じり貧という言葉は,「じりじりと貧しくなる」の略で,もともとは第一次世界大戦の後,不況のために業績が悪化していく企業を指して使われた言葉ですが,次第に個人の場面でも使われ,じりじりと良くない状況に落ち込むこと,次第に状況が悪くなるさまを指します。
前置きが長くなりましたが,名古屋グランパスの現在の状況は正にじり貧で,不幸にして私の予言が当たりつつあります。グランパスは土曜日の試合でも鹿島アントラーズに1-3で敗れ,3勝6敗3分の14位・・・。J2降格争いをこれからしていく「勢い」です(笑)。現在の問題状況については,これまで素人の私が生意気にも指摘してきたとおりで,戦術の共通理解とその徹底がなされていないこと,そもそも戦術が存在しないこと,個に頼りすぎていて組織的なサッカーが全くできていないこと,その「頼るべき個」である選手自身のモチベーションが低くなっているのではないかと思われることなどです。
ストイコビッチ監督は,監督としてはもはや限界なのではないでしょうか。あの悪夢のような民主党政権の終焉により,やっと日本が元気になりつつありますが,グランパスの監督も政権交代の時期では・・・。ストイコビッチ監督は,組織的なチームを作っていこうとしているのでしょうか(もう5年以上も経過しておりますが),そして次週に対戦する相手チームのビデオを分析して戦い方を研究し,選手達に周知徹底しているのでしょうか。かつてグランパスを率いていたアーセン・ベンゲル監督のような,また現在チームを首位に導いている大宮アルディージャのズデンコ・ベルデニック監督のような監督としての知性を感じません。チームを何とか組織的に,有機的に機能させていこうとする熱意が感じられないのです。
ネット情報ではありますが,名古屋グランパスはJ1のチームの中でも最も練習量が少ないそうです。ストイコビッチ監督自身,その現役時代を振り返りますと,旧ユーゴスラヴィアの名門レッドスター・ベオグラードのきら星のように輝く天才集団(ロベルト・プロシネツキ,シニシャ・ミハイロヴィチ,デヤン・サビチェヴィッチなどなど)の中でもとりわけ輝きを放っていた天才選手でした。天才肌にありがちな,技に溺れる傾向,ほどほどの練習量と本番で爆発させればよい個人技・・・。監督になっても結局は個人技頼みなのでしょう。だから敗戦の弁はいつも選手の責任になることが多いのです。要するに,今の名古屋グランパスの試合内容を見ておりますと,全く組織というものを感じません。また,どんなサッカーを目指しているのかさえ分かりません。
このままでは残念ながらじり貧でしょう。
私の長嶋茂雄さんに対する熱い思いは,これまでにもこのブログで述べてきましたが,その長嶋さんと共に国民栄誉賞を受賞した松井秀喜さんも,これまた素晴らしい。
NHKのBSで,松井秀喜さんの特集番組が放映され,テレビチャンネルを回していた私は偶然にこの番組を目にし,そのまま引き込まれるように最後まで見ました。とても感動しました。この番組は第1部が松井選手が大リーグで叩き出した全部で175本のホームランの連続シーンでしたし,第2部が主として松井さんやヤンキースの元監督,同僚など関係者のインタビューを中心に構成されていました。
あの広い大リーグの球場で松井秀喜選手が叩き出した全部で175本のホームランシーンが次から次に連続で映されている間,私はなぜか泣けてきました。本当に凄い選手です。あの栄光のピンストライプのユニフォームを着て,豪快なホームランを打ち,ヤンキースの大人から子どもまでのファンを熱狂させる・・・。解説や言葉なしの連続シーンというのは,例えば映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストシーン(アルフレードがトトのために保存していた当時は放映禁止のキスシーンの連続)のように,なぜか人を感動させるものがあります。
それにしても,松井秀喜選手のホームランというのは打った瞬間にそれと分かる豪快なものです。175本の連続シーンの中には,相手投手が松井選手の一振りを目にした瞬間にもはや後ろを振り返りもせずに項垂れるシーンがいくつかありました。松井選手のホームランというのはそういうホームランです。
松井選手のヤンキース時代のほとんどを一緒に過ごしたジョー・トーリ元監督の「彼を一言で表現するなら”trustworthy”(頼れる男)だ。」,「松井の監督だったことを誇りに思う。」という言葉にまた泣けてきました。また,ヤンキースのキャプテンであるデレク・ジーターの「ヒデキは特別の存在だ。彼は決して言い訳をしない。とても尊敬している。」という言葉にまた泣けてきました。
ワールドシリーズでMVPに輝いた松井選手ですが,ケガに泣かされた面もあってその後はあまり活躍できませんでした。この番組では,「失業中」の彼がマンハッタンのある場所の地下2階のバッティングセンターで黙々とバッティング練習をしていたという知られざるエピソードも紹介しています。そして,引退を決意した松井選手が心情を語るシーンでは,自然の呼び声に応じて散ってゆく桜のような潔さを感じましたし,彼のマスコミ対応における誠実さなどからしても,武士道精神を思い起こさせるものがあります。
この大型連休の最終日は,テレビの前で泣いてばかりおりました(笑)。
日曜日は久しぶりにゆっくり自宅で過ごしました。晴れ間も多かったのですが,何といっても,外は台風なみの低気圧で風が強いため,自宅に引きこもった訳です。
何気なくテレビのチャンネルを回していたら・・・,何と,「長嶋茂雄スペシャル」という番組がやっているではありませんか。これは凄い!私のテンションは突如として高揚し,思わず冷蔵庫の中にあった缶酎ハイに手が伸びてしまったのです。昼間っから酒飲んでんじゃねーよ,と突っ込まれそうですが(笑)。
長嶋さんの現役時代の姿に接すると,もう理屈抜きで幸せな気分になってしまうのですよ。何というか,そういった時代に巡り合わせたことを幸せに感じるというか,熱狂していた自分の少年時代を思い出すというか・・・。長嶋さんは新人でしたが,開幕戦で3番サードでデビューし,国鉄スワローズの大投手金田正一さんの前に4打席4三振というスタートとなってしまいました。この開幕戦の映像を見ていましたら,球場には,政治家として私が尊敬するあの岸信介さんが詰めかけておりました。この番組では,鳴り物入りでプロ入りした長嶋選手を4打席連続三振に打ち取った金田投手にも負けられない事情があったようで,既に胃ガンに冒された実父を名古屋から東京の球場に招き,この日自分の素晴らしいプレーを父親に観てもらったのだそうです。
こういうデビューでも,結局プロ1年目の長嶋さんは,新人でありながら29本塁打,92打点という破格の成績で文句なく新人王に輝きます。いやはや,凄い新人です。しかも新人の長嶋さんは,この年の9月19日の対広島戦で,ホームランを打ったのですが,喜びすぎてか1塁ベースを踏み忘れ,ホームランを取り消されるという珍プレーをし(記録上はピッチャーゴロ),これまた天性の明るさでファンを沸かせております(笑)。
私は,この番組を見ながら,カミさんが作ってくれたニンニクチャーハン(小さく切った牛肉が入り,醤油ベースの味付け)を頬張りながらご満悦でした(笑)。昼間っから缶酎ハイに手が伸びてしまったのは,何よりも「長嶋茂雄スペシャル」という番組に偶然出くわした喜びと,実は午後2時から巨人対中日戦のデーゲームを引き続きテレビ観戦できるということで,思わず気が緩んでしまったからでしょう。我が栄光の読売巨人軍,72年ぶりの開幕7連勝と相成りました(笑)。去年,ジャイアンツは開幕ダッシュに失敗し,一時は6勝13敗までいきましたからね。油断は禁物ですが,V2に向けてこれ以上ない発進です。
中日ファンの友人も多いのですが,当面どういう風に接したらよいのか,少し悩んでおります(笑)。「春の珍事とも言うし,まだまだ分からないよ。」とか「シーズンはまだ始まったばかりだし,長丁場だからね。ルナとかクラークとか頼りになる外国人選手もいるじゃない。」などと下手に慰めようものなら,かえって逆鱗に触れてしまうリスクもありますし,逆に,プロ野球の話題に殊更触れまいとすれば,「あっ,こいつ変に気を遣ってるな。それがかえって癪だな。」と不愉快な気分にさせてもねぇ(笑)。
まあ,当面は平常心で接していこうと思います(笑)。
政府は,巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんと,元大リーガーの松井秀喜さんのお二人に国民栄誉賞を授与する方針を固め,官房長官がこれを発表しました。大変素晴らしいことです。私も本当に嬉しい。エイプリルフールの日に発表されたので,ドキッとはしましたが・・(笑)。
なお,なぜこの時期に国民栄誉賞授与の発表がなされたかについて,「7月の参院選を前にさらに支持率をあげて、一議席でも多く取りたいという安倍晋三首相の野望が透けて見える」(政治評論家浅川博忠)などといった穿った見方もありますが,その名が示すとおり非常に浅薄な見方です。民主党じゃあるまいし,そんな姑息な策を弄さずとも,私が望んでいるとおり自由民主党は参議院選挙で大勝します(笑)。
さて,まずは松井秀喜さんですが,この人のコメント内容はいつも本当に謙虚だし,心がこもっているし,他者に対するリスペクトがあるし,その人柄を反映していますね。とても好感が持てます。考えてみますと,アメリカや中南米の天才がひしめくあの大リーグで,日本人として初めてMVP(最優秀選手)に輝いた訳です。その実績は文句がありません。コメントの中に「今後、数十年の時間をかけて、この賞を頂いても失礼ではなかったと証明できるよう、これからも努力していきたいと思います。」とあるように,この人は非常に謙虚で勤勉で賢明な方のようですから,今後はプロ野球の指導者として大活躍して欲しいと思います。
さてさて,長嶋茂雄さんです。率直なところ,あれっ?長嶋さんはまだこの賞をもらってなかったの?という感じがしました。考えてみれば,アスリート部門でこの賞を今までに授与された方々は,王貞治,山下泰裕,衣笠祥雄,千代の富士,高橋尚子,なでしこジャパン,吉田沙保里,大鵬といった錚々たるメンバーです。でも私の年代からすれば,王さん,大鵬さんは勿論のこと,何よりもミスタージャイアンツ長嶋茂雄さんと心の中で共に歩んできたという気持ちなのです。識者のコメントが判で押したように「遅すぎた」というのは確かだと思います。今でもじっくりと味わいながら読み進めている「長嶋茂雄 ドリーム・トレジャーズ・ブック」(産経新聞出版)の次のような宣伝文句は,正に私自身の幼年期からの実感なのです。
「この男が輝いていたころ、日本も輝いていた 長嶋は日本を照らす太陽だ。」
長嶋さんは,その現役時代から人を熱狂させる何かがありました。他人には絶対に真似の出来ない何かです。ここぞという時にファンの期待に応えてくれ,理屈抜きで印象に残るのです。産経新聞が書いているように,長嶋さんの現役時代(17年間)の通算成績は,444本塁打,打率3割5厘,2471安打・・・。どれもナンバーワンではありません。しかし,公式戦,球宴(オールスターゲーム),日本シリーズの3つのカテゴリー全てにおいて3割以上の打率をマークしているのは,長嶋さんだけなのです。「国民が注目しているビッグゲームは、不思議と力がわいてきました。」と言うように,長嶋さんはそういう選手であり,戦後最高のスーパースターだったのです。
本日は大それたタイトルになってしまいましたが,何のことはない名古屋グランパスの話題です(笑)。最近,しつこいですか?(爆笑)。でも私は,それくらいグランパスのことを心配しているのだし,地元のチームですから強くなって欲しいのです。じゃ,なぜ君は熱烈な巨人ファンなんだ,と突っ込まれると返す言葉もありませんが(笑)。
去る土曜日の晩は,どういう訳かカミさんも娘も外出しており,私が独居老人の状態でした。でも実を言うと,そういう晩も割と好きなのです。やりたい放題ができるから(笑)。テーブル上に自分で作った簡単なつまみを並べ,お酒を飲みながらBS放送でヴァンフォーレ甲府と名古屋グランパスの実況中継を観ました。生中継でした。この日は最初から最後までじっくりと観戦できたのです。
やはり名古屋グランパスは重症です。グランパスの確立した戦術のなさ(確立どころか戦術そのものがないようです。),選手間の共通理解と約束事のなさ,得点が生まれそうな気配のなさ,ないない尽くしでした(笑)。グランパスの弱さと問題性については疑念を抱き続けてきましたが,この試合の観戦で,その疑念は確信にまで高まってしまいました。
この試合はグランパスが甲府を1-0で下しました。でもそれは終了間際に相手GKのキャッチミスからこぼれた球を蹴り込んで何とか得た1点です。勝つこと自体が重要なことは言うまでもありませんが,内容面でこういう試合を続けていたら,やはり降格争いに顔を出してしまうでしょう。後半11分の時点で相手チームに退場者が出てグランパスが1人多い状況であったにもかかわらず,残りの約38分間(ロスタイムを含む),相変わらず攻撃の組み立てや連係ががうまくいかず,中盤もむしろ相手チームに支配されておりました。サイド攻撃の貧困さもコーナーキックの数が雄弁に物語っています(甲府8本に対し,名古屋は僅か1本)。コーナーキックの少なさは大分と並んでJ1で最低です。それに本当に失望したのは,ボールをもらった選手がやたらに後ろにパスするシーンが散見されたことです。ちゃんと前を向いてプレーしてくださいよ,本当に!特に6番(阿部選手),28番(田口選手),聞いてますか(笑)。
どうですかね,何となくですが,私が強いチームに共通して見られる特徴というもので思いつくのは,①ボールキープ力の強さ,②選手間の約束事があってそれがちゃんと実行されていること,③足元にボールを要求する選手よりも,スペースに走り込んでボールをもらう選手の多いことなどです。今のグランパスは,残念ながらそのいずれもが欠けております。
ドラガン・ストイコビッチ氏の監督としての能力にははっきりいって疑問符が付きます。6年間もチームを託されながら,個に頼り,チームの組織的完成度は極めて低いのです。確かに2010年度はJ1の年間王者に輝きました。でも,実はその当時の試合ぶりを観ていても決して強さというものは感じませんでした。私がグランパスが一番強かったなと思っているのは,平成8年でしたでしょうか,横浜フリューゲルスとの一戦。雨模様で多少靄がかかった状況で,2-1で勝利した試合です。その頃が一番良い試合をしておりました。現在は長期にわたってアーセナルを率いているアーセン・ヴェンゲル監督が名古屋を監督していた頃です。何でその試合を覚えているかというと,その日は釧路地裁での裁判期日を終えて飛行機でとんぼ返りをし,何とか自宅でのテレビ中継に間に合ったという記憶があるのです。
ド素人の私が偉そうに言ってしまいますが,グランパスのフロントも本当の意味でプロにならなければなりません。
なんやかんや言いながらも,私は名古屋グランパスを陰ながら応援してきたのですが,今のグランパスは相当に重篤な状態に陥っているようです。決して大げさではなく,チームとして機能しておりません。
インターネットからの情報と,そして私自身が実際にテレビでその試合を観戦した内容からすれば,グランパスファンとしては本当に情けない気持ちになるのではないでしょうか。第2節の浦和レッズ戦は実に悲惨なものでした。シュート数そのものが決定的な意味を持つわけではありませんが,浦和16本に名古屋6本,コーナーキックが浦和5本に名古屋2本,そして象徴的なのがボール支配率です。浦和64%に名古屋36%・・・。これでは勝負というものになりません。中盤ではほとんど浦和がボールを持っていました。わざわざ浦和まで足を運んだサポーターは,一体どんな気持ちで帰路についたのでしょうか。グランパスには全く得点の匂いがしないのです(笑)。
あるサイトの戦評を抜粋すると,「結果は最小の得点差となったが、完成度の違いを大きく感じさせる内容となった。・・・後半9分に鋭い縦パスから失点を喫すると、流れは一変。(グランパスは)連係の乏しさが浮き彫りとなり、個人の力に頼った攻撃と、奪いどころが定まらない守備では反撃の糸口すら見いだせず、敗戦となってしまった。・・・」とあります。正にその通りなのです。
今のグランパスの深刻な悩みは,やはり監督と選手達との温度差と認識の違いでしょう。ストイコビッチ監督は敗戦を選手のプレーやミスの問題とし,選手達は戦術確立の問題としていると思います。試合後のインタビューでストイコビッチ監督が選手のミスのせいにすることが多いのはそのためでしょう。こんな悲惨な内容の試合しかできないのであれば,本来ならば選手達同士で話し合い,時には監督に意見具申をするなどしてチーム全体として何とか改善点を見いだそうとするのでしょうが,今のグランパスは選手同士で話し合っているふしもないようです。契約内容によれば監督批判は許されないとされ,しかもストイコビッチ監督は特にプライドが高く短気そうなため,選手としてもそういう行動ができないでいるのでしょう。FWの玉田選手などは先発から外されて,後半18分から投入されたのですが,サポーターの怒りを買うほどふて腐れた態度でプレーしていたなどといった情報もありますし,DFの田中選手も運動量が少ない。MFのヤキモフスキーは一生懸命にボールを奪おうとし,積極的なプレーをしても連係や約束事が確立されていないため,パスがつながらず不満顔。どの選手もプロである限りはやる気を出さなければなりませんが,現状に対する相当な不満があると思われます。
Jリーグ発足当時からの「同期入社」のガンバ大阪は,今はJ2で戦っております。現在の名古屋グランパスの状況ですと,降格争いも人ごとではないと思われます。やはりチーム戦術の確立が急務です。そして確立された戦術の下に,目的的にそういう練習をしなければなりません。でも今の状況は,練習と言ってもミニゲームを淡々とこなすだけといった情報もあります。ストイコビッチ監督には,チーム戦術の確立,そしてその戦術についての選手間の認識の共有,実践という発想があるのでしょうか。6年間もチームを託されているのに,いまだにどんなサッカーがしたいのか見えてこないし,戦術の確立などはありません。DFの闘莉王がケガで欠場だからといって,3バックから4バックに急にシステム変更したりしても,チグハグにはってしまうだけでしょう。監督としては,しかるべき時期に辞任されてはどうでしょうか。そして,今年の名古屋グランパスはシーズン中に政権交代が起こりそうな気がしないでもありません。
さて,平成25年のJリーグも開幕いたしました。密かに応援している名古屋グランパスは,ジュビロ磐田を相手に,その開幕戦を豊田スタジアムで戦いました。仕事の関係でさすがにスタジアムまで足を運ぶことはできませんでしたが,その試合内容は録画で拝見しました。足を運ばなくて良かった(笑)。ああいう試合を見せられた観客には同情いたします。素人の私がこんなことを言うのは生意気だとは思いますが,グランパスを陰ながら応援する気持ちが強いからこんな論調になってしまうのです。
一言で言えば,去年と同じようなストレスを感じてしまう内容でした。開幕戦前の監督インタビューで,6年目を迎えるストイコビッチ監督は,攻撃的で美しいサッカーをお見せすると言っておりましたが,ほど遠い内容だったのです。今年は3バックのシステムを採用し,布陣を見てみると3-6-1でした。アルビレックス新潟から獲得した元日本代表FW矢野貴章のワントップです。3-6-1というと,さぞ中盤で分厚いプレーが展開されるだろうと思いきや,ボール支配率は明らかに相手(ジュビロ)の方が上であり,グランパスの方は攻撃の組み立て自体ができません。ルーズボールもほとんど相手に奪われ,たまにボールを得てもうまくキープすることも展開することもできません。これほどパスがつながらないサッカーもないでしょう。パスのつながらなさ,という点ではJリーグ屈指でしょう(笑)。
ここ数年のこのチームの課題が何一つ改善されていません。要するに,戦術の共通理解とその実行がなされておらず,相変わらず組織的なサッカーーとはほど遠い。6年目を迎えたストイコビッチ監督は,なぜこれほどの期間,チームを託されながらチームを「作る」ことができないのでしょうか。もはや「政権交代」が必要です(笑)。ジュビロ戦後のインタビューでも,いわゆる前田遼一ジンクス(ジュビロのFW前田にその年度の初ゴールを決められた相手チームは過去6年連続でJ2に降格しているという不吉なもの)の対象にならなくて良かった,などと脳天気で危機感のないコメントをしています。
このジュビロ磐田戦にしても,今年は3バックで攻撃的にといいながら,攻撃は機能せず,後半21分には,昨年までのシステムとはいえ突如として4バックに戦術変更し,そのわずか5分後に失点しております。4バックシステムは春季キャンプでも練習していなかったそうですから,そりゃ選手も困惑するでしょう。
もう仕事がありますからやめますが,グランパスはこのままでは今年も良くて中位どまりです。下手をすると,降格争いに顔を出してしまうかもしれません。あのガンバ大阪でもJ2に落ち,その開幕戦で苦戦しています。グランパスのフロントも,本当にプロにならなければ,J2行きの憂き目を見るのではないでしょうか。FW矢野を獲得したのは良いとしても,永井や金崎を手放し,未練がましく腰痛持ちのケネディと契約を更新し,全く「補強」にはなっておりません。
そして何よりも,監督を補強しなければなりません。
名古屋グランパスは今年度もストイコビッチ監督が続投するということです(苦笑)。はっきり申し上げて,やはりあまり期待はできません。もう5年間も監督の座にあるのに,未だにチームというものが作れていないような気がします。良い意味,積極的な意味で,「ああ,これがグランパスのサッカーだな。」とファンを喜ばせるようなスタイル,戦術などが確立されないまま推移してきたのです。
私は1993年のJリーグ発足当初からの名古屋グランパスのファンなのですが,今のグランパスは本当に弱い。勝つ予感があまりしないサッカーです。たまに点が入ったとしても,ラッキーだったというようなものに過ぎません。それに,何よりも失点が多すぎます。昨年度は失点が47もあり,得点は46ですから,得失点差は-1という体たらく。
昨シーズンの最終盤の数節のグランパスの試合は,実際にテレビ中継で見てみました。あたかも中盤というものが存在しないかのようでした。中盤は相手チームにほとんど支配され,セカンドボールもほとんど相手選手に拾われ,グランパスの選手はプレスを掛けようともしません。ジリジリと最終ラインも下がっていきます。まるで「勝ちたくない」かのような試合ぶりなのです。
監督というものは,敗戦から学習し,修正・改善し,チーム戦術を確立し,戦術の共通理解を選手間に浸透させ,ファンをしてこれがこのチームの戦い方なのだと納得させるような仕事をしなければなりません。申し訳ないのだけれど,ストイコビッチの長期政権には反対です。イングランドプレミアリーグのアレックス・ファーガソン監督(マンチェスターユナイテッド)は26年間,またアーセン・ベンゲル監督(アーセナル)は16年間,ずっと同じチームを指揮しておりますが,彼らは何よりも監督の仕事をしているからです。
あと,かなり気になったのは,私は名古屋グランパスの選手層はJリーグ屈指だと思っていたのですが,昨シーズン最終盤の数試合の内容を見るにつけ,本当にそうなのかと疑い始めました。玉田,金崎,永井,小川,藤本,ダニルソン,闘莉王・・・などなど,やはり名の通った選手は確かにいますが,実際にはあたかも「勝ちたくない」ような試合ぶりなのです。やる気をなくしているのでしょうか・・・。監督にあまり期待できないのであれば,選手同士で改善策を話し合って少しでも修正していく努力も必要でしょう。
昔,アーセン・ベンゲル監督が名古屋グランパスの指揮をとっていた頃,最初のうちはあまりうまくいきませんでしたが,監督と選手が話し合いながら修正・改善し,その後は見事でスペクタクルなサッカーを展開しました。私も何度も瑞穂陸上競技場に足を運びました。最初の頃にあまりうまくいかなかったのは,ベンゲル監督は最終ラインを相当前に押し上げてコンパクトにし,早いパス回しで速攻するというサッカーを目指していたのですが,最終ライン(ディフェンスライン)をかなり前に押し上げ,コンパクトにすると,よく最終ラインの裏をつかれて失点するシーンがあったのです。そこで,元ブラジル代表でもあったトーレスという賢いディフェンダーの選手が監督に進言し,最終ラインを前に押し上げるのならば,ロングパスやスルーパスを好きに出させないように中盤で相手選手に厳しいチェック(プレスをかけること)をすることを条件(前提)とし,さらに綿密なライン調整をしてオフサイドトラップをかけていくことなどでチームが統一されたのです。あとは選手としてのストイコビッチ,そして巧みなサイドチェンジを得意とするデュリックス,ボランチの浅野,望月,そしてウィンガーの平野らの大活躍となり,スペクタクルなサッカーが展開されたのです。
スペクタクルというのは,壮大な,見せ場のあるという意味です。何とか今年は名古屋グランパスのスペクタクルなサッカーが見たいのですが・・・。
いやー,びっくりしました。こんなに素晴らしい,そして懐かしい企画ができるなんて・・・。手にして,読んで,眺めているうちに懐かし過ぎて目頭が熱くなってしまいました。「長嶋茂雄 ドリーム・トレジャーズ・ブック」(産経新聞出版)を手に入れたのです。記事と写真で構成される分厚い本体(書籍)だけでなく,CD,DVD,そして何よりも豪華お宝50点が付録になっているのです(笑)。嬉しすぎておしっこを漏らしそうです(笑)。豪華お宝50点の中には,天覧試合の時のスコアカード,V9時代の日本シリーズの入場券,不二家キャラメルのサイン付きブロマイド,直筆「快打洗心」のサイン色紙,雑誌「トップスター」創刊号の一部,巨人対サンケイ戦のポスター,バットを持つ長嶋のめんこ,ライオン歯磨き抽選券,カルビー野球カード,プロ野球ファン手帳・・・・・。本当に泣きそうになります。
引退試合の翌日のサンケイスポーツに掲載された写真部長三浦保さんの記事を読んで,本当に泣けて来ました。長嶋茂雄という男の優しさに・・・。その記事の一部を引用して紹介しましょう。
「・・・私は三十六年九月、病床の少年と長島選手の心温まるシーンを忘れることはできない。この少年は、トンボ鉛筆製作所社長、小川八郎さんの長男喜達君で、当時十四歳だった。喜達君は、悪性肉腫で右足を切断、一時は快方に向かったが、七月はじめから右腕にも同じようなはれものができ、痛みがひどくなったため、再び病床についた。・・・いちばん好きなのは巨人軍の長島茂雄三塁手。『長島さん、かっ飛ばせ!』と病床から声援を送っていた。元気そうに見えた喜達君だったが,ある朝、急に容体が悪化、危篤状態におちいった。目の前がかすんで、10センチぐらい先しか見えないという。・・・その苦しい息の下から、うわごとのようにつぶやいた。『長島さんに会いたいなあ』-やっと聞き取れるほどの小さな声。なんとか、その願いをかなえてやりたいと思った両親は、無理を承知で頼んでみたところ、長島は二つ返事で引き受けた。病室へやってきた長島は、大きな手を差し出し、喜達君の頭をなでながら、やさしくいった。『坊や、早く元気になるんだよ。後楽園に来たら、いっしょにベンチで野球を見ようね』・・・『今夜は、坊やのために必ずホームランを打つよ』。そう約束する長島のホオには、幾筋もの涙が光っていた。約束通り、長島はその日の対国鉄戦の最終回、一塁に坂崎をおいて右中間に大ホームランを放った。試合後、長島は喜達君に電話をかけた。『テレビ見てた?おれは約束を果たしたよ。君も元気を出してね。』しかし、その少年は、二日後の九月九日、長島がプレゼントしたバットとボールを枕元に置いて、静かに息を引き取った。」
長嶋さんはやはり優しい男だったのです。少年時代に私も長嶋選手のプレーに熱狂しました。親父に初めて買ってもらったユニホームも,当然背番号は「3」でした。先日の日曜日に入手した「長嶋茂雄 ドリーム・トレジャーズ・ブック」(産経新聞出版)の次のような宣伝文句は,正に私自身の実感なのです。
「この男が輝いていたころ、日本も輝いていた 長嶋は日本を照らす太陽だ。」
わが栄光の読売巨人軍,本当にハラハラさせてくれるぜ!まあ,日本シリーズ進出を決めてくれて本当によかった。これでようやく枕を高くして眠ることができます。
2位に10.5ゲームもの大差をつけてせっかくセ・リーグの覇者に輝いたのに,あの巨人が日本シリーズに進めないなんて,悪夢以外の何物でもありません。中日に3連敗した時は,気が気でなく,仕事にも大きく影響したくらいです(笑)。
それにしても,出だしのあたりは私も嫌な予感はしていたのです。昔から巨人は,「初物」には弱いと言われていて,中日は第1戦は大野という左腕,第2戦は伊藤という右腕を投入してきました。これまでの巨人との対戦実績からすれば完全に「初物」という訳ではないのでしょうが,いずれもあまり対戦したことのない投手でした。また,これはいつも思うのですが,1位のチームが実際にクライマックスシリーズに登場するのは,公式戦が終了してかなり経過してからですから,少しの間とはいえ試合から遠ざかり,「試合勘」が鈍ってしまうのではないかということも言われております。そういう訳で,不安が的中し,わが栄光の読売巨人軍はまずは2連敗してしまいました。第3戦目は必勝を期したのですが,これも投手陣が踏ん張れず,打線も湿ったままでした。この時点でもう後がなくなりました。スポーツ紙はどれも「崖っぷち」と表現しておりました。
でも,私は心のどこかで最終的には巨人は日本シリーズに進んでくれるのではないかと期待しておりましたし,そうなるのではないかとも思っておりました、良かった,本当に良かった。
当然のことながら昨夜は祝杯を上げました(もっとも試合終了前から結構飲んでおりましたが)。そして,その後は長嶋茂雄終身名誉監督の現役時代の懐かしいDVDを見ながら,健やかな眠りについたのです(笑)。
ただ,日本シリーズではやはり日本一に輝いて欲しいので,素人ながら少し気になったことも述べておきます。結果論かもしれませんが,ホールトンの交代時期がなぜあんなに早いのかは疑問でした。初回などは不安な面もありましたが,割とよく抑えていたのに・・・。中1日の澤村を投入する場面だったでしょうか。結果的には1点を取られてしまいました。この試合に限らず,少し首をひねらざるを得ないような原監督の「采配」も散見されます。
また,1番打者はリードオフマンと言われているようにチャンスのきっかけを作り出していく重要な打順です。長野選手は1番に定着し,今シーズンも173安打をたたき出し,坂本選手と並んで最多安打賞に輝いております。でも,前から気になっていたのですが,立ち位置がいかにもベースから離れすぎです。あれでは外角のスライダーをカットするのに精一杯で,当たったとしても右方向への内野ゴロで終わってしまうでしょう。今シーズンは,案の定,外角に落ちる球にひっかかって空振りしたり,凡退する場面をよく見ました。もう少しベースに近づいて,阿部みたいに堂々と構えたらいいのにと思います。