再生計画どおりに返済してきたのですが、病気などでその計画どおりに返済することが困難になった場合には、どうなるのでしょうか。
再生債務者が病気や整理解雇(リストラ)など、やむを得ない理由で計画どおりの返済が困難になったような場合には、裁判所に再生計画変更の申立をして、返済期間を最長2年間延長してもらうことができます。また、再生債務者の責任とはいえないような理由によって、再生計画を遂行することが極めて困難になり、かつ、再生計画に基づく弁済の4分の3以上を既に終えているなど一定の要件を満たす場合には、裁判所に免責(ハードシップ免責)の申立をして、その後の支払を免除してもらうこともできます。
住宅ローンについて借り換えをしている場合でも、住宅資金特別条項付きの個人再生を利用することができますか。
できます。ただし、住宅ローンの借り換えをした場合には、その借り換え分の債務が住宅ローンであることを裁判所に疎明する必要があって、借り換えの際に金利が安いからといって多めにお金を借りたりして、その一部を旧住宅ローン債務の弁済や住宅リフォーム以外の使途(例えば遊興費など)に使ってしまっているような場合には、住宅ローンとは認められない可能性もあるので注意してください。
個人再生手続を利用した場合、連帯保証してくれた保証人に迷惑を掛けずにすむのでしょうか。
いいえ。個人再生手続を利用しても、それはあくまでも利用する方が負った債務に関する解決手段であり、残念ながら保証人に対する請求を止めることはできないのです。ですから、保証人が債権者から直接に請求されて支払えない場合は、保証人の方についても債務整理等をすることを考えなくてはなりません。なお、住宅ローンの保証については、他の債務と異なり、さきほどご説明した住宅資金特別条項を付けた再生計画に従って支払を続けている限りは、直接に保証人に対して一括返済などの請求がされることはありません。
住宅ローンが残った住宅に今も住んでおり、これからもローンを返済しながら住み続けたいのですが、このような場合でも個人再生手続を利用することができるんでしょうか。
はい。住宅資金特別条項を再生計画案に加えることで、住宅を手放さずに済みますが、
- 個人再生をする本人が所有していること
- 床面積の2分の1以上が自分の居住用であること
- 特別条項を利用しようとする住宅に,住宅ローン以外の担保が設定されていないこと
等の一定の条件を満たす必要があります。詳しくは、弁護士にご相談ください。
個人再生手続を利用したりすると、不利益になることはありますか。
破産手続のように、一定期間特定の仕事に就くことができなくなるなどの資格制限はありませんが、法的な債務整理の一種ですので、信用情報機関に登録され(いわゆるブラックリスト)、しばらくの間はクレジットカードの契約をしたり、新たに借り入れることができなくなることがあります。
そもそも個人再生手続というのは、どのような手続ですか。
金額に多少の変動はあっても、比較的安定した収入(例えば給料など)が将来も見込める人の場合には、債務の一部をカット(減額)した再生計画案を裁判所に提出して認可してもらい、その再生計画案で決められた金額を原則として3年間で支払う方法です。そして、その再生計画案どおりきちんと支払っていったら、カット(減額)された債務は法律上も支払う義務がなくなり、経済的な立ち直りができるのです。
これには、小規模個人再生手続と給与所得者等再生手続の2つがあります。あなたの場合、どちらの手続を利用するのがよいのか、また、将来再生計画案で決められる1か月当たりの返済額がいくらくらいになるのかについては、弁護士がわかりやすくご説明します。