任意整理をすると住宅ローンの審査が通らなくなりますか。
任意整理をすると金融機関の信用情報に登録されることが多いでしょう。したがって、任意整理をすると住宅ローンの審査に通らない場合も出てきます。しかし、これは審査する会社の方針にもよるので一概には言えないことです。現実的には、任意整理した後に、住宅ローンを組むことができた例もあります。また、前にもご説明しましたが、いわゆるブラックリスト(信用情報登録機関)への登録期間はせいぜい5、6年といわれています。その後は、住宅ローンなどの借入もできるようになります。
任意整理を利用したりしたことは、勤務先に言わなければなりませんか。
言う必要はありません。また、そのような義務もありません。万が一、任意整理を利用したことが勤務先の知るところとなっても、勤務先としては、そのことを懲戒事由などとして本人を解雇することはできないのです。
借金の原因がギャンブルであったりしても、任意整理の手続は利用できますか。
利用できます。任意整理は、弁護士が代理人になって交渉等をしていくものであり、裁判所が関与するものでもありません。例えば、破産手続ですと、借金の原因がギャンブルであったりすると、その程度にもよりますが最悪の場合には免責許可がなされないこともありますが、任意整理の場合はそのような問題は生じません。
任意整理をした場合にもブラックリスト(信用情報登録機関)に登録されるのでしょうか。その場合、日々の生活に支障はでてきませんか。
任意整理で個々の債権者と和解していくといっても、債権者にとっては一部貸し倒れという現象となり、ブラックリスト(信用情報登録機関)への登録申請を完全にシャットアウトすることまではできません。しかし、登録されたとしても、その限りでは本人の新たな借入が困難になるというだけで、本人が現金で生活をする限りは何ら問題はありません。しかも、ブラックリスト(信用情報登録機関)への登録期間はせいぜい5、6年といわれています。
任意整理には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
- 利息制限法の利率を前提にした引き直し計算による元金の減額
- 将来利息のカット
- 場合によっては過払金回収
などといった主要なメリットがあります。
また、破産手続や個人再生手続とは異なり、特定の債権者を選んで交渉できるというメリッ
トがあります。例えば、保証人がついている借金や自動車などのローンなどを除くことが可能で、それにより保証人に迷惑を掛けず、また自動車などの引き上げ
要請を回避することも可能なのです。
任意整理というのは、どのような手続ですか。
弁護士が代理人になり、これからの返済総額や返済期間、毎月の返済額などについて、各債権者と直接交渉して和解契約をしていく手続です。まず、これからの返済総額を交渉していくに当たっては、利息制限法の利率による引き直し計算をして元金を確定します。要するに、消費者金融などにそれまで高い利息を長期間支払っていたような場合は、利息制限法で認められた範囲の利息に計算し直したうえでの交渉になりますので、元金が大幅に減ることがあります。また、返済期間や毎月の返済額については、おおよそ3年間から5年間を目安に、将来利息はカットしつつ、ご依頼者の毎月の収入に応じて、無理のない金額で分割して支払うという方向で交渉します。
また、それまでの取引期間が長かったため、元金が残るどころか、かえって消費者金融に払い過ぎていたことが判明することも非常に多く見られます(過払金の発生)。このような場合には、弁護士は、その過払金返還の交渉、訴訟提起などによって過払金の回収をします。