「さらばミスタージャイアンツ 長嶋茂雄全記録 1958~2001」というDVDを通販で注文しましたら,何と,翌日届いてしまいました(笑)。まずは早速,自分の部屋で人知れずこっそりと観ました。懐かしさもあるでしょうが,理屈抜きに自然に泣けてきました。特に,昭和49年の後楽園球場での引退試合とセレモニーの場面は,人目を憚らず(一人ですから憚る必要はありませんね),泣いてしまいました。
本当に,本当に,長嶋茂雄という野球選手は国民的英雄だなと思います。私の少年時代の憧れでしたよ。DVDの前半では長嶋選手の現役時代のシーンがありました。立教大学から鳴り物入りで巨人軍に入団した際の記者会見での詰め襟姿。プロとして初めての試合では,国鉄スワローズの金田投手の前に4打席連続三振という,これまた華々しいデビューでしたが,すぐに頭角を現します。何と,新人選手でありながらいきなり本塁打王と打点王の二冠に輝いたのです。
そのプレースタイル,勝負強さ,明るさはやはり天性のものとしかいいようがなく,カリスマ性があります。昭和34年の天覧試合における2本のホームランのシーン(2本目はサヨナラホームラン)は鮮烈です。私の少年時代の強烈な記憶ですが,長嶋選手はとにかくチャンスに打って期待に応えてくれたのです。満塁が大好きで,チャンスであればあるほど燃えるという男でした。「3番 ファースト 王」,「4番 サード 長嶋」という場内アナウンスに何度興奮したか。そして,ONのアベックホームランは,106試合に及んだといいます。野球少年が熱狂しない訳がありません。このDVDでは,長嶋選手が試合後にインタビューに答えているシーンがあるのですが,全然偉ぶったところなどはなく,むしろマイクを向ける人が友達であるかのように人なつっこくしゃべってくれるのです。
私のような一ファンと長嶋茂雄選手との接点はあろうはずはありません。あくまでも遠い昔の私の少年時代に,夢と希望と興奮を与えてくれた名選手として永遠に心の中に残っている存在です。ただ,今から13年前,私とカミさんと娘のあかねちゃんの3人で,伊豆方面に3,4泊の家族旅行に行ったことがありました。「大仁ホテル」だったと思いますが,連泊だった私達はホテルの離れに泊まらせてくれました。本当に雰囲気のある佳い部屋でした。何も知らない私達は,旅に疲れてくつろいでいたのですが,仲居さんから「この離れは昔,長嶋さんがお泊まりになった部屋ですよ。」と聞かされました。ビックリすると同時に,思いがけないその幸運に感謝したのです。確かに,すごく景色が綺麗で,庭も広く,バットの素振りには最適です(笑)。相当な時間を隔ててではありますが,あの長嶋茂雄と同じ空間で過ごすことができたというのが,唯一の接点といえば接点です。もう一度行ってみたいホテル,離れです。
このDVDは,私が一人こっそりと観た後に,夕食の際に家族三人で観ました。みんな大喜びで,カミさんなどは,「このDVDを観ていると元気が出る。」と言っていました。たまにはいいことを言います(笑)。
さて,わが栄光の読売巨人軍も,今年のセ・リーグのペナントを制しました。34度目のようです。嬉しい・・・。セ・リーグ優勝が決まった金曜日の晩は,ついお酒を飲み過ぎました。
昨日は,名古屋近郊のある簡易裁判所に仕事で行ってきました。実はその町には私の実家があり,たらちねの母が暮らしているのです。仕事を終えてから,実家を訪ね,冷たい牛乳を2杯いただきながら,母と約30分ほど話し込んできました(笑)。母は昭和6年生まれの81歳です。昭和6年といえば,満州事変が起こった年です。まだ理解力も十分で,近々小さい自転車を買いたいと言い出す始末です。転倒が怖いですから,どうせ買うなら,子供用のような両方に輪っかが付いているやつがいいと思います。
私が少年時代から憧れ,今でも尊敬している我が栄光の読売巨人軍の長嶋茂雄さんは昭和11年生まれですから,母と同時代人ですね。名古屋生まれの私が昔からずっと巨人ファンなのは,長嶋選手のせい,いやおかげです(笑)。そして,わが栄光の読売巨人軍の今年度のセ・リーグ制覇が目前に迫っております。いよいよか・・・。ひょっとしたら,今日でしょうかね。思い起こせば,本年度は3月30日に開幕し,開幕戦は今日の相手である東京ヤクルトスワローズでした。この試合は0-4で完敗し,巨人は黒星スタートだったのです。
そして今も鮮明に覚えているのですが,一時期は6勝13敗の悲惨な状況になりました。それが今では,80勝38敗14分と貯金が42もあります(笑)。誠に素晴らしい。クライマックスシリーズでは,よもや取りこぼしなどはせず,是非とも日本一に輝いて欲しいものです。本日優勝が決定するかどうかはともかくとして,今晩はたっぷりと飲みたいと思います(笑)。
そして,今日,私は通販で「さらばミスタージャイアンツ 長嶋茂雄全記録 1958~2001」というDVDを注文しました。「お急ぎ便」で注文したので,早ければ明日届くと思います(笑)。少年時代は長嶋選手の勇姿をずっと見てきました。このDVDを見たら泣けてくるかもしれません。
サッカーU-20の女子ワールドカップが日本で開催され,わが「ヤングなでしこ」は,前回準優勝のナイジェリアを破って見事3位に輝きました。あっぱれです。それにしても,日本を3-0で破ったドイツ。そしてアメリカは,そのドイツを1-0で下して優勝したのですから,やはりアメリカとドイツは,「なでしこジャパン」の世代でも,「ヤングなでしこ」の世代でも抜きんでている感じがします。高さやフィジカルコンタクトの強さなどの身体的特徴はどうしようもないのでしょうが,「ヤングなでしこ」の試合ぶりを見ていると,随所に素晴らしいパスワークと個人技は見られても,あいかわらず不用意なパスミスが多く(パス速度の遅さが気になります),プレッシャーを受けるとボールをキープできないなどの難点があります。こういった点を改善しないと,アメリカやドイツに対抗していくことは難しくなるでしょう。
ところで,スポーツ記事を配信するあるサイト(産経「スポーツ・ウォッチ」)で知ったのですが,この女子ワールドカップ開催中のスイス代表の振る舞いに感動を覚えました。ご記憶があるでしょうか,1次リーグでは,日本はメキシコ,ニュージーランド,スイスと同組でした。結果的にはスイスは勝ち点0でしたし,8月26日に日本と戦う時点では既に1次リーグ敗退が決定していました。でも,スイス代表はどの選手にも投げやりな様子は全くなく,一生懸命に練習をして円陣を組んで気勢をあげ,監督を中心として結束力を高め,今大会最後の試合になる対日本戦を迎えました。そして「消化試合」とはせずに全力で戦ったのです。
対日本戦においても,結局スイスは0-4で負けてしまったのですが,各選手は決してラフプレーに走ったり,逆に闘争心を失ったりする場面は全然なく,スイス代表のシュベリー監督は試合後の記者会見では,交換した日本代表のユニフォームを着ていました。そして「できることはすべてやった。穏やかな夜だった。」ともコメントしました。
実は対日本戦のあった8月26日より前の20日,スイス代表の女子選手達は,前日のニュージーランドとの緒戦に敗れ,精神的にも肉体的にも疲れが残る中,東日本大震災で町民90人以上の死亡が確認された宮城県七ケ浜町を訪問し,地元サッカークラブの小学5,6年生約30人と交流し,チョコレートやユニフォームをプレゼントしてくれました。こういった交流は,スイス代表監督やスタッフが「震災の被災者に対して、われわれが何かできることはないか。」と申し入れて実現したそうです。
この交流後,スイス代表主将のゲルバーさんは「スイスには海がなく、津波を体験したこともないが、映像や写真を見て、とても心が痛んだ。不思議な縁で被災地の子供たちとつながりを持てたのは大きな体験で、忘れられない日になった。彼らにも頑張ってほしい。」と述べ,主力のゲンゼッター選手も「人々が過去を乗り越え、暗い顔だけでなく、笑顔で過ごしているのを見て、とても感動した」と述べたそうです。
対日本戦の後,グランド内では日本人サポーターや観客が,スイス代表の健闘をたたえ,「Switzerland!」と国名を連呼しました。敗れたスイス代表選手たちは,その日本の観衆に挨拶するため,場内を1周しながら,手を伸ばして握手したり,プレゼント用のシャツを場内に投げ入れていたとのことです。
再びシュベリー監督のコメントですが,次のようなものでした。
「私は5歳からサッカーを始め、37年間サッカーに携わってきたが、今回の日本での経験がもっとも感動的で素晴らしい瞬間だった。」
私こそとても感動した記事でした。
突然ですが,「オリンピック太り」ってありませんか?・・・ない?・・・そう・・・。でも私の場合は,この「オリンピック太り」という現象が確かにあるんです。誰が何と言おうと(笑)。このオリンピック期間中は,うまくは表現できませんが,各種目での日本人選手の活躍を心から期待して,何となくお祭り気分になり,お酒もすすむし,勢いにまかせて,おつまみとか食事とかも普段より多くとってしまうのです。それでやはり太ってしまうのです(笑)。
さてそれにしても,女子サッカーの「なでしこジャパン」の銀メダルは見事でしたね。昨年のW杯と同様,決勝戦の相手は世界ランク1位のアメリカでしたが,試合内容は今回の決勝の方が良かったと思います。結果的に1-2で敗北しましたが,ボール支配率も,そして得点の予感を感じさせるシーンも多かった。
この試合の後,佐々木監督は記者団のインタビューに答えたのですが,このインタビューの中で佐々木監督は2回,「リスペクト」という言葉を使いました。私としてはこれが非常に強く印象に残っています。この「リスペクト」という言葉が出た文脈からすれば,この佐々木監督の人間性がよく表れていて,とても感動しました。ちょっとその部分を引用してみましょう。
(外国人記者)「チームのレガシー(遺産)は?」
(佐々木監督)「チームワークだと思います。日本女子代表が結成されて31年目なんですが、非常に明るくて正義感があってフェアプレーです。常に相手をリスペクトする選手たちです。それが結集すると小さな選手でもすごいパワーを出します。日本の女性の素晴らしさがなでしこジャパンに植えつけられています。僕自身も誇りに思っています。」
(外国人記者)「ペナルティーエリア内でハンドがあったと思うが、それがPKだったら展開は違っていたか?」
(佐々木監督)「どうですかね。レフェリーがジャッジを決めることですから。瞬間、僕も「あれっ」って思いましたけど、素直にレフェリーをリスペクトすることがわれわれの使命だと思います。」
どうですか。正に武士道じゃないですか。佐々木監督の人物像が窺えますね。「リスペクト」というのは,尊敬すること,敬意を表すことを意味します。レフェリーには敬意を表し,その判定には潔く従うこと,また,対戦相手にはその価値を認めて敬意を表し,それを乗り越えるためにおのずと自己鍛錬を怠らないということなのでしょう。4年前のオリンピックではメダルを獲得できずに4位に甘んじたのに,昨年はW杯優勝,今回もそれ以上のパフォーマンスを見せて銀メダルです。「リスペクト」して,自己鍛錬を怠らないという監督の考え方が着実に浸透していったのでしょうね。
アメリカのFWのアビー・ワンバックという選手は,ナイスガイですね。あっ,いや女性ですね。失礼しました。今年の3月5日,アルガルベ杯の対アメリカ戦の当日の朝に,澤選手は良性発作性頭位めまい症を発症しました。選手生命の危機に立たされた訳です。そうしたところ,それから16日後の3月21日,INAC神戸のキャンプ地(鹿児島)に,ワンバック選手が電撃的に訪れ,澤選手に「絶対に克服できる。また五輪で戦おう。でも次はやられないよ。」と言って激励したそうです。澤選手は感激し,号泣し,勇気を得たそうです。
そして今回の決勝戦で両者は再び相まみえ,素晴らしい試合をしました。ワンバック選手も,澤選手やなでしこジャパンを「リスペクト」していたのでしょうね。本当にいい奴です。
オリンピックにおける柔道という競技では,私は日本人選手の金メダルラッシュを大いに期待していたのですが,現状ではこれは無理なようです。とても残念ですが・・・。
ところで,一視聴者としての負け犬の遠吠えのように聞こえるかも知れませんが,現在のオリンピックにおける柔道には,私は最近ようやく違和感を覚えるようになってしまいました。柔道は「道」ですから,礼に始まり礼に終わるはずですが,特に外国人選手のおざなりな一礼の仕方が目に付きます。せめて体を静止させた上で一礼して欲しい。また,畳を去るときに一礼もしない選手がおります。柔道着が完全に帯から遊離し,ブラブラさせたままで見苦しく試合を続けています(一説によると組み手の段階で有利になるように,わざと帯をゆるく締めて柔道着をブラブラさせる「戦術」もあるそうです)。勝利が決まった瞬間,とても派手なガッツポーズを作ったりします。そこには敗者に対する敬意,また武士道でいう「惻隠の情」はありません。技を掛けられまいと,極端な腰引きの防禦姿勢を取りがちな選手もおります。それと,青い柔道着はとても好きにはなれません。柔道着はやはり双方白色で,あとは帯の色で区別すればよいではありませんか。
また,前回の北京オリンピックなどでは中国人選手などが頻繁に見せたようなタックルめいた動作(いきなり相手の足を刈りに行く)は見ていて見苦しく,そんなのは柔道ではありません。さすがに今回のオリンピックではこれは反則とされましたが・・・。組み手を争いを見ていると,本当にボクシングか何かではないかと思えるような動作です。柔道というのは,当然私も素人ですから詳しくはありませんが,「組み手」をした後,「崩し」と「体捌き」を巧みに進め,最後に美しい一本に持っていくのが醍醐味ではないでしょうか。私が小中学生の時にテレビで見て感動した日本の柔道というものは,やはりそういうものでした。
ところが,普段から私がいかがわしく思っているいわゆるグローバリズムというやつなのでしょうかね,日本の柔道がルール面で相当に「国際的」に変容され,オリンピックで見せられるものは,もはや「柔道」ではなく「JUDO」という特殊なスポーツの一つに成り下がってしまったのでしょう。そう思います。礼節も,美しさも,柔道本来がもつ醍醐味も失われつつあります。日本の柔道がオリンピック種目になっているというのは,誇らしくもありますが,それによって本来の「柔道」が失ったもの,変容を余儀なくされたものがあると思います。勝利した瞬間,人目を憚らず派手なガッツポーズをするような柔道家は昔の日本には一人もおりません。
これまでは,オリンピックの柔道というのはこういうものなんだと何気なくテレビを見ながら過ごしてきましたが,今回のロンドンオリンピックでの柔道の試合を見ていて,ようやく最近になってはっきりとした違和感を覚えるようになってしまいました。これは「柔道」ではなく「JUDO」だと。
ただいずれにしても,オリンピックの競技種目として「JUDO」があり続ける以上は,やはり我が日本人選手は絶えず金メダルを目指さなければなりません。これだけ体重による階級別があるのに,金メダル1個では・・。もちろん他のメダルに輝いた選手の活躍は大いに称賛されるべきですが,やはり優勝が欲しい。
史上最強の柔道家,木村政彦先生,何とかしてください!
7月28日は,私が心からその音楽を愛するヨハン・セバスティアン・バッハの命日であります。今から262年前にライプツィヒで亡くなりました。毎年この日にはバッハの音楽をしみじみと聴くなどして過ごすのですが,今年はこのうだるような暑さでヘトヘトになってしまったのと,ロンドンオリンピックの方に関心がいってしまいました(笑)。
さて,女子サッカーは開会式前から頑張ってますね。カナダを破り,その後強敵スウェーデンにも引き分け,勝ち点を積み上げております。ただ,対スウェーデン戦を観ていて思ったのですが,なでしこジャパンは明らかに研究され,対策されております。昨年のワールドカップのように優勝を手にするには相当な困難が横たわっているのではないでしょうか。
なでしこジャパンの今のキャプテンは宮間あや選手です。新聞報道もされておりましたが,彼女は対カナダ戦開始直前,円陣を組んだ選手全員に対して,「みんなに大切な思いがあって、大切な人もいる。6試合をお互いのために戦おう。」と言って勇気づけたそうです。試合後の佐々木則夫監督のコメントは,「(この言葉を聞いて)僕もジーンときて涙が出そうだった。泣いている選手もいたしね。」というものでした。これはどうでもいいことですが,テレビでその佐々木監督のコメントを聞いて,今度はテレビの前でうちのカミさんが泣いていたことを,娘のあかねちゃんが私に暴露したのです(笑)。
いずれにしても,宮間選手のあの言葉は選手の士気を鼓舞するには最高の言葉でしょう。キャプテンシーというものが備わっておりますね。昨年のワールドカップ決勝戦で勝敗が決まった直後,うなだれる米国選手の下にすぐに歩み寄って敬意を表した行為はスポーツマンシップの模範として世界的な評価を受けたのです。武士道でいう「惻隠の情」です。
さてそれにしても日本柔道はどうなってしまったのでしょうか。個々の選手は頑張ったのですから,労いたいと思います。ただ我が日本としては,柔道の世界では何としても金メダルが欲しい。立ち技でも寝技でも,「ああ,やはり日本は凄いな。」と思わせるような切れのある技を臆することなく見せて欲しいのですよ。積極的にね。かけ逃げや極端な防御姿勢で時間稼ぎをするような外国人選手に対しては,見事な一本勝ちをして欲しいのです。
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(増田俊也著,新潮社)という本を読んだ影響かもしれませんが,やはり日本柔道は世界に冠たる存在であって欲しい。史上最強の柔道家といわれる木村政彦には牛島辰熊という師匠が,また,岩釣兼生というこれまたその当時最強をうたわれた柔道家には木村政彦という師匠がそれぞれおりました。精神面を含めて,勝負の要諦というものを弟子や選手に伝える「師匠」がいつも存在していなければならないと思います。
日本柔道の復活を切に希望するものであります。
ゴルフの世界4大メジャー大会は,マスターズ,全米オープン,全英オープン,全米プロゴルフ選手権ですが,この週末は全英オープンの中継をつまみ食いのように観ておりました。いつも思うのですが,全英オープンというのは観ていて独特のスリルがありますね。蛸壺のようなバンカーに入ってしまうと大変です。ボールが前の壁に近いと横に脱出するしかなく,完全に1打損します。ライによっては1打の損で済まないこともあります。フェアウェイを外してしまいますと,時にはアンプレヤブル宣言をせざるを得ないブッシュに入ったり,草むらに入ったりします。要するに,逆転の要素が大いにあって,やっている選手にとっては気が気でないでしょう。精神的にタフでなければなりません。この大会を5回も制しているトム・ワトソンという人は本当に精神的に強いのでしょうね。
今年の全英オープンの最終日の18番ホールのアダム・スコット(オーストラリア)には心から同情してしまいました。この日のスタート前には2位以下に大差をつけていて,楽勝ではないかと思われていたのに,15番から17番まで連続でボギーをたたき,18番に臨む段階では,既に一度全英オープンを制しているアーニー・エルス(南アフリカ)に並ばれていました。スコットとしては,この18番を最低でもパーで凌がなければプレイオフに進むことができない状況でした。このアダム・スコットという選手は,さわやかで男前もよく,マナーもよかったので20歳そこそこの時から応援しておりました。もう32歳ですから,メジャーの一つも獲りたいところだったでしょうね。
観ている方もドキドキの18番のティーショットを,彼は不運にも例の蛸壺バンカーに入れてしまいます。それもライが悪い。出すだけでした。彼としては第3打をピンの近くに寄せて何とかパーをキープしなければ負けが確定します。本当に可哀想にと思っていましたら,彼も素晴らしい。第3打を割とピンに近い所に寄せ,パーが狙える状況を作ります。精神的に強いなと思いました。感動しました。「入れろよ。」と心から応援していたのに,結局はその大事なパーパットを惜しくも外し,2位となってしまったのです。
全英オープンというのは,こういうシーンが多いですね。このアダム・スコットの逆転による惜敗を観て思い出したのは,1999年の全英オープンのジャン・バンデベルデの悲劇です。彼は18番の段階で2位に3打差をつけていたにもかかわらず,深いラフやクリーク(小川)に入れてあろうことかトリプルボギーを叩いてしまい,これに引き続くプレイオフで敗れたのです。
何かしら,全英オープンというのは人生模様を見せてくれているようです。マスターズとはまた違った感動があります。
いかにも小市民である私が,この週末にこだわっていたことが二つあります。一つ目は,日本の女子プロゴルフのツアーにおける外国人連続優勝を絶対に阻止すべきこと,二つ目は,わが栄光の巨人軍が対ヤクルト3連戦で勝ち越すべきこと,この二つです。
まず一つ目です。一体全体,どうなっちゃったんでしょうか。最近の国内の女子プロゴルフの世界における日本人選手の低迷は・・・。日本で行われているツアーであるにもかかわらず,ここ7戦は連続して外国人選手が優勝をかっさらっております(韓国人選手6名,中国人選手1名)。実力の世界なのだから仕方ないとはいえ,日本人として屈辱感を覚えますし,最近の私自身のスコアが悪いのも,こういうことが多分に影響しているのだと確信しております(爆笑)。・・・責任転嫁は民主党に任せておけばいいですね(笑)。
私もゴルフが好きですし,プロの選手のプレーを見ているといろいろと参考にもなりますので,最近ではよくテレビ中継を見ます。そして,何とか今週こそはという気持ちで女子日本人選手の優勝を心から祈念していたのです。やってくれました!名古屋市出身の服部真夕選手。最終ホールのパー5で2オンに成功し,7メートルの長い距離のパットを見事に沈め,イーグルをとってのド派手で見事な優勝でした。よくやったーっ!これで,小市民の私がこだわっていたことの一つが達成されました。
二つ目は,ジャイアンツです。今でも覚えているのです。開幕3連戦は対ヤクルトでした。ジャイアンツはいきなりヤクルトに2連敗し,1勝2敗で負け越してスタートしたことを。しかも東京ドームでです。この開幕ダッシュに失敗したジャイアンツは,その後も低迷を続け,一時は6勝13敗となりました。
セパ交流戦も終わり,この週末の3連戦の相手はヤクルトでした。セパ交流戦での成績は,巨人が優勝し,ヤクルトは最下位(12位)でしたから,この際ジャイアンツは勢いに乗ってヤクルトに借りを返しておくべきなのです。というのも,金曜日のナイトゲームの前の段階では,ジャイアンツはヤクルトに対し,2勝5敗1分けという情けない成績だったので,私のこの週末でのこだわりは,最低でもこの3連戦は「勝ち越し」というものでした。
結果は,1勝1敗1分けに終わりました。誠に残念です。このこだわり部分は達成されませんでした。悔し紛れに2つほど指摘させてもらいます。巨人の沢村投手は,若いながら堂々としており,ストレートの速いものでは150キロに達するものもあります。テンポも良いし,なかなかの投手だと思います。でも,ふっと思うのですが,彼はチームメイトの共感を得ているか,人の声に耳を傾けているか,と思ってしまうことがあるのです。うまく表現はできませんが,彼の場合,独り相撲をとっている嫌いはないかという疑問が払拭できないのです。次に,4番,サード,村田選手です。4番,サードといえば敬愛する長嶋茂雄選手ですが,長嶋さんと彼を比較するのは彼にはとても酷な話です。でも,村田選手に巨人の4番は無理なのではないかと思います。北京オリンピックの時も思ったのですが,ハートの弱さがあるのではないでしょうか。凡退に終わった後の彼の情けない表情を見ている方も情けなくなってしまいます。ヤクルトのバレンティン選手は18本もホームランを打っているのに,村田選手はわずか4本です。巨人の首脳陣としては彼を4番として迎えたのでしょうが,もうそれにこだわる必要はないと思います。今の4番は阿部慎之助でしょう(本塁打10本)。
サッカーの欧州選手権がいよいよ佳境に入り,決勝トーナメントが始まります。ワールドカップと欧州選手権は4年に1度ですが,開催年が2年ずれておりますから,世界のサッカーファンは,2年に1度は熱狂できる訳です。
ワールドカップと欧州選手権の出場国の世界ランキングの平均値を見てみますと,概して欧州選手権のそれの方が上位で,ある意味では欧州選手権の方がレベルが高いとも言われております。それにしても,どうですか・・・決勝トーナメントの組み合わせは!本当に豪華ですよ。チェコ対ポルトガル,スペイン対フランス,ドイツ対ギリシャ,イングランド対イタリア。凄いことになってますね。
ドイツ対ギリシャですか(笑)。ユーロ圏の経済強者と緊縮財政を余儀なくされているギリシャ。この「因縁」対決のパフォーマンスは,経済のとおりドイツがギリシャを凌駕するのでしょうか。でも,ギリシャという国は,2004年の欧州選手権で何と優勝しているのですよ。国内にはパナシナイコスとかオリンピアコスとかの実績ある名門クラブチームもあって,決して侮れないのです。
話題には事欠かず,対クロアチア戦で決勝トーナメント進出を決めたイングランドは,ルーニー選手が決勝点を挙げております。植毛した頭を使ったヘディングで(笑)。
欧州選手権で今も思い出しますのは,1996年の大会で,当時はまだ3歳に満たなかった娘のあかねちゃんと一緒に,室内でボールを蹴り合いながら熱狂したものです。この大会はドイツが優勝し,マティアス・ザマーが最優秀選手,あとはユルゲン・クリンスマンやローター・マテウスらが大活躍しておりました。ドイツのシンプルなユニフォームも含め,カッコ良かったのですよ。
熱狂しながらボールを蹴っていたあかねちゃんは,妙に脚力がついたのかしら,寝ているときも足の動きが良く,しょっちゅう私のお腹の上に足が乗っていました(笑)。何度夜中に起こされたことか。先日,彼女が言うには,大学の体育の授業でサッカーを選択し,ハットトリックを達成したそうです(笑)。学問の方もちゃんとやっているのでしょうか。
さてさて,今年の欧州選手権はどうなりますかね。私の予想では,ドイツかスペインといったところでしょう。
もう,ストイコビッチ監督の下では限界があるのだと思います。昨日のACLにおける対アデレード戦は0-1で敗れ,その前のJ1のリーグ戦でもホームでありながらセレッソ大阪に0-1で,そしてアウェーでしたがベガルタ仙台には0-4の完敗を喫しています。ベガルタ仙台戦の終了後は,怒ったグランパスサポーターが選手らを乗せたバスの前に立ちはだかって抗議したそうです。
名古屋グランパスはJ1の順位表を見ても現在は13位に低迷していますが,これは故無きことではありません。それ以前からの試合内容の悪さからして当然の結果とも言えるでしょう。順位どおりの試合内容です。そして一言で表現しますと,今のグランパスはどんなサッカーがやりたいのか全く分からず,個人技頼みの場当たり的なサッカーをしているということに尽きるでしょう。
ストイコビッチ監督は,チームを託されてもう4年半も経ちますが,はっきり申し上げて,J1屈指の選手を多く擁しながら,有機的な結合を窺わせるような組織的なチーム戦術が未だに確立できずにいます。特に目立つのは中盤を構成できていないことで,試合全体のボール支配率では相手チームと遜色はなくても,少なくとも中盤のエリア内でのボール支配率はリーグでも最低に近いのではないでしょうか。中盤でのパスがつながらないのです。
さきほど,どんなサッカーがやりたいのか全く分からないとは申しましたが,ただ一つだけ明確に分かっているのは,不用意なプレーで失点してリードを許し,残り時間が切迫してくるとDFの闘莉王を最前線に上げ,やたらペナルティーエリアに向けてボールを放り込んでパワープレーをするという点だけです(笑)。
監督としては未知数でも,その人気と名声でグランパスの監督に招聘したのですが,今のグランパスではストイコビッチ監督に意見できる人はいないのでしょうね。実際にはストイコビッチさんは,監督としての仕事よりも,「もっと頑張れ!」と叱咤する先輩のような役割しか果たしていないのではないでしょうか。でも,プロの「監督」ですから結果が出なければ責任を取るべき時はあります。
昭和58年当時は私は公務員として東京で勤務し,安月給でしたので,この年に初来日した世界的名ピアニスト,ウラディーミル・ホロヴィッツのピアノリサイタルのチケットには手が届きませんでした(定かではありませんがS席で5万円くらいしたのではないでしょうか)。でも,後の評論で知ったのですが,この時のホロヴィッツの演奏はミスタッチも多くて精彩を欠いていたようです。その当時,私もそんな評論を目にして行かなくて良かったかなと思ったくらいです。先ごろお亡くなりになった音楽評論家の吉田秀和さんは,新聞などによりますとこの時のホロヴィッツの演奏について「骨董、ひびが入っている。」と忌憚なく評論したそうです。ただ,その数年後にホロヴィッツが再来日した際には,吉田秀和さんもその演奏の素晴らしさを讃えています。
全然分野の違う話になりましたが,名古屋グランパスの監督に誰か忌憚のない意見をしてくださいよ。もっとスペクタクルな,見応えのある,強いなと思わせるようなサッカーをしてください。