意欲がそがれてしまうであろう。記事には,次のようなくだりがあった。
「日本が輝いている部分はたくさんある。省エネで賢い生活スタイルを創り出せるかもしれない。素材や部品も強みだ。電気自動車の時代がくれば,日本のモーターなしに世界は車を作れなくなるかもしれない。日本は覇権を求めたり,説教して回ったりする国ではない。しかし,先端的な科学技術を生かして縁の下の力持ちになり,人類の生活や安全や繁栄を支える-そんな役割は日本人の性に合っている。それをこなす力も衰えていないと思う。」
・・・・・うーん,正にそのとおりだと思う。資源のない日本は人こそ資源である。先日得た情報では,海洋研究開発機構は,現在,地上で排出した二酸化炭素(CO2)を海底に輸送して閉じこめ,将来はそこで微生物の力で天然ガスに転化して活用する研究にも乗り出したという。・・・よく分からないが(笑),何だかすごい。
西 郷「キャーッ,大久保君と飲めるなんてうれしぃーっ。」
大久保「・・・お前,何をそんなにハイになってるんだ。」
西 郷「政治の話だけど,民主党の政権って,もう底抜けだなぁ。不安を通り越して,もうヤケクソだぁー。」
大久保「あぁ,政治に対するヤケクソでハイになっちゃったんだ。オレも鳩山首相の脳天気と小沢幹事長の傲岸ぶりには,脱力感というか,絶望感というか,・・・21世紀は始まってまだ少ししか経ってないんだけど,もう世紀末的な気持ちになっちゃって・・・」
西 郷「ふんじゃぁ,酔余のおフザケで俳句でもひねり合おうか?」
大久保「オレは俳句なんてやったこともないが,季語のないやつでもいいか?」
西 郷「ここは居酒屋だ,何でもありだ。まずはお前からだ・・」
大久保「そうだなぁ・・・『悪相も このときだけは えびす顔』」
西 郷「・・・何だそれ?悪相の主が小沢幹事長だというのは察しがつくが・・・。」
大久保「小沢幹事長が民主党の国会議員143名を含む総勢600名を超える大集団で中国に行った時のことを詠んだんだ。」
西 郷「ああ,アレね。臨時国会もそこそこに引き揚げて,その一方で彼らは中国に一体全体何をしに行ったんだ?」
大久保「さぁ・・・」
西 郷「プリクラじゃあるまいし,中国の国家主席と握手のツーショットをポンポンやっただけだろう。あんなことをやって一体何が嬉しいんだ。あんなことで有頂天になっているような資質を疑う議員の歳費を払うために,オレたちは血税をとられているのか。」
大久保「おっしゃるとおり!・・・・・お前,このおでんの玉子食べないのか?」
西 郷「・・・・・パクッ。」
大久保「あぁ,食べちゃった。狙ってたのに・・・。」
西 郷「お前の玉子はお前がさっき食べたじゃないか。このコンニャクで我慢しろよ。」
大久保「・・・。じゃ,今度はお前がひねる番だ。」
西 郷「ハイ,わかりやした。・・・『熱い灸 すえたつもりが すえられき』」
大久保「・・・あぁ,判った。これはお前の持論だったな。要するに,去年の総選挙で有権者の多くは自由民主党にお灸をすえるつもりで民主党に投票して308議席も勝たせちゃったけど,結局は,今はその有権者自身が民主党から熱ーいお灸をすえられつつあるということだろう。」
西 郷「ハッ,ハッ,ハッ,そういうことだ。・・・笑い事じゃないけどな。」
大久保「予算編成はできたけど,過去最大の赤字国債発行高。少子化対策なんかのためには,待機児童解消に直結する施設や人的スタッフの充実こそ急務なのに,飲み食いやパチンコ代に消えかねない『子供手当』だと。それに経済の成長戦略も何もない状態。国際的にはあれほど評価されていたインド洋での給油活動をただ止めてしまった。資源の少ない日本は何としても国際的に協調してシーレーンを確保しなければならないのに,国際的な貢献度や評価が低下する一方だ。それに今後はこの地域に関する情報も得られにくくなる。鳩山首相が考えている代替案だが,汚職の疑惑のあるカルザイ政権にお金を渡しても意味があるのか。それから,そのうちに永住外国人の地方参政権法案まで通常国会に提出されるぞ。」
西 郷「・・・・・・あぁ,気が滅入る。大久保,スゴイやつをもう一句くらいひねったらどうだ。」
大久保「やっぱり,おでんの玉子もう一個注文していいかな。」
西 郷「いいけど。ついでにオレは牛すじ,頼んでくれ。」
大久保「・・・・・よし。二個目の玉子も食ったことだし,もう一句ひねるわ。・・・・・『民主党 やらせてみれば この始末』」
西 郷「アーッ。それは,『民主党』以外は盗作だろう。何かの雑誌に載っていたコピーだろう。」
大久保「バレたか。でも秀句だと思わないか?佳作だぞ。」
このたびの天皇陛下と中国副主席との引見をめぐる一連の動き,小沢一郎民主党幹事長(以下「この人」という。)の記者会見での言動を見ていて,非常な不快感を覚えた。陛下が高齢であることに加え,その公務が多忙であること,また術後の十分な経過観察等が必要であることなどから,いわゆる「1か月ルール」は定着し,陛下自身も,これまで相手国の国の大小や立場にかかわりなく,公平を旨として会見,引見をされてきたと聞いている。今回の中国側からの申し入れは「1か月ルール」を破るものであり,以下新聞報道によると,政府は11月30日の段階で正式に引見が無理であることを中国側に通告した。このルールの存在及び75歳と高齢の陛下のご健康が万全とまではいえないことがその理由である。
ところが,中国側はあろうことか駐日大使館を通じて「なりふり構わぬ」巻き返しを図ってきた。12月9日にも駐日中国大使が官房長官に重ねて引見の実現を求めたのに対し,この時点でも官房長官は「陛下の体もあって大変厳しい」と明言を避けていたという。しかし翌日(12月10日)には,この人(小沢一郎)による例の民主党国会議員143名を引き連れた大訪中団出発が控えていたこともあり,結局は官房長官から宮内庁長官に引見実施の強い指示がなされたという。この間に何らかの強引な力が働いたことが十分な合理性をもって推察できる。安部晋三元首相が指摘するように,例の大訪中団の歓待と今回のご引見とはセットになっていたのではないかと思う。
新聞紙上では「政治利用」ではないかということが問題とされており,この人やその傀儡ともいうべき鳩山首相はこれを否定しているが,明らかに「政治利用」であると評価せざるを得ない。今回の引見が実現されたのは,相手方が中国であったからであろう。今回の引見に際し,本来であれば掲げられないはずであるのに,東京・霞ヶ関や首相官邸周辺には中国の国旗が掲げられていたことがそれを如実に物語っている。前にも述べたように,陛下自身はこれまで相手国の国の大小や立場にかかわりなく,公平を旨として会見,引見をされてきたのである。それに「政治利用」というのは,利用するしないという自らの意思だけでなく,利用されているという観点も重要なのではなかろうか。さらに,このようなことが繰り返されれば,日本なんて国はゴリ押しすれば何とでもなるといった誤ったメッセージを送ってしまうことになる。今回の「1か月ルール」を破っての引見の実現,何の目的なのかピンとこない大訪中団に引き比べてみると,普天間飛行場移設問題におけるアメリカという同盟国の軽視状態はとても理解できない。
それにしてもだ。この人(小沢一郎)の記者会見での発言には心底怒りを覚えた。発言内容の詳細についてはもうあれこれ言わないが,陛下のご体調が悪ければ他の優先順位の低いものを取り止めればよいといった趣旨の発言をした。傲岸不遜である。この人の頭の中では,天皇陛下という存在がどのようなものとして位置づけられているのか。それに,この人は「天皇陛下ご自身に聞いてみたら『手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と必ずおっしゃると思うよ」とも発言した(産経新聞)。重ねて言わなければならない,傲岸不遜である。このような人間に陛下の大御心が分かる訳がない。それに,このような物言いは,陛下に対し,そのように発言し,思ってしかるべきだとでも言っているようなニュアンスがある。このような恫喝的体質はこの人の宿痾のようなものかもしれない。今回の一件で,宮内庁には今回の対応を応援する趣旨の夥しい数のメールが殺到し,民主党には夥しい数の抗議がなされているという。普通の日本人のメンタリティーだったら,この人の記者会見での発言,態度には眉をひそめるのではないだろうか。
また,この人は,訪中の後に訪韓した際,天皇陛下の訪韓についても言及したというし,永住外国人の地方参政権の法案提出,実現についても言及したという。このような人が民主党を牛耳っているのである。今の自由民主党の現状には失望しか覚えないものの,自由民主党にお灸をすえようとして民主党に投票した人は,自らが徐々にお灸をすえられ始めていることに気づくべきだ。
いよいよ凄いことになっている。米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる鳩山由紀夫首相の迷走である。この問題については,前にもこのブログで触れたので繰り返すことはしないが,取り返しのつかないことになるのではないかと本当に危惧している。
ここまでくると,この人の頭の中には安全保障というカテゴリーがなく,しかも,この問題に限らず想像力というものが人より劣っているのではないかと思う。安全保障面からすれば,現在の日本を取り巻く状況を客観的に判断した場合,日米安全保障条約(日米同盟)を基軸とせざるを得ないのは明らかである。彼は口ではそう言っているが,行動面では全くそうはなっていない。安全保障や外交に関して助言をしている人は存在するようだが,本当の意味で「有力な」ブレーンはいないに違いない。結局は,衆議院議員わずか7名の社民党との連立の維持と日米同盟との2つを天秤にかけてしまい,これまでのところ前者を優先して年内解決を先送りしようとしている。これは明らかに国益に反している。このままでは,十数年かけて検討を続け,ようやく国家間の合意に至り,名護市や沖縄県が何とか苦渋の選択をした状況がご破算になり,ひいては普天間飛行場の危険除去,住民の不安解消もおぼつかなくなっている。つまり,政権交代によってより悪い方向に進んでいると評価せざるを得ない。
とうとう産経新聞には次のような記事が掲載された。つまり,オバマ大統領の初来日を控えた11月初旬に,在日米軍再編交渉をめぐる米側責任者だったローレス元国防副次官と会談した安倍晋三元首相は,ローレス氏から,鳩山首相に関し,アメリカにとって(1)同盟国のリーダーとしては扱えない,(2)戦略的な話はできない,(3)情報は共有できないの3点を指摘されたというのである。えーっ!そんなの,日本の外交,安全保障にとって一大事じゃないの!
「最後は自分が決める」と啖呵を切った鳩山首相は,現在のところこの問題を先送りしているが,本当に自分自身の明確なヴィジョンと成算があるのだろうか。岡田外相はお手上げの状態で,早期に首相の決断が必要だということを示唆している。この問題に関する民主党のマニフェストの内容は,本当に裏付けと成算のあるものだったのだろうか。極めて疑問である。
いわゆる事業仕分けという作業がテレビで公開されていた。ネットでも視聴が可能だったようだ。確かに,高級官僚の天下りや「渡り」の受け皿となっている訳の分からない独立行政法人の,大して意味もない事業に血税がつぎ込まれるようなことがあってはならない。私達の血税は有効かつ適切に生かされるべきだ。
・・・・・・だが,しかし・・・その事業仕分けの状況を見ていたら,絶えず説明や発言を遮られ,矢継ぎ早の紋切り型の質問責めに遭い,時間的に急かされ,初めに結論ありきの異様な雰囲気の中での無力感に苛まれている状況に陥っているのが,あたかも自分であるかのような感じがして,見るに堪えなかった。
新聞報道によれば,この事業仕分けそのものやこれが公開されたことについて,約7割くらいの国民が積極的に評価しているようである。無駄な税金の使われ方が抑制されること自体は僕も評価するが,あの公開された状況を見て,かなりの割合の国民が本当に快哉を叫んでいるのかは疑問である。何より,あの民間から選ばれた仕分け人の資質や能力に疑問がある。的外れな質問を平気でしていたし,何よりも人の説明を聞こうとする姿勢に欠け,初めに結論ありきのスタンスが露骨に現れている者もいた。また,取り仕切っていた議員自体も,防衛省関連の施設と東京ディズニーランドを同一の目線で比較するなどといった,これまた的外れな認識を示していた。一説によると,彼らは各事業ごとの専門知識がある訳ではないから,財務省が予めマニュアル様のものを作成して用意し,それには質問やチェック項目,想定される問答(各担当者がこう説明したらこう切り返せばよいなどといったもの)などが記載されていたらしい。僕は,民主党としては,財務省の主計官がやっていたことを公開の場で議員や民間人仕分け人にやらせ,国民にアピールしたかったのではないかと穿った見方もしてしまう。あれは一種の政治ショーだ。
いずれにしても,あの殺気だった仕分け現場における雰囲気は,文化大革命において毛沢東語録を振りかざし,反動分子を打ち据え,自己批判を求めている紅衛兵を連想してしまった。ジェット式姿勢をとらされなかっただけ,まだましか(笑)。
この事業仕分けは,前にも述べたように良い面もあるが,問題もかなりある。ノーベル化学賞を受賞された野依教授は「歴史の法廷に立つ覚悟があるのか。」と正論を述べられたし,旧7帝国大学や早稲田,慶應義塾の総長,学長が記者会見したように,科学技術や学問研究は,目先の効果だけを性急に追求するのではなく,中長期的な観点も必要である。資源のない日本は,人材や研究こそがその存立基盤ともいえる。民主党がやみくもに事業仕分けを断行するのは,結局は,マニフェストで約束した「子ども手当」などの財源確保の必要性からであろう。マニフェスト至上主義というやつである。経済学者竹中平蔵氏の論調はあまり好きではないが,彼は,いま民主党がやっていることは,小さな無駄を削って,より大きな無駄を作ろうとしているという趣旨のことを言っていた。たまにはいいことをいうなあと思った(笑)。返す返すも,あの殺伐とした,事業仕分けを支配した雰囲気は,日本人のメンタリティーとはちょっと違うような気がする。
例えば,ある物が修理に出され,それを職人その他の専門業者が修理を完成したとする。その修理代金が支払われない場合には,その修理代金がちゃんと支払われるまでの間,ちゃんと修理した職人さん達はその修理した物の引き渡しを拒むことができる。こういう権利を留置権という。これは民事でも商事でも認められている。
でもね,負傷者や病人が不幸にして亡くなった時,そのご遺体と治療費の関係は,さきほど挙げた例とは全く違うと思う。さきごろ,韓国の釜山の射撃場火災で悲惨な死亡事故が起こった。不幸に見舞われた被害者やご遺族の方々には,心からご冥福とお見舞いを申し上げる。ところが,新聞報道によると,治療等に当たった韓国釜山の病院は,何と,治療費約1000万円の支払を公的機関が保証することを遺体引き渡しの条件にしたという。結局,被害者の故郷,雲仙市は,何よりも遺体の早期引き渡しが最優先ということで,同市長の名で保証をしたとのこと。韓国釜山のその病院は,今回のツアー企画会社が入っていた損害保険で最終的には治療費の支払が確実であるのに,そのような条件を突きつけたのである。
・・・・・・・僕が思ったのは,確かに診療契約が結ばれた以上,治療費は支払われるべきである。例の射撃場を経営していた主体に対する損害賠償の問題とは別なのである。しかしながら,いかなる意味においても,治療費の支払保証を,遺体引き渡しの条件にするというのは明らかにおかしい。少なくとも,こういうことは日本では考えられない。こういうのは日本人のメンタリティーにはない。
僕としても,このブログであまり政治的なことは書きたくない。もっと楽しい話題,例えば,ぜんまいざむらいとか,新撰組とか,神のように崇めているバッハのことなんかを書きたいのだ。でも,さすがに最近の民主党,とりわけ鳩山由紀夫という人の迷走ぶり,脳天気ぶりを見ていると,話題にせざるを得ない。僕も国を憂えざるを得ないのだ・・・。
それにしても,一体全体,この鳩山由紀夫という人の頭の中はどうなってしまっているのだろうか。きっと凄いことになっているのではないだろうか。米軍普天間基地移設問題をめぐるこの人の言動は,もはや首相としては常軌を逸している。
オバマ大統領が来日した際の日米首脳会談で,同大統領が早期の履行を求めたのに対し,鳩山首相は「Please trust me(どうか私を信じてほしい)」と述べ,同大統領は「Absolutely, I trust you(もちろん,あなたを信じますよ)」と答えたということだ。この米軍普天間基地移設問題の重要性は大統領来日前からアメリカの高官から強調されていたのであり,首脳会談で鳩山首相が特に異議を留保することもなく,このようなやり取りがなされれば,アメリカとしては,設置が合意された閣僚級作業グループでの協議内容が従前の日米合意の早期履行が前提となると信頼するのは当然である。ところが,大統領を日本においたままAPEC首脳会議のためにシンガポールに出かけてしまった鳩山首相は(このこと自体外交儀礼に反すると思うが),あろうことか,「オバマ大統領とすれば,日米合意を前提と思っていただろうが,それが前提なら作業グループを作る必要がない。」と明言したのである。それだったら,その旨を堂々と首脳会談の時に明言しろよ。基軸となるべき同盟国に明らかな不信感を抱かせるような,手のひらを返すようなこの鳩山発言に,民主党の長島昭久防衛政務官ですら「オバマ大統領が『今の日米合意を迅速に実行する』と言ったにもかかわらず,首相が(打ち消すような)話をして正直びっくりした。」とテレビで戸惑うといった始末である。
この基地移設問題の最終決断時期についても,鳩山発言はブレにブレている。10月16日には名護市長選(平成22年1月)と県知事選(同年11月)の間くらいには決断すると明言したのに,その1週間後(10月23日)には,名護市長選の後でと言っているつもりはない,早く結論がでればそれに越したことはない,と前言を事実上翻している。ところが,オバマ大統領との首脳会談の直後,鳩山首相は今度は,「名護市長選にしたがって方向性を見定めてゆくこともある。市長選が全く念頭にないというわけではない。」と発言しているのである。ここまでくると,アメリカは,あきれかえっているのではないだろうか。
どうやら,鳩山首相が何かにつけて名護市長選や知事選に言及するということは,自分自身で高度に政治的な問題に対する判断力,決断力を欠いているものだから,市長選などの選挙結果をバックボーン,力にしてアメリカと再交渉ができればなどといった魂胆なのではないかと穿ってみたりもする。でも,これまで約14年もかけて日米でこの問題を協議し,両国でこれが最良の方法だと合意し,名護市も最終的には苦渋の選択をしたのである。国防というのは同盟国との信頼関係を維持しながら,最終的には国自体が判断しなければならない問題である。この点をめぐる鳩山首相の言動は,その一方で「日米同盟を外交の基軸と位置づけている」との言葉とは裏腹に,明らかに同盟の相手方の不信を買い,国益を損ねている。
鳩山由紀夫という人は,この防衛,安全保障の問題だけでなく,その他のマターでも言うことがコロコロ変わる。変節といってもいい。それは結局,定見がないからである。これに尽きる。奥さんと一緒にファッションショーに登場したり,政府専用機の中で奥さんと指相撲に興じている場合ではない。一国の宰相に定見がないというのは,非常に深刻な事態である。
新聞報道によると,10月23日の閣僚懇談会で,岡田外相が宮内庁に対し,国会開会式の天皇陛下のお言葉に関し,「陛下の思いが少しは入ったお言葉をいただける工夫を考えてほしい」などと申し入れたようだ。耳を疑ったし,違和感を覚え,その直後に怒りの気持ちがわいた。その後の釈明内容を聞いても,岡田外相のこの発言の真意が奈辺にあるのかはかりかねるし,この際は「お言葉」の憲法上の位置づけという理屈は置いておくとしても,少なくともこの発言と申し入れは,現象面としては,陛下にもう少し思いの入ったお言葉を下さい,と要求しているに等しい。極めて不遜である。
外相というのはその固有の所管事務がある。分際という言葉は,身のほど,それぞれに応じた程度という意味であり,分(ぶん)とは,各人にわけ与えられた身分や責任というほどの意味である。外相の分際というものがあり,岡田外相も分をわきまえなければならないと思う。
様々な情報によると,この岡田外相という人は,かつていろいろな場面で次のような発言をしているようである。
「『国歌君が代』は民主主義にふさわしくないので違和感を感じる。民主主義国家にふさわしい国歌があっていいんじゃないか」
「参政権がほしいなら国籍を取れということは、人権にかかわる」
「将来の理想は日中韓共通の教科書を作ることだ」
岡田外相のかつての変な発言は,実はこれだけに限らず枚挙にいとまがない。もう今日も今日とて僕の本来の仕事があり,ブログ作成にこれ以上時間はかけられないので,彼のこれらの発言内容の幼稚さ,自家撞着性について詳論しないが,実におかしい。変である。同じ外相でも陸奥宗光外相,小村寿太郎外相とは雲泥の差である。岡田外相ではとうてい日本の国益は守れないであろう。つい最近も,いわゆる「東アジア共同体」の枠組みについてアメリカは入らないと明言し,すぐさま鳩山首相がその内容を事実上打ち消すという事態が発生している(彼ら自身もそのいわんとする「東アジア共同体」がどういうものなのか分かっていないし,深く考えていないのだから,しょうがないか【笑】・・・)。
いずれにしても,有権者は自由民主党にお灸をすえるために,民主党に308議席も与え,こういう人たちを国のトップ,重要閣僚にいただいたのだが,その有権者自身が今度はお灸をすえられることになると思う。・・・・・でもね,自由民主党がこのままでいい訳は絶対無いよ。同党の中にも十分に変な人たちが含まれているからね。そこに悩みの深さがある。平沼赳夫先生たちに是非がんばって欲しいのだけど。
やりました!我が栄光の巨人軍。前夜の悔しさを晴らす1勝です。これでアドバンテージ分を含めて2勝1敗です。問題は今晩であります。2勝2敗とされてしまうのと,3勝1敗と王手をかけるのとでは大違いだからです。頼むよー,ラミちゃん。ガッツ。慎之助・・・。
さて,ある日の昼下がり,ビルの管理会社の担当者がうちの事務所を訪れ,国土交通省作成のパンフレットを1枚置いて行った。うちの事務員さんが応対したのだけど,そのパンフレットのタイトルには「自転車と歩行者の走行空間を分離する社会実験をおこないます」とある。「社会実験」とは,これまた大上段に構えたタイトルだが,僕としては非常に期待のもてる実験であると思う。なぜならば,この実験の背景にあるのは,そのパンフレットで指摘されているとおり,歩行者と自転車が錯綜しているため,(歩道の)利用者が危険を感じる状況が発生しており,利用者からは歩行者と自転車を分離することを望む声があがっているからだ。
僕も常日頃からそのように思っていた。というのも,通勤や裁判所行きには徒歩で行くことが多いのだけれど,1日に少なくとも5,6回は,極めてマナーの悪い,危険な自転車走行に不愉快になることが多いからである。つい先日も,歩道上で信号待ちをして立っていたら,僕のすぐ近くにいた人との間を全く徐行もせずに縫うようにして走行していった輩がいた。非常に危険であり,とても不測の事態に対応できるような走行方法ではない。また,歩行者が多数いるというのに,自転車を駆って猛スピードで歩道上を走行していく手合いもいる。信号の変わり目などでは,とにかくその交差点を渡りきろうとして全く周りに注意を払わない不心得者もいる。このような無秩序状態だから,最近の僕は歩行経路を変えるにもいちいち後方を確認するようにしている。
ある晩,顧問先の社長さんたちと夕食を共にした時などは,やはり皆さん同じようなことを痛感しておられたようだ。自転車に乗る者が「江戸しぐさ」のようにみんなができるだけ気持ちよく通行できるように気を配ったり,少なくともこんな走行をしていたら歩行者に恐怖感を与えてしまうだろうなと想像したりすることでできないようであれば,もはや物理的な工作,すなわち時速30キロメートル以上は出せないような構造にすべきだなどと議論していたのである。
統計では,この10年間のうちに自転車と歩行者との交通事故の数が約4.5倍になっているそうだ。道路交通法上は,自転車は車道を走行するのが原則になっているし,歩道上は歩行者が優先であり,自転車は車道寄りを「徐行」することになっている。しかし,現実はそうではない。件のパンフレットによると,今回の「社会実験」は,うちの事務所のあるビルの面したすごく広い道路の車道1車線を削り,車道上のバリケードなどを設置して車と自転車とを分離し,さらに,歩行者の歩道と自転車の通行帯をも分離し,歩行者が安心して歩行できるような空間を確保するというもののようだ。よいと思うし,ビルの前の道だけでなく,できるだけそのような措置を講じてもらいたいものである。・・・・・・・・決して自転車そのものが悪い訳ではない。・・・・・・・でも,マナーの悪い人が少なからずいるし,概してスピードの出し過ぎなのである。
朝,歩いての通勤はよいものだ。特に秋の澄み切った空,清々しい空気を吸いながらの散歩通勤は格別によい。毎朝の通勤経路は,その日の気分任せ。今日は少し細い路地裏のような所を通ってきたが,鳩が1匹,すずめが5,6匹,仲良く路上で何かをついばんでいた。僕はできるだけ彼らをびっくりさせまいと静かにそばを通り過ぎようとしたが,やはり小さなすずめ達は飛び立って逃げた。でも,鳩はほんの少し移動しただけでそのまま自分のペースを崩さなかった。鳩というのは,人なつっこくて,憎めない。
でも,わが日本国の首相をやっている鳩山由紀夫という人は,はっきり言っていかがなものかと思う。例の偽装献金問題にしても,大方の国民は首相の説明責任は果たされていないと思っているのに,捜査に影響を与えるなどといった口実で,以前の記者会見での発言以上の説明を果たそうともしない。その政治資金管理団体が,故人や献金もしていない人の名前を勝手に使ったりした。それを秘書が勝手にやったということで幕引きをしようとしている。かつて鳩山氏は,他の人の同種のスキャンダルの際には,秘書の責任は議員の責任であると明確に述べていたにもかかわらず・・・。定見がない。この問題が発覚した後,問題の収支報告書の献金者名が訂正されたが,その訂正された献金者名の一部も再び虚偽であったことが取りざたされている。さすがに,問題発覚後の訂正部分まで鳩山氏が全くあずかり知らなかったという言い訳は通用しないだろう。それに,5万円以下のいわゆる匿名献金についても,その中に仮に親族等からの「献金」分が含まれたりしていたら,実質的には贈与であり税法上の問題も出てくる。
また,鳩山氏は,外遊に当たって諸外国の歓心をかうかのように,未だ国民的な議論が尽くされていないにもかかわらず,しかも国会での所信表明もしていないにもかかわらず,対外的には半ば国際公約をして回っている。「東アジア共同体」,「永住外国人の地方参政権付与問題」,「温室効果ガス25%削減」などである。このうちの,例えば「東アジア共同体」について,触れ回っている当の鳩山氏自身も,その具体的内容はどのようなものなのか,どのようなステップで実現するのかなどについてつっこんだ質問を受けても明確に答えられないに違いない。現に,読売新聞の報道によると,この「東アジア共同体」の枠内にアメリカが入るのかどうかについて,岡田外相は「入らない」と明言しているのに対し,鳩山首相は「入る可能性を否定しない」としている。閣内で言っていることが違うのである。この問題に限らず,日米同盟の相手方であるアメリカは鳩山首相率いる日本政府への警戒感を隠さないようになっている。外交というのは,一度信頼感を喪失してしまったら取り返しのつかないことになる。さらに,鳩山氏は,永住外国人への地方参政権付与がなされるべきだとの認識を示し,その際に「日本列島は日本人だけの所有物ではない」とまで述べている。
鳩山氏本人は,赤っぽいジャケットか何かを着て,そのご婦人と共にファッションショーに特別出演していたりする。この大切な日本国の舵取りをするために,もっと他にやることがあるのに・・・。朝の通勤の時に出会った鳩は好きだが,この首相の場合は,どうも・・・。